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727: 可愛い奥様@\(^o^)/ :2016/02/05(金) 10:52:06 ID:y22rW/NL0.net
私が小学1年生のバレンタインデー、母は自転車で走行中に交通事故に遭った
私は熱を出して学校を休んでいたが、事故は当時土曜日で半日下校中の兄たちの目の前で起きたそうだ
後に聞いたところによると、買い物の帰りに下校中の兄を見つけて、早く帰らないとと焦ってよろけたところを車とぶつかったらしかった

足の骨折と頭の怪我だけだったけど、意識もなく、手術後は面会謝絶になっていた
私だけがどこかにお泊まりしたことがなく、母と離れるのはその日が初めてで、心配と同時にすごく寂しい気持ちになった
面会謝絶だけどICUとかじゃなくて普通の病室だし、ちょっと母の顔を見るだけならと思い、こっそり病室に入った

電気をつけていなくて、薄暗い個室のなかで、機械の音だけが響いていた
部屋を入ってすぐにトイレや洗面台などがあり、ベッドは入り口の位置からは見えなかった
たいして広くない個室で、数歩歩いたらベッドの足元付近が見えた
忍び足でさらに進む…すると母が寝てるはずのベッドの真ん中あたりに、和服を着たおばあさんが正座していた
驚きのあまりそのまま動けなくなっていたら、おばあさんがゆっくりこちらを振り返った
それは私が4歳の時に亡くなった祖母で、母の実母にあたる人だった
私の記憶では祖母は寝たきりで、起き上がることすらできなかった
祖母が本当は亡くなっているということよりも、しっかり座っているということのほうに驚いて「起きられたの…?」と声を掛けてしまった
祖母はにっこり笑った
ところで私は遺影でしか亡くなった祖父を知らない
しかし生前、祖母が“そろそろお祖父ちゃんお迎えに来てくれるかしら”などど話していたので、人が死ぬときは亡くなった人が迎えに来るものなんだと思っていた
祖母が亡くなっていたことをここでやっと思いだし、祖母が母を迎えにきたのかと怖くなった
「お母さん、死んじゃうの?」
すると祖母はにっこりしたままでこう言った
「まだ○ちゃん(私)も小さいし、お母さんにはまだあと30年くらいは頑張ってもらわないとね」
そういって母の身体に沈み込むように消えていった
その後母は後遺症もなく、すっかり元気になった

こんなことはすっかり忘れていたけど、母は69歳の時に心不全で亡くなった
亡くなった日は、かつて事故に遭ったバレンタインデーだった
ぼんやりと、亡くなったのは事故と同じ日だなぁと思っていたんだけど、最近になってあることに気付いた
亡くなったのは、あの事故からちょうど30年目の同じ日だったということに

母が亡くなった日、祖母は母を迎えに来たのかな
もしそうなら、今頃は向こうで祖母と仲良く暮らしてるのかな
そしていつか私が死ぬときには、母が迎えに来たりするのかな