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※この記事は「2chまとめ」ではありません。
当ブログの企画記事となります。ご了承ください。

 
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おかちるわ!
オカ本12回の後編をやっていくわよ!!









オカルト本紹介コーナー「オカ本」とは?
以前より、メールやコメントにて管理人(白子・黒子etc)のお勧め漫画や本を紹介してください、という意見をたくさんいただいておりました。
また、企画募集の案としても「お勧めのオカルト作品を紹介するコーナーが見たい」という意見を継続的にいただいています。

そういうわけで、「オカ本」と題して、うしみつの本棚からオカルトっぽい本を一冊ずつご紹介したいと思います。
漫画・小説・ムック・写真集などジャンルや内容は問わず、気の向くままに紹介していこうと思いますので、どうぞ軽い気持ちでお楽しみください。

<過去のオカ本記事>

第一回 予想外に怖い!怖すぎる!漫画版『呪怨』


第二回 ケン・スミスの『誰も教えてくれない聖書の読み方』 (欠番)

第三回 この夏読みたい、厳選「知られざるオカルト漫画」5本!

第四回 不気味さはトラウマ級!絵本「なおみ」をあなたは知っていますか?

第五回 意外にも恐怖度満点?現代っ子の妖怪図鑑事情 

第六回 まさに夏の夜の夢…天才たちが描いた妖精画集

第七回 最恐のホラー邦画『震える舌』 5分で分かるあらすじ解説

第八回 ホラー短編集「怖すぎる永井豪」の世界へようこそ

第九回 太平洋戦争中のUFO事件を描いた漫画「フー・ファイター」

第十回 トラウマ量産漫画「不安の種」のクリーチャーランキング発表するよ!

第十一回 こんなに怖いママ初めて!…ホラー映画「MAMA」の5分でわかるあらすじ解説



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ナビゲーターはこのワタシよっ!
数千のオカルト蔵書の中から
毎週ランダムで一冊をあなたにお届けするわ!









【オカ本 第十回】
今ひそかなブーム?ちょっと不気味な「藤子・F・不二雄」短編集の世界(後編)


今回のオカ本は「藤子・F・不二雄」短編集を前編・後編の二回に分けて紹介します。

前編はこちら


前回と同様、まずは今回のオカ本の選出理由からお話します。

こちらはうしみつにいただいたタレこみ情報の一つなのですが、少し前にコーヒーのブレンディのCM動画がネット上で話題になったそうです。
そのCMが、取りようによってはちょっと不気味だということで国内外で盛り上がりを見せたそうです。

 
その動画はこちら。
製作自体はけっこう前のものだそうです。


さらに、その内容が藤子・F・不二雄の短編漫画「ミノタウロスの皿」を彷彿とさせるものがあったらしく、話題として取り上げられたのち、「ミノタウロスの皿」の文庫本がアマゾンランキングの1位に輝いたそうです。

自分の好きな漫画がこうして話題になり再評価を与えられているというのは嬉しいですね。しかもこの文庫は二十年以上前の本ですので、喜びもひとしおといったところ。

そういうわけで、アマゾン売上1位記録の記念として、今回のオカ本は藤子・F・不二雄短編集を選ぶことにしました。


今回は文庫本「ミノタウロスの皿」収録作品を中心に、藤子・F・不二雄先生の短編作品の中からうしみつオススメ10作を選出し、一つずつざっくりと紹介させていただきます。
ドラえもんやおばQといった子供向け作品でしか作者を知らない方は、一味違うブラックな藤子・F・不二雄の世界をお楽しみください。




うしみつが選ぶ!
藤子・F・不二雄短編作品10選



5 「どことなくなんとなく」 (「藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版第2集」収録)

ランクインさせたんですが、今になって収録本が部屋探しても見当たらなかったので、さらっとダイジェストで…。

主人公の天地はあるときから「白い夜」の夢を見るようになった。
それ以来、普段通りの生活の中で「どことなくなんとなく」感じる違和感が大きくなっていく。
ノイローゼを心配した友人の「きみ」は天地を山歩きに誘うが……。(wikipediaより)


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すべてに実在感が感じられない主人公

ある晩「白い夜」の夢を見て以来、何を見ても実在感が感じられなくなってしまった主人公。

「なにもかも 実在感がないんだよ!」

主人公を心配し山登りに誘ってくれた友人に対してもこの有様です。
このあと友人が怒り出すシーンがあるのですが、その様子もきっと彼にはどこか白々しい演技のように感じられるのではないでしょうか。
何度想像してもよく理解できなかった「哲学的ゾンビ」ってこういうことでしょうか?


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濡れ場もあり。うっうーん!

主人公を苦しめている違和感は、今でいえば解離性障害と呼ばれるでしょう。
…が、この後お話は急展開を迎えます。
彼の感じていた違和感は、ある種、正しい感覚であったことが証明されるのですが……


 

 4 「気楽に殺ろうよ」 (「藤子・F・不二雄異色短編集②『気楽に殺ろうよ』」収録)

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「気楽に殺ろうよ」は藤子・F・不二雄関係の話では、よく話題に挙げられる有名な短編です。
いわゆる「ある日、突然パラレルワールドに飛んでしまった」系のお話です。
その世界では、様々な価値観がひっくり返っているのでした。


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食事はとても恥ずかしい行為です

ひっくり変わった価値観の中で、もっとも顕著な例が「食欲と性欲」
この世界では人前で食事をとることは最も恥ずべき行為です。
反対に性欲はオープン全開で、子供向けの絵本(シンデレラ)にもお姫様と王子様の初夜が普通のことのように描かれています。ちょっとマニアックな同人誌なわけではなく、この世界では取り立てて不思議なことではない、当たり前の常識とされているようです。

曰く
「種の保存と繁栄に必要不可欠な性欲は公益的性格を持つが故に罪深いものではなく、むしろ個体の生存にのみ必要不可欠である食欲の方が独善的性格を持ち、罪深く恥ずかしいこと」

なるほど!
藤子作品に時折みられる、こうした不思議な世界の中で通用する、謎の説得力のある仮説が大好きです。


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価値観の逆転はそれだけにとどまらず

さて、簡単に子どもを作ることができる世界では、逆に人を殺めることすらも簡単です。
人ひとりの増減に対して、あまりこだわりがないのでしょう。

「なぜ生命を尊重しなきゃならんのです?」
「出生率は年々増加するのに 自然死は減る一方
 と、なれば 無理のない形で間引きを考える必要も…」


おっしゃるとおりです。
そういうわけで、この世界ではしかるべき手続きを済ませ、権利書を使用すれば殺しも犯罪ではありません。
ちなみに権利書は子ども一人生むことで一枚もらえるようです。

この世界で一日を過ごし、すっかり新しい常識に馴染んでしまった主人公。
翌朝、前から気に入らなかった同僚の男を殺してやる決心を固めるのでした。


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さて、このコマにはいくつの間違いが隠されているでしょう?



3 「流血鬼」 (「藤子・F・不二雄少年SF短編集②『絶滅の島』」収録)

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この丸太は…!?

丸太(あるいは十字架)に反応した貴方。正解です。
「流血鬼」は吸血鬼を題材としたホラーチックな短編です。
藤子版「アイ・アム・レジェンド」として有名な作品です。


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日常を徐々に蝕んでいく不安の影。さあ、ゾンビ映画が始まりますよ!

主人公の住む日本では、こんな噂が広まっていた。
「ルーマニアから発生した奇病が世界中に広まり、日本にも広まっている」と。
当初はオカルト好きの主人公だけが興味を持ち、親や友人たちはバカにして取り合ってもくれません。しかし、未知の病原体「マチスン・ウイルス」は徐々にその感染範囲を広め、ついに日本にも広まってしまいます。


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ついに少年はこの町最後の人間になってしまいました

ウイルスに侵された人間は、肌が青白く、目が赤く変化し、十字架と日光を嫌うようになります。
彼らは「吸血鬼」と呼ばれ、世界中に増え続けていましたが、ある日クーデターを起こし、「マチスン・ウィルス」をガス状に散布し、ほとんどすべての人間が吸血鬼になってしまいました。

最後の一人として残された主人公は、果敢に吸血鬼たちと戦い続けるのですが…。


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ハッピーエンド?

人類に害を成す吸血鬼達を正義に基づく行為と信じて戦い続ける主人公。
しかし、大多数が吸血鬼と成り果て、世界の価値観が逆転してしまった現在では、主人公の行いは「善良な市民を脅かす侵略行為」と非難され、彼らは主人公を「流血鬼」と呼び、恐れ罵るのでした。




2 「山寺グラフィティ」 (「藤子・F・不二雄少年SF短編集②『絶滅の島』」収録)

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さて、残る作品もあと二つ。
色々と迷った結果、「山寺グラフィティ」を選びました。
田舎の日本を舞台にした、ノスタルジーを感じさせる名作です。
「ノスタル爺」とも迷ったのですが、そちらは有名で話題に挙がる機会も多いだろうということと、オチの気持ち良さからこちらを選出しました。


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幼少時代を、山形県の山奥の村で過ごした主人公(広康)。
そこでは仲の良い幼馴染の女の子(かおる)が居て、自然に囲まれたこの村で一緒に成長し、青春をともにしてきました。


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しかし、広康の東京行きが決まると、両親から上京を許されないかおるとの間に衝突が起きます。
結局、かおるは東京の美術大学を夢見るものの果たすことなく、若くして亡くなってしまいました。


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東京でイラストレーターの仕事を始めた広康は、ある日かおるそっくりの女性に出会います。
かおるによく似た女性は、しだいに広康の暮らしの中に入りこんでゆくのですが…そのうち彼は、女性が他の人間には見えていない、幻の存在であることに気付かされます。
心に浮ぶのは、郷里の山寺でかおると過ごしたあの風景。
広康は手がかりを求め、数年ぶりに故郷に戻ります。

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そこで広康は、かおるのお父さんが続けている不思議な土俗信仰を目の当たりにします。

「たとえば、赤ん坊を亡くした親がいる。
 その子が生きていれば、七五三という年になると晴れ着を収める…。
 入学式にはランドセル…。」

かおるのお父さんは、娘の魂の成長を信じて、今でもその供養を続けているのでした。

真実を知り東京のアパートに帰った広康。
その晩、ある来客が彼のもとを訪れるのでした。

 


1 「ミノタウロスの皿」 (「藤子・F・不二雄異色短編集①『ミノタウロスの皿』」収録)

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さて、最後の一作はもちろん「ミノタウロスの皿」です。
前編のコメント欄で予想していらっしゃった方がいましたが、その通りです。今回のオカ本のきっかけとなった作品なので1に持ってきました。(数字は順位ではありませんけど)


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たどり着いた先は、地球によく似た星だった

宇宙船事故で運よく地球型惑星に不時着した主人公。
メガネののび太くん型主人公が多い中、コイツは21エモン型の主人公です。
男はミノアという美しい少女に助けられます。


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ところがそこは「ウシ」が支配する星だった。
人類はウシの家畜として飼育されている、まさにアベコベの惑星だったのでした。


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肉用種!

なんだかんだあり、男は宇宙人であることが認められ、ウシたちと対等な立場を認められることになります。
ミノアが家畜であったことにショックを受ける男でしたが、さらに追い打ちをかける事実が告げられます。

ミノアはその家畜の中でも特に育ちの良い女性で、最高級の食材「ミノタウロスの皿」に選ばれ、民衆の祭典で食べられる運命にある、というのです。


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ミノアを救うため、奔走する主人公

ミノアを救うため、方々にかけあい奔走する主人公でしたが、彼女の運命を変えることはできませんでした。
喜んで食べられようとするミノアに男は問いかけます。

「あす食べられてしんじゃうことがさ ほんとに恐ろしくないの?」

「小さいころ 虫歯を抜いたの。とってもこわかった。おなじことよ。
 誰だって一度は経験することだし…」


二人の間を隔てる価値観の溝は大きく、どんな言葉でもミノアの決心を変えることはできませんでした。

そして、大祭当日。
男は一つの決心を胸に、祝宴会場に向かうのでした…。


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ミノアの運命やいかに

さて、続きはぜひ本編を読んでお楽しみください。
選出としてはベタではありますが、間違いなく藤子・F・不二雄作品を代表する名作短編の一つです。
当時、初めて原稿を読んだ『ビックコミック』の編集長は「背筋に寒気が走るほど興奮した」と語ったそうです。






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…と、いうわけで!
藤子・F・不二雄短編集の10選でした~





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皆さんのお気に入り作品は入っていたじゃろか?
読んだことない人は
ぜひ一度手に取ってもらいたいけえね



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アニメ化された作品も数多くあるから
興味を持ったらツタヤにGOよ!!
こんな時間になっちゃったわね!
また次回のオカ本で会いましょ♪





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