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538: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2016/08/15(月) 12:07:30.03 ID:XaDD6v/Y0.net
石じじいの話です。 

それは、山中の奇所でした。二十畳以上はあると思われる空き地で、そこには、樹木や下草が生えておらず、地面が一面に青白い砂だったそうです。それはとても細かい粒ぞろいでした。じじいは、砂に足を取られながら空き地の中心に向い、そこに立ったのですが、晩秋の山で寒い日だったのに、そこだけは暖かかったそうです。
とても静かで虫の音や鳥の鳴き声もまったく聞こえず、完全な静寂だったと。周りの樹木は風に揺れていましたが、そこでは風も吹いて来なかったそうです。特に興味を持てるような場所ではなかったのですが、その砂を布袋(じじいが自作し、集めた石を運ぶために入れておくもの。当時はビニール袋などなかったらしいのです)に少し詰めて持ち帰りました。
家で虫眼鏡でみると、細粒で(小麦粉ほど細かくはなかったそうですが)粒がとてもきれいに揃っていたそうです。光を受けて、その砂は鈍く輝きました。透明ではないので石英粒とは違い、それにずいぶん重かったそうです。じじいはそれを熱してみましたが、熔けることもなく色が変わることもなかったと。街の中学校(旧制)の理科の先生に見せて、顕微鏡で調べてもらいましたが光をまったく通さず、なんでできていたかもわからなかったそうです。当時は、分析する機械もありませんでした。
じじいは、その砂を箪笥にしまっておいたそうです。彼が死ぬまでそれは彼の家にあったのでしょう。