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1: オムコシ ★ 2015/06/16(火) 16:48:18.63 ID:???.net
ダ・ヴィンチニュース 6月16日 11時30分配信

 年の瀬も押し迫った夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っている。
街ゆく人々は、彼女には目もくれずに通り過ぎて行く。
少女は少しでも自分を暖めようと、マッチに火を付ける……。

 と、あらすじの一部分を説明しただけでも、この話がアンデルセンの『マッチ売りの少女』(童話館出版)だと多くの人が分かるはずだ。
広く知られている童話のうえ、ファンタジックかつ悲惨な内容でもあるため、今でもその解釈や、物語の裏に隠された意味をめぐってさまざまな議論がなされている。

 なかでもネット上に多く出回っているのが、「マッチ売りの少女=売春婦」という説。
ツイッターや2ちゃんねるで見つかった言葉をいくつか挙げてみよう。

・マッチ売りの少女の元は、売春婦。これ、マジ
・マッチ売りって売春の隠語か何かじゃないっけ?
・マッチ売りの少女って、マッチ燃えてる間だけセ○クスさせる売春少女の話じゃなかったん
・少女がなぜマッチを売っているのかと言うと、売春婦に対しての「いくら?(How much)」とマッチを掛けてるですよ


 そのほかにも、「少女売春のことを示唆していると聞いたのですが、本当でしょうか」というような質問がQ&Aサイトにも複数寄せられている。
どうやらこの説を信じている人はけっこういるようだ。

 確かに、夜の街角に立って物を売る少女は、立ちんぼ(街娼)のメタファーに見えなくもない。
だが、この説には明確な元ネタといえる話がある。それが野坂昭如の1966年の小説『マッチ売りの少女』だ。
現在手に入手可能な本では、『野坂昭如コレクション〈1〉ベトナム姐ちゃん』(国書刊行会)で読むことができる。

 主人公は大阪府西成区の三角公園(萩之茶屋南公園)に立つ、お安という女性。
彼女が何をしているのかが分かる、物語の一部を引用しよう。

『「もっと近うこな、風あるよって火ィ消えるよ」男は、痩せこけてはいても、まごうかたない女の脚に、お安の風体のすさまじさを見忘れ、いわれるまましゃがみこむと、お安はその肩あたりを寝巻きの裾でおおい、と、下半身がポウと明るく浮き出て、マッチ1本燃え尽きるまでの御開帳。』

 つまり、マッチ1本の明かりが付いている間だけ、自分の股間を見せる女性の話なのだ。野坂昭如らしいアイロニーとユーモアのあるパロディだが、同書の巻末に収録の大月隆寛の解説によると、
「このお安のような立ちん坊は、大阪などでは実在していた」とのことだ。

 この野坂版『マッチ売りの少女』は、水木しげるもマンガにしていたりするので、「そんなの知ってたよ」という人も当然いるだろう。
ただ最近は、元ネタとしてのこの小説の存在を知らない人が増えた一方で、売春婦パロディの設定だけは語り継がれて、
「アンデルセンの『マッチ売りの少女』は実は売春婦」という話が広まってしまったようだ。

 また、1998年に出版されミリオンセラーとなった『本当は恐ろしいグリム童話』(桐生操/ベストセラーズ)のブームによって、『マッチ売りの少女』についても刺激的な解釈を行う書籍が複数出版されたことも大きいだろう。
それらの本では、「少女はマッチの黄リンが原因の中毒で幻覚を見て死亡した」「彼女はセックス依存症だった」などの説も、かなりのこじつけで書かれている。

 なお、それらの本では「マッチ売りの少女が売春婦だったという研究もある」とも書かれているが、明確な出典は示されていない。一方で『アンデルセンの生涯』(山室静/新潮選書)など多くのアンデルセンの研究書で共通見解となっているのは、作者のアンデルセンが、この童話を極貧の中で育った彼の母親をモデルに書いたということだ。

 アンデルセンが、貧しいもの、虐げられるものへの慈しみの気持ちからこの物語を書いたことと、悲壮な境遇の中に救いとして現れるファンタジーの要素が、世界中の人々に感動を与えているということ。
それは少なくとも、マッチ売りの少女=売春婦説や、セックス依存症説、中毒による幻覚説などよりは事実に近いと言えるだろう。

 ただ、ネットでは事実に近い出来事よりも、意外性のある裏読みや、過激な解釈のほうが瞬く間に拡散される。
そして、パロディがパロディであることを忘れられて、「真実」として広まってしまうこともある。
「マッチ売りの少女=売春婦説」の拡大は、その一例と言えるのではないだろうか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150616-00006926-davinci-ent
マッチ売りの少女
マッチ売りの少女は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの創作童話の一つ。彼の5番目の作品として1848年に発表された。アンデルセンは、経済的に全く恵まれない少女時代を送った母親をモデルにして、この作品を作ったといわれている。

あらすじ
年の瀬も押し迫った大晦日の夜、小さな少女が一人、寒空の下でマッチを売っていた。マッチが売れなければ父親に叱られるので、すべてを売り切るまでは家には帰れない。しかし、街ゆく人々は、年の瀬の慌ただしさから少女には目もくれず、目の前を通り過ぎていくばかりだった。
夜も更け、少女は少しでも自分を暖めようとマッチに火を付けた。マッチの炎と共に、暖かいストーブや七面鳥などのごちそう、飾られたクリスマスツリーなどの幻影が一つ一つと現れ、炎が消えると同時に幻影も消えるという不思議な体験をした。
天を向くと流れ星が流れ、少女は可愛がってくれた祖母が「流れ星は誰かの命が消えようとしている象徴なのだ」と言った事を思いだした。次のマッチをすると、その祖母の幻影が現れた。マッチの炎が消えると、祖母も消えてしまうことを恐れた少女は慌てて持っていたマッチ全てに火を付けた。祖母の姿は明るい光に包まれ、少女を優しく抱きしめながら天国へと昇っていった。
新しい年の朝、少女はマッチの燃えかすを抱えて幸せそうに微笑みながら死んでいた。人々は、この少女がマッチの火で祖母に会い、天国へのぼったことなどは誰一人も知る由はなかった。


http://ja.wikipedia.org/wiki/マッチ売りの少女