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97: 底名無し沼さん 2017/10/08(日) 20:36:12.36 ID:naHeq9kl.net
こんな話もある。
場所は関西;時代は1980年代初め

天体写真が趣味の人はいるだろうか?
それには、いろいろ分野があるが星野、星景写真は比較的簡単に撮影できる。
オレもそれを趣味としていた。いまでもたまにデジカメでやる。
昔はフィルムだったので、トライXやネオパンSSSをもって、赤道儀(当時も比較的小型の物があった)やガイド望遠鏡を持って山に登っていた。途中までベンリー125で行ってそこから歩いて登る。

その日は、夕方近くから登ってセッティングして撮影を開始した。
月がなく好条件だった。しかし、撮影していたらだんだん雲が出てきてベタ曇りの状態になった。天気予報はずれだな!と思って、少し待ったが雲がきれる様子がないので撤収することにした。
山道を持ってきたラジオを聞きながら(短波JJYなどのために持つ)
おりはじめてすぐに、赤い灯りが。『おお!同好の士か!』と思い懐中電灯の灯りを下に向けて近づいていった。最初は良く見えなかったが、その人物は山道沿いに三脚を立てている。
『やっぱり天体写真だ』と思った。近づいて行って見るとちょっと違った。
男性がイーゼルにカンバスをのせて絵を描いていた。この暗闇の中で。
それがおかしいことに気がついたときにはかなり近くまで来てしまっていた。物音もたてて近づいていたので、しかたなく『こんばんわ、ごせいがでますね』とちょっとマヌケな挨拶をした。
その絵描きは、深くうなずいた。
立ち止まらず通り過ぎたが、その時カンバスを見たら、よく見えなかったのだが、昼間の風景が描かれていた。
その場から離れようと急ぎ足で山をおりた。
ベンリーに飛び乗って帰ったが、あのときのコーナリングはかっこよかったと思う。

帰ってフィルムを自分で現像してみたら、そこには無数のヒトダマがということはぜんぜんなかったな。
次から、その撮影場所に行くのが怖かった。友人を誘って二人でいったりしたが、その後、その夜の絵描きには出会わなかった。