20090608-vedit1

31: 名無し百物語 2014/12/04(木) 10:13:59.13 ID:D5uIbgsG.net
「ゴースト職人」 

かなり前に某テレビ局の下請けで映像編集の仕事をしていた。 
当時の俺はyoutubeやニコニコに友達がつくったボカロ曲と絵を編集した動画をUPしていたんだけど、テレビ業界で働いている親戚のおじさんに作品を見せたら、センスがあるとほめられて映像編集のバイトを紹介してもらえた。 

下請けの小さな会社だったから自分の名前が売れるようなことはなかったし給料もやすかったけど、朝から晩まで好きなことをして飯が食えるんだから文句をいったら罰があたると思って、ガムシャラに働いていた。 

働き始めてすぐのころはローカル番組のBGMやテロップ入れ、カットなどを延々やらされていたけど、一年ほど経つとゴールデン番組の編集をまかされるようになっていた。 

誰もが知る有名なバラエティー番組の編集を自分がやっているというのは、この上なく優越感に浸ることができる名誉だった。 

だけど、テレビ業界というのは華々しさだけでは成り立たない。一般人には知られてはいけない暗部がある。 
ある日俺は職場で社長に呼び出された。社長は俺に新しい仕事をしてほしいという。 

働き始めて二年ほど経って会社で請け負っている仕事のほとんどを把握し、一人でこなせるようになったと自負していた俺は、まだやったことのない仕事があったのかと嬉しくなった。 

未知の仕事にチャレンジできる喜びで一杯の俺とは対照的に、後ろめたそうな表情でうつむく社長は言った。 
「心霊映像を作ってくれないか」