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過去記事再掲載について
サイト移転時にお蔵入りになってしまった過去記事の復活を行っていましたが、ようやくほぼ全ての記事のサルベージが終わりました。
復活掲載に関しては完了しましたが、しばらく古い記事に修正や手直しを加えたものを深夜帯、時事性の無い記事のみに限り引き続き掲載させていただきます。ご了承ください。
モス男、金子たちが居ない時期の古ーい記事もありますので、懐かしむ気分で楽しんでいただければ幸いです。
※この記事は当ブログの企画記事となります。ご了承ください。


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おかちるわ!
オカルト書籍紹介コーナー「オカ本」よ!









オカルト本紹介コーナー「オカ本」とは?
以前より、メールやコメントにて管理人(白子・黒子etc)のお勧め漫画や本や映画を紹介してください、という意見をたくさんいただいておりました。
また、企画募集の案としても「お勧めのオカルト作品を紹介するコーナーが見たい」という意見を継続的にいただいています。

そういうわけで、「オカ本」と題して、うしみつの本棚からオカルトっぽい本(映画)を一冊ずつご紹介したいと思います。
漫画・小説・ムック・写真集などジャンルや内容は問わず、気の向くままに紹介していこうと思いますので、どうぞ軽い気持ちでお楽しみください。

<過去のオカ本記事>

第一回 予想外に怖い!怖すぎる!漫画版『呪怨』


第二回 ケン・スミスの『誰も教えてくれない聖書の読み方』 (欠番)

第三回 この夏読みたい、厳選「知られざるオカルト漫画」5本!

第四回 不気味さはトラウマ級!絵本「なおみ」をあなたは知っていますか?

第五回 意外にも恐怖度満点?現代っ子の妖怪図鑑事情 

第六回 まさに夏の夜の夢…天才たちが描いた妖精画集

第七回 最恐のホラー邦画『震える舌』 5分で分かるあらすじ解説

第八回 ホラー短編集「怖すぎる永井豪」の世界へようこそ

第九回 太平洋戦争中のUFO事件を描いた漫画「フー・ファイター」

第十回 トラウマ量産漫画「不安の種」のクリーチャーランキング発表するよ!

第十一回 こんなに怖いママ初めて!…ホラー映画「MAMA」の5分でわかるあらすじ解説

第十二回 今ひそかなブーム?ちょっと不気味な「藤子・F・不二雄」短編集の世界

第十三回 正体不明の恐怖が襲う清水崇監督パニックホラー「7500」

第十四回 人食い寿司が人間を襲うパニック・ホラー!…『デッド寿司』の5分でわかるあらすじ解説!

第十五回 現代のぬらりひょんが侵略する異色ホラー映画『ボーグマン』

第十六回 聖夜に見たい!くだらなさZ級のSFホラー映画『エイリアンVSアバター』

第十七回 思わぬ方法で霊を払う「除霊漫画」3選を紹介!

第十八回 ウェンディゴの恐怖!?マニアックなホラー映画の5分でわかるあらすじ解説!

第十九回 敵か味方か?目的は?…謎の宇宙人「王さん」をめぐるオカ映画を紹介!

第二十回 甦れ我がトラウマ!誰もが知ってるあの恐怖絵本を紹介

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ナビゲーターはこのワタシよっ!
数千のオカルト蔵書の中から
毎週ランダムで一冊をあなたにお届けするわ!








【オカ本 第二十一回】
幻の絶滅動物!?
独自の進化を遂げた奇妙な生物「鼻行類」



早いものでオカ本のコーナーもいつの間にか20回超。
古今東西様々なオカ本を…なんていう謳い文句もどこへやら、最近は漫画とホラー漫画の紹介コーナーに変わりつつあった「オカ本」ですが、今回は初心に帰った書籍チョイスでお送りいたします。

うしみつ読者の方から「オカ本コーナーにて『鼻行類』に関する記事を作ってほしい」というネタ投稿をいただきました。
そもそも『鼻行類』とは何ぞや?という地点から、まずはこの生物の研究第一人者であるハラルト・シュテュンプケ博士の「鼻行類」を読んでいきたいと思います。

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鼻行類
著者:ハラルト・シュテュンプケ

1941年、日本軍収容所から脱走した一人の捕虜が漂着したハイアイアイ群島。そこでは鼻で歩く一群の哺乳類=鼻行類が独自の進化を遂げていた―。
多くの動物学者に衝撃を与え、世間を騒がせた驚くべき鼻行類の観察記録。
『鼻行類』(1961)はハイアイアイ諸島に生息したという「鼻行類」と呼ばれる一連の生物について解説した書籍です。
「鼻行類」とはハイアイアイ諸島にのみ存在する哺乳類の総称で、大きな特徴として特殊に成長した鼻を持っていることが挙げられます。その名の通り、進化した鼻を足の代わりに歩いたり、あるいは捕食のために使うことができるのです。


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「鼻行類」に掲載されたスケッチ
鼻を歩行器として使うものはハナアルキと呼ばれる。
左上の四本鼻の生物は代表的なハナアルキ、ナゾベーム属。

ハイアイアイ諸島は最近まで、その存在も知られていませんでした。
1941年、日本軍の捕虜収容所から逃げ出したスウェーデン人、エイナール・ペテルスン=シェムトクヴィストによって初めて発見されました。
彼が漂着したのは島群の一つハイダアダイフィ島。彼が島に生息していた独自の哺乳類「鼻行類」を発見し世間にその存在を知れ渡らせることに。


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トビハナアルキ
長い鼻には関節があり、その鼻で飛び跳ねて移動する。
大きく進化した鼻とひきかえに、足はほとんど退化してしまっている。


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ハナススリハナアルキ
水辺に生息するハナアルキ。
鼻汁を釣り糸のように垂らし、水中の小魚を捕まえて食べる。


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フシギハナモドキ
長い尻尾で地面に直立し、広げた鼻からは甘い匂いを発することで花に擬態する。
寄ってきた虫を食べることで暮らしているが、一度この形になると二度と移動することはできず、死ぬまでこの形で暮らし続けることになる。…生殖は?




その後、ドイツ人博物学者ハラルト・シュテュンプケによりハイアイアイ群島の調査が行なわれ、全14科189種の鼻行類の存在が記録された。
しかし、1957年…アメリカが秘密裏に行なった核実験によって引き起こされた地殻変動により、ハイアイアイ群島は海没してしまいました。このとき、鼻行類も全て絶滅したとされています。
また、シュテュンプケ博士もこの時行方不明となっており、彼の遺稿となった研究成果のみが後に動物学者ゲロルフ・シュタイナーの手によって刊行されることとなります。




・・・という、一連のストーリーを持つ架空の動物学論文が『鼻行類』です。
架空の動物学論文、つまり書籍の内容そのものがパロディであり、あたかも本物の動物研究誌であるかのような皮を被っていますが、ハナアイアイ群島も鼻行類も想像上の存在で実際には存在していなかったとされています。

とはいえ、実際に本を読んでみてもどこにもネタばらしが無いため、彼らが本当にシュテュンプケ(ゲロルフ・シュタイナー)の空想の産物であるのかどうか…最後まで読んでもまったくわからないツクリになっています。


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しかも内容がやたらと緻密

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ハナアルキの器官の詳細な説明や、ハナアイアイ群島の原住民の生活についても書かれています

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科学者の考える遊び心、というのはとかく理解し難いものがあります


こうした空想生物の研究誌はマニアックな人気があるようで、似たような書籍は今でも生み出され続けています。
うしみつが読んだ例はジョアン・フォンクベルタ「秘密の動物誌」とエリック・ハズペス「異形再生: 付『絶滅動物図録』 」の二冊です。どちらも異形の空想生物を研究や解剖図録が掲載されている本ですが、生物を発見・研究した博士の奇特な半生が詳細に描かれており、謎の生物たちの存在に真実味を持たせている点で共通しています。
真実かウソか、それは本を最後まで読んでも明らかにされていませんが、読者の想像力を巧みにくすぐる面白い内容でした。


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ペーター・アーマイゼンハウフェン博士の奇妙な研究記録
左上の羽根の生えた象は絵ではなく写真です(粗くて見難いですが、ちょっと写真には見えない)
その下の右側の写真は妖怪「件」の剥製を彷彿とさせますね



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謎の失踪をはかったスペンサー・ブラック博士の業績
人魚やハーピー、ケンタウルスなどの神話生物の解剖図録が大きな特徴




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ふーん、鼻行類っていうのね~
リアルな剥製作ったりフォロワーがいっぱい存在する
なかなか深い世界みたいじゃないの~




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なんだか久しぶりにまともな
「オカ本」って感じのコーナーじゃったな





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しかしなんだか難しい話だったわね~…
ワタシってば理系選択は錬金術を選んだから
「生物」とか良くわからないんだよね~
銀子、何かワタシの眠気が吹っ飛ぶような話はないの?




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そういう馬鹿金子のために
鼻行類が登場する漫画を紹介しておくけん
よくわからんかったらこの漫画を一冊読めば
鼻行類の何たるかは大体理解できるけん



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よっしゃー!
やっぱり漫画ってばサイコー!!









おまけ:鼻行類が登場する漫画作品
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ミッシングアイランズ
著者:柴田昌弘

洋上研修中に嵐の海に投げ出され、謎の生物がいる無人島に漂着した少年少女達の戦いを描いた表題作と、他2作品を収録した柴田昌弘のSFアクション傑作集。
南の海で洋上研修中だった笙子(しょうこ)と希美(のぞみ)、レミの3人は、ノーテンキな少年・隆志(たかし)に誘われ、嵐の夜に上甲板で“セントエルモの火”を目撃する。そして不思議な閃光を浴びて意識を失った笙子達は、気がつくと謎の無人島に漂着していて……!?
というわけで、鼻行類およびハナアイアイ群島が登場する漫画といえばコレ

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青年洋上研修に参加した四人の男女。
ある嵐の夜、甲板で「聖エルモの火」を目撃する。どんどん大きくなり近づいてくる光に包まれた彼らは、気がつくと見知らぬ島の浜辺に打ち上げられていた。


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島で見つけたのが奇妙な生物ハナアルキ
こりゃ四つ鼻のナゾベームですな



絶滅した幻の哺乳類を発見した四人は、遭難したという事実も忘れて未開の島を冒険し束の間のリゾート気分を味わうのであった。

ある夜巨大な怪物イカモドキが彼らを襲った。
突然現れたアメリカ軍兵士により危機を脱するショウコたちだったが、仲間の一人「レミ」がイカモドキに連れ去られてしまう。

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連れてこられた場所はハナアルキの研究所

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研究者はなんとあのシュテュンプケ博士!
どうやら彼らは1957年にタイムスリップしてしまったようです


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翌朝、突然のホラー展開
「おれはハナアルキだ! ハナアルキこそ万物の霊長だーー!!」


小屋に閉じ込められ、鼻で歩こうとする狂った軍人たち。
どうやら軍は、この島に関係する何か重大な秘密を隠し持っているようです。


知りたきゃ教えてやるよ!
「連中を狂わせたのは『ナーゾナス』という高等鼻行類だ!
 鼻行類は悪魔のつくった呪われた生物なのだ!!」


あっさり教えてくれました。


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ショウコたちは米軍の研究者とともに島の奥へと進みます
そこで発見したものは・・・人間の力で作ったとは思えない巨大な遺跡だった


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テレパシーを使う謎のナゾベーム、ナーゾナス

ハナアイアイ諸島に残された遺跡、それはかつて地球にやってきては生物の進化に手を加えた存在「創造主(クリエイター)」だという。
なんだか宇宙人っぽい話も絡んできて、物語は壮大な展開になってきました。

クリエイターの意志を継ぎ、地球を理想的な生態系モデルに戻すため、人類を抹殺すると宣言するナーゾナス。
しかし、彼らの話を聞きながら、ショウコたちはあることに気付く。その日は1957年9月26日。歴史上、ハナアイアイ群島がある悲劇に見舞われるちょうどその日だったのである――。



と、いうわけで。
人類とハナアルキの運命やいかに!?
結末は漫画にてご確認ください。三十年近く前の漫画なので、原本は手に入りにくいと思うのですが、今はkindle版が配信されているようです。本当に良い時代になったものです。



それでは、次回「オカ本」の世界でお会いしましょう。

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ブログを見ていただいたみなさんからのネタ提供を募集します。
以下のようなネタがあれば、「うしみつ」にどしどしお送りください。
ネタはブログに掲載させていただきます。

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