735: 本当にあった怖い名無し 2018/06/19(火) 19:20:00.36 ID:1zbQSBZB0
石じじいの話です。

じじいは、山中で放棄されていた荒れた寺に行き当たって、不思議な仏像を見つけたそうです。
山を歩いていると、山中にわりと大きな荒れ寺と思われる建物に行き当たったそうです。
だいぶ古く、半壊していましたが雨風はしのげそうだったので、一晩を過ごすことにしました。
周りには、ほとんど獣道しかなかったのですが、昔は建築資材を運び上げるような道があったのでしょう。
中に入ってじじいはちょっと驚きました。
仏具のようなものがたくさんあったからです。
金属製のものは全て錆びて緑青がういていました。
本堂と思われる部屋の鴨居の部分には、意味のわからない漢字が書かれた短冊のような紙ががびっしりと貼り付けられていたそうです。お札ではなかったと。
変色してぼろぼろだったので、ほとんど読めませんでしたが、読めた部分はお経ではなかったそうです。
仏像を見て、じじいは不思議な感じがしたそうです。
その仏像は、1メートルほどの立像でしたが、体がぐんにゃりと横に湾曲していたのです。
体は細身で、胴が異常に長く、それがすこしねじれて、かつ片側にぐっと曲がっていました。
仏像はふつうは、両手で印を結んでいるものですが、その仏像は両手の指を伸ばして広げて手のひらを前に向け、両腕をだらんとたらしていたそうです。すこし前かがみになって。
まるで、無防備なボクサーのようだったと。
つづく:

736: 本当にあった怖い名無し 2018/06/19(火) 19:22:37.31 ID:1zbQSBZB0
>>735
つづき:
『なんか顔つきも色気があるっちゅうか、悟ってない感じやったな。信用でけん顔よ。あれは本当に仏さまやったんかのう?夜、寝よったら動き出したらどがいしょうか、と思うてよう眠られんかったわい。』
里に下りて村人に尋ねても、そんな寺は山にはない!ということでした。
かなり遠くの村だったので知らないのは無理はなかったかもしれません。

注釈:じじいの見た像は、仏像ではなく神像だったのかもしれません。
また、仏像のなかには、霊木から一刀彫のようにして作られたものもあり、そういった仏像では、使用した霊木のもともとの歪みや曲がりをそのまま利用して(矯正することなく)作るので、そのまま曲がった姿勢になることもあるのだそうです。
ちなみに、朝めざめて見ると、仏像の歪みと曲がりは元に戻っていて・・ということは全くなく、ひんまがったままだったそうです。
明るい光でよく見ると、もともとは彩色されていたのだろうということです。
あと、腹に古そうな釘(断面が四角形)が打ち込まれていて、それが赤黒く錆びていたそうです。

手印ですな。
no title

739: 本当にあった怖い名無し 2018/06/20(水) 20:48:27.94 ID:+lHQN4ux0
この話は、記録として不明確なものです。
メモをとった当時の私(子供)が話をよく理解できなかったせいです。
それゆえメモを真剣に詳しくとっていませんでした。
しかし、じじいは何回か同じ話をしてくれたので、それらの断片をまとめてみました。
それで復元した話なので、当時の話のままではありません。

石じじいの話です。

みなさんは、『犬神憑き』というのを知っていますか?

じじいは山を歩いている時、かなりの山奥で民家に行き当たりました。
電気はきていたそうです。黒犬が親しげに寄ってきたので、それをかまっていると家人が出てきて、これからどうするのか?と尋ねてきました。
じじいは、これから山を越えて野宿するつもりだ、と伝えると、今晩あたりは冷えるからよければうちに泊まるとよい、とのことでした。
その家は古いものでしたが大きく、庭は手入れされていました。
主人夫婦は、若くはありませんでしたが主人は偉丈夫、おくさんは美人だったそうです。
導かれて入った家の中は、なかなか立派なものでした。
旅装を解くようにと言われたので、自分は、どこか納屋にでも寝るから、と伝えましたが、彼らはそのような遠慮は無用だと言います。
お茶をもらっているとピアノの曲が流れてきました。
奥さんが、名前を呼ぶとピアノの音が途切れて小学生の女の子が襖を開けて顔を出したそうです。
その子も美人でした。
『そうよのう、子供のころの和泉雅子みたいやったいねぇ』
つづく

740: 本当にあった怖い名無し 2018/06/20(水) 20:48:48.14 ID:+lHQN4ux0
>>739
つづき
その女の子は、来客(じじい)をちょっと警戒しながらもの、めずらしそうに見ていましたが、夕餉の支度を手伝い始めました。
なかなか美味しい夕食をもらい、お酒をすすめられて主人と飲んでいました。
主人は、戦争中、朝鮮にいったことがあるそうで、朝鮮に住んでいたじじいと話が盛り上がったのです。
じじいは、小学校のころ特に習ってピアノが少しひけたので、女の子にピアノについて尋ねました。
彼女は、父親にうながされてじじいを自分の部屋に連れていきました。
大きな屋敷だったので、まあ不思議はなかったのですが、自分の部屋を子供がもっているのも当時は珍しかったそうです。
その女の子の部屋を見てじじいは驚きました。
ピアノがあって、椅子机がある。座机ではなく。
本棚には本がぎっしりと。洋書の画帳のようなものもある。
籐のベッドのそばの脇机にはマイラジオもありました。
女の子がいうには週に1度、町からピアノの先生が通ってくるのだそうです。
つづく

741: 本当にあった怖い名無し 2018/06/20(水) 20:49:44.05 ID:+lHQN4ux0
>>740
つづき
その生活水準・文化水準の高さに驚嘆しましたが、じじいは、同時に疑念を持ちました。
『どがいして、こがいな生活がここでできるんぞ?なにしよる人らぞ?』
あまりにも不自然でした。
そんなじじいの心を読み取ったのか、主人はじじいを居間によび酒と肴をくれながら
話はじめました。
じじいによると。
心配はいらない。わたしたちは、旅人から
ものを盗むようなものではない。
しかし、まあ、じまんできるようなものでもないが。
あなたは、犬神筋といものを知っているか?
私たちは、その筋なのだ。
じじいは、その地方が犬神つきの風習があることを知っていました。
その主人曰く。
犬神つきは、犬を使役して富を蓄える術である。これを使う家は血筋であり、今(当時)ではそう多くはない。
これをかけられたら逃げるすべはない。土佐の西のほうの村でそれを落とす術をもった者がいるにはいるが。
主人は言いました。
「この血筋ももうおわりにせんといけませないなし。」
「わたしらのうちに今晩泊まったゆうことはここら辺の人
には言わんほうがええけん、きいつけんさい。」

のちにじじいは、その「犬神落とし」に遭遇することになります。

犬神憑きは、じじいの故郷周辺ではよく知られていて、あるいみ本場でした。
犬神筋の人たちは、差別されていたそうです。結婚も他とはできなかったとか。
犬神に憑かれた人は、憑かれたことを他人に行ってはいけないのだそうです。
まあ、差別を考えれば、そうなるのでしょう。
犬神の血筋の人々は、ある特定の部落(集落の意味)を作っていることもあり、落人部落のように考えられていたところもあったと。
「血が濁っている」と、心ないことを言う人もいたようです。
いまでは、犬神憑きという話は、まったくありません。絶えました。

742: 本当にあった怖い名無し 2018/06/21(木) 10:38:34.46 ID:q8pKBphh0
四国の犬神憑き、山陰地方の狐持ち、言い伝えというか特定の家系を差別する因習やの。
(・ω・) 新田次郎の短編「きつねもち」でそんなんある知ったんや。
四国山陰には知り合いも所縁もないからリアルな現状は知らんけど、
狐持ちについては昭和期まで根強く残っとって婚姻がそれを理由に破談になって心中事件やその後の両家のいざこざも実際あったみたいやの。

743: 本当にあった怖い名無し 2018/06/21(木) 11:00:48.97 ID:uMTsEbsC0
>>742
てんかんが遺伝するなら、まさしくそれだけど、現在では明示的な遺伝はないことになっているな

744: 本当にあった怖い名無し 2018/06/21(木) 12:20:27.25 ID:mVfqaNgk0
岐阜の牛蒡種みたいな婚姻に支障のない憑き物もあるけどそれは?

745: 本当にあった怖い名無し 2018/06/21(木) 13:29:18.94 ID:q8pKBphh0
>>744
no title

(・ω・) 知らんかったからググってみた。飛騨地方に伝わる家系にまつわる話か、同種なんかの?

746: 本当にあった怖い名無し 2018/06/21(木) 17:50:27.95 ID:ZPCv+60T0
飛騨の牛蒡種は、柳田(1913)などによって論じられていて、霊力を持つとされる家筋が行うものとされていたとか。
この筋の者に恨まれたものは、必ず物憑きになる。病気になるわけですね。
それが牛蒡種の仕業であるということは、その被害者としての病人の口から言われると。
まさに、他人に罪を押しつけるときの「無敵の理論」ですね。
これによる血縁差別(婚姻交通の遮断)が行われていたそうです。
憑きもの筋の迷信は、江戸時代に起こったとされています。
農村への貨幣経済の浸透による古い共同体の崩壊によって経済格差に対する不満や衝突が生じて、憑きもの筋という「ラベル貼り」が起こったということです。
そのため、貨幣経済が昔から急速に浸透していた近畿の農村や、なかなか浸透しなかった東北の農村では、そのような迷信(不満解消のための差別方式)はあまり発達せず、その中間の地域(中度半端ないなか)で盛んに生じたと。
また、日本の農村では、「家」の継承と永続化が重視されていたので、いわゆる後天的な差別)(疾病的・体質的・信仰的なもの)が多く見られるようになりました。
歴史的、職業的な差別(先天的)もありはしましたが、それは憑きもの筋とはあまり結びつかない。

奥深いですね。

1001: うしみつ 2032/3/2(火) 04:044:44.44 ID:usi32.com

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無防備なボクサーポーズの仏像気になるなぁ…






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