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267: こわくない 04/09/03 21:06 ID:lrTOAplN
もうだいぶ前の話ですが、当時私が大学一年の時、夏休みを利用して前から悪かった腰の椎間板ヘルニアの手術をするために大学病院の整形外科に入院していたときの体験です。

手術が無事に終わって数週間がたったある日の深夜、熟睡できずにうたうたとしていた。
すると病室のドアが静かに開き、人が入ってくる気配がした。
看護婦さんの巡回の時間かぁ、今日の夜勤は○○さんだったなあ・・・とかぼんやりと考えていた。
人の気配は奥のほうから巡回しているようで私のところにもきたのだが、カーテンがゆらっと揺れただけで看護婦さんの姿を見ることはできなかった。
それから間もなくして、またドアが開く音がして人が入ってきて順番に巡回して私のところに来た。

今度は懐中電灯を持った看護婦さんの姿を見ることができ、私がまだ起きていることに気付いた看護婦さんが「寝れないの?大丈夫?」と声をかけてくれた。
私はさっきのことを聞こうかとも思ったが、まあいいかと思って「大丈夫です」とだけ答えて寝ることにした。
さっきは誰が入って来たんだろう?そういえば懐中電灯持ってなかったよな、俺寝ぼけてたのかなあ?とか考えながらも眠りについた。

268: こわくない 04/09/03 21:08 ID:lrTOAplN
それから何日か経ったある日、8月のお盆の一週間前くらいだったと思う、深夜に目が覚めてぼんやりとしていたら、またドアがすっと開き人が入ってくる気配がした。
懐中電灯も持ってないようだし看護婦さんじゃないかもしれないな、誰か確かめて見ようと思い、体を起こした。
そっとカーテンから覗いてみるとぼんやりとした白い人影が目の前をすーと通りすぎて行きドアを開けて出て行った。
確かに看護婦さんだった。
顔はよく見えなかったが感じからして若い看護婦さんだった。
でもなにかぼんやりとしていたし、ドアから出て行くときも不思議な感じだった。
もしかして幽霊?とちょっと怖くなり布団をかぶって寝た。

次の日の昼、歳が近くて話しやすい新人看護婦さんに深夜のことを話してみた。
すると看護婦さんが話をしてくれた。
7月の中旬くらいから看護婦の中にも幽霊を見た人が何人かいるそうで、ナースの間でも噂になっていたそうです。
看護婦の先輩から聞いた話では、去年の秋頃、準夜勤を終えて車で帰っている途中に事故で亡くなった若い看護婦さんがいたそうで、その人がお盆が近づいてきたので帰ってきたのではないかということでした。
なんだかとてもかわいそうな気持ちになり手を合わせて成仏を祈りました。
お盆前の12日に退院したのですが、退院するまでその看護婦さんの幽霊を見ることはもうありませんでした。

371: 金造? 04/09/05 11:47 ID:MVq9I545
ある地方に父、母、息子(小学3年生)の親子が引っ越してきました。
新築の家で、親子三人はそこで幸せに暮らしていくはずでした。
しかし新居での生活がはじまり、半年経ったころ父親が心臓麻痺で倒れ帰らぬ人となってしまいました。
家のローンも残っており母は勤めに出なければなりませんでした。
しばらく経ったある日、息子が子犬を拾ってきました。

母は元々、犬は苦手でしたが、仕事が忙しく息子にかまう暇がないので不憫に思い、きちんと息子が世話をすることを条件に飼うことを許しました。
犬はタロウ名づけられ、大変息子になつき、家の中でも息子から離れようとせず、息子が学校から帰るとおおはしゃぎで出迎えました。
飼いはじめて二年経ち、タロウはかなり大きくなりました。
当初息子はまじめに犬の世話をしていましたが、徐々にタロウが煩わしくなってきました。
そこでいつもは行かない遠い場所へタロウを連れて行き、隙をついて一人で帰ってしまいました。
仕事から帰ってきた母はタロウがいないことに気づき、息子に尋ねましたが、「散歩の途中で逃げ出しちゃった。探したけど見つからなかった」と答えました。
その夜、母も捜しましたがタロウは見つかりませんでした。

翌日、息子が学校へ行く途中、道のカーブの向こうの林の中でタロウを見つけました。死んでいました。
車に轢かれたらしく胸から下がつぶれていました。
そして轢いた人がそこに運んだのでしょう。
息子はどうすることもできず、通り過ぎました。
そのときタロウの見開かれた目が自分を見つめていたように思えました。

その日息子は学校で原因不明の高熱で倒れ救急車で運ばれ入院しました。
母が病院に着くと息子は意識が朦朧としながらも、タロウ死んだこと、それが自分のせいだということを告白しました。
「今もタロウの吠える声が聞こえる。タロウが怒ってるんだ」と言いました。

372: 金造? 04/09/05 11:48 ID:MVq9I545
その夜、母も病室で眠りタロウの夢を見ました。
息子を見ながらタロウが吠え続けていました。
母が目覚めると息子は昏睡状態になっていましました。
母は家に帰りました。
夫の仏壇に息子の写真を置き、夫に助けてもらおうと思いました。
息子の写真を探していると、息子とタロウが写っている写真を見つけました。
その写真には今まで見たことも無い様な恐ろしい顔で、息子を見つめているタロウが写っていました。

恐ろしくなった母はそのアルバムを近くのお寺に持っていき、そこの住職に見せました。
そしてそれまでの経緯をすべて話しました。
しばらく写真を見つめていた住職は言いました。
「これは犬の呪いではありません。写真を良く見てください。息子さんの首に蛇の様な影が巻きついているでしょう?これはあなた方の家の土地の地縛霊です。あなたの夫はこの霊のために命を落としたのです。その次に息子を殺そうとしているのを犬が今まで必死に守ってきたんですよ。そして死んだ今も息子さんを守ろうとしているのです。その犬の亡骸を埋葬して弔えば、きっと地縛霊を一緒にあの世へ連れて行ってくれるでしょう」
母は息子に聞いていた場所へ行き、タロウの死体をお寺に運び供養してもらいました。
そして病院にいくと息子の意識は戻り退院することができました。
というような話を桜金造のビデオで聞いた気がします。
どなたかこの話のタイトル知ってますか?オリジナルをもう一度聞きたいんです。

424: sage 04/09/06 00:52 ID:bpGLxlg9
[1/2]

コックリさんにまつわる私の実体験です。
私がリア厨の頃、例にも漏れずコックリさんが流行ってました。
夏休みのある日、どんな話の流れでそうなったのか覚えてませんが、なぜか私の家でコックリさんをやろうという話になり部活終了後、友達を含め5人でうちに集まりそのうち3人がコックリさんをやりはじめました。
当時は厨房でしたので、質問内容といえば、○○さんの好きな人は?××先生(嫌いな先生)の寿命は?などというくだらないことを聞いては楽しんでいました。
そして、いざ帰ってもらおうという時、これがなかなか帰ってくれません。

「コックリさん、コックリさん、お帰りください」
これを何度いっても10円玉は「No」にいきます。
「もう、やだ!」
「でも、帰ってくれる前に放したらだめなんだよ!」
「どうしよう?」
もう、5人とも泣きそうでした。

425: 本当にあった怖い名無し 04/09/06 00:53 ID:bpGLxlg9
続き[2/2]

そのとき、本棚にあった本のうち一冊だけが大きな音を立てて落ちました。
私たちは驚いて顔を見合わせて「きゃー!!」と大きな声をあげて本棚から一番離れた壁際にうずくまっていました。
少し時間がたって落ち着いてから、その紙を破って川に流して(とやるのは私たちの地方だけでしょうか?)10円玉を使って・・・と、それまでと同じ方法でコックリさんをやり終えました。

そして数ヶ月、特に私たちに何か起こることもなく平穏無事に過ごしてました。
「やっぱり誰かが無意識に動かしてたんだね」なんていう知ったかぶりの知識で笑って済まそうとしていた頃です、
コックリさんをやっていた3人の祖父または祖母が、ほぼ同じ頃に亡くなりました。
(忌引きで休んでいた日にちが3人とも被っていたので1週間とずれはないと思います)
偶然の一致だと信じることにしています。

438: 本当にあった怖い名無し 04/09/06 22:25 ID:BeG+A8mQ
小学校……の頃だったと思う。
確か6、7年前。

当時は多分小学校6年生の時の話。女子数人(3人?)がこっくりさんをやっていた。何処でも見かけるような光景だったと思う。
「××は誰が好きですかー?」
「動いたー!」
私はあまり興味は無かったので、少し離れた場所で本を読んでた。
けど声は大きかったし、そのこっくりさんに興じる声はずっと聞こえていた。
「○○は魚(私のあだ名はトサキント)ですか?」
『いいえ』
「違うに決まってんじゃーん!」
とかって、きゃあきゃあ騒ぎながらこっくりさんを楽しんでいた。
暫くしたら、一通り遊んで、そろそろ帰って貰う事になったらしい。
「こっくりさんこっくりさん…」
と、お決まりの言葉を述べて帰ってもらった直後だった。
正確には帰ってなかったのかもしれない。
突然、誰かが叫んだ。

「おい!部屋の窓開いてねーぞ!」
「えっ!?」どうやら、窓を開けておかなくてはならないというルールが合ったらしいのだが、皆それをすっかり忘れていて、窓は全て閉まっていた。
「やばいやばい!」
「開けて!」
「早く開けろよ!」
そういって部屋中の窓が開けられていった。
全開同然だ。
私は動揺して、読みかけの本を持ったまま立ち竦み、窓が開けられていくのを呆然と見ていた。
皆怖かったとか叫んだり、涙ぐんでますが結果何事も無く終了……した筈です。
皆は。

441: 本当にあった怖い名無し 04/09/06 22:27 ID:BeG+A8mQ
.けど、直後に良く考えたらおかしいんです。
彼女たちは教室の後ろの所で、こっくりさんをやってました。
私はそれを聞きながら、遠くで本を読んでました。
他にも見物人やギャラリーが居たのか、人の気配がします。
そりゃ教室ですから、他に人がいるのはあたりまえです。
けど『窓開けろ!』って騒ぎが終わった後、私は教室の隣の、理科室に居たんです。
こっくりさんやってた子達も、しまってるぞ!って言った子も同じ理科室です。
他にも何人か理科室に居ます。
皆びびってたり笑ってたりしてますが、誰もが安心して息を付いてました。

けど、私は席に座り、机から図書館の本を出して、本を読んでいた。
彼女たちのこっくりさんの声と、教室の中に流れる休みの気配。
ずっと、ずっと教室だと思っていたし、確かに机から本を出しいていた。
なのに騒ぎが終わった時、皆理科室に居た。
教室にも人は居たけど、結構な人数が理科室に居た。
こっくりさんの位置や、自分の位置の位置も教室と一緒。
私は元来とろくさい方なんで、その場ではずっと呆然としていました。
何で理科室に居るんだ。
って思っても、誰にも何も居えず仕舞い。
以上で終わりです。
オチは有りません。
ちなみに体験談です。
勘違いと言うにはあまりにリアルだったので……。

439: 371 04/09/06 22:26 ID:7H1OeT+q
俺が引越し屋をやってたころの話。
俺がまだ新入りだったころ、3月の繁忙期だったかな、
前の現場が長引いちゃって次のお客さんの作業開始が午後4時を回っちゃったんです。

最初から繁忙期だから作業開始は遅くなるって分かってたみたいでそのお客さん全然怒ってなかったけど、俺たちはまだその次の現場があったんでとにかく急いでた。
8階建てのマンションの8階がお客さんの部屋で、俺は新人だったから台車を転がしながらエレベーターで上がったり下がったりだけの役目だったんですけど、そのエレベーターの調子が悪いって言うか、変なんですよね。
誰も居ないのに4階で勝手に止まって勝手にドアが開く。
俺が「閉」ボタンを連打するけど、ドアの閉まり方も変なんです。
なんか引っかかってる様な感じ。
ガーーーン、ガーーン、ガンみたいな。
エレーベーターって安全装置ありますよね。
ドアの片側についてるヤツ。
アレが誤作動してる感じ。

440: 371 04/09/06 22:27 ID:7H1OeT+q
同様に8階もそうなるんです。
8階は俺らがエレベーター呼んでるから当然止まるんだけど、しまり方がおかしいんです。
4階よりももっと閉まるのに時間がかかる。
ガーーーーン、ガーーーン、ガーン、ガンって。
苛々しながらもやっと作業が終わった。
次の現場もほかのクルーが入ってるから行かなくていいって事になって、ホッとしながらトラックの近くで後片付けしてたらお客が降りてきた。
「おー結構、積めるもんだねー入りきらないかと心配してたよ」
とか何とか言って感心してた。
んで先輩たちとお客さんがなにやら小声で話してた。

よーく聞いてみると、最近このマンションで飛び降り自殺があったらしい。
独り者のサラリーマンの。
4階で飛び降りて、死ねなくて、折れた足を引きずりながらエレベーターで8階まで上って、そっから飛び降りてやっと死ねたんだって。
なんか警察の現場検証だとそうゆうことらしい。
なんか俺、そのサラリーマンの悲しい執念を思うと胸が痛くなった。
もう成仏しろよって。

489: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:51 ID:Fb/ecBC6
何年か前にひどい目にあった話を投下します。
<1/6>

何年か前のある日の夕方、俺は友人Aを乗せて車を走らせていた。
少し離れた友人Bの家で酒盛りをする為である。
プチ同窓会のような感じで大学時代の仲の良かった10人くらいで集まって飲もうかということになったのである。
そこで、家の近かったAを拾ってからBの家に向かう予定だったが、Aが時間を勘違いしていて、出発が遅れたのである。
平謝りするAを車に乗せて結構なスピードで走っていたが間に合うかどうか微妙だった。
友人Bの家は山を越えた向こう側にあった。
山越えの道に入ったら、車は俺ら以外に走っていなかった。
曲がりくねってはいるが一本道で、信号もなく片側一車線のそれなりに走りやすい道なので、俺は調子に乗って飛ばしていた。
Aと他愛もない話をしながら車を走らせていると前方にやたらゆっくりと走っている軽自動車のテールランプが見えた。
一本道であるために山を越えてふもと付近に下りるまで追い越すスペースがない。
はっきり行って焦っている俺たちには邪魔な存在だった。
そうこうしているうちに軽に追いついてしまった。
俺とAは何を会話するわけでもなくいらいらしながらその後ろを走っていた。
しばらく、軽の後ろを我慢して走っていたが、やたら遅い。

カーブの度に止まりそうな位ブレーキを踏む。
いくらなんでも遅すぎる。
この焦っている時に勘弁して欲しいってくらいの嫌味な速度で走り続ける軽自動車。
俺はとうとう痺れを切らしてAに言った。

490: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:51 ID:Fb/ecBC6
<2/6>

俺『いくらなんでも遅すぎるよなあ。見通しのええ所で対向車線に入って追い越すぞ。』
A『・・・・・・・・・。』
ん?Aから返事がない。ちらっと見るとAは真っ青な顔をしていた。なんだか尋常な様子ではない。調子に乗って飛ばしすぎ
たから、車に酔ってしまったのだろうか・・・。
俺『おいA。どうした。気分悪いか?』
A『・・・・・・・・・。』
俺『おい?どうした?』
Aに声をかけるが返事がない。気分が悪いというか何かに怯えている?
俺『おい!A!なんだ?何があった?』
ちと怒鳴り気味に声をかけるとAははっとしたように口を開いた。
A『あれはまずいぞ、Y(俺)!早く追い越してくれ!』
俺『はあ?何がまずいねん?訳分からん。まあ、追い越すけど・・・。』

前が遅くていらいらしている所に、Aの訳の分からんリアクションでさらにムカッと来た俺は少し見通しの良い直線に来たところで軽を追い越した。
軽の前に入ってグッと加速すると軽はバックミラーで確認するとあっという間にいなくなった。
追い越しをかけて軽快に車を走らせていると、少し気分が落ち着いた。
Aの方をチラッとみるとAも顔色が良くなって、落ち着いているようなので、先ほどの事をたずねてみた。

491: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:52 ID:Fb/ecBC6
<3/6>

俺『おいA。何があった?』
A『・・・あのさ見間違いかも知れんけどな。あの軽っておかしくなかった?』
俺『おかしいって・・・。まあ、異様に遅かったけどな.どうせ爺さんか婆さんかおばはんのとろとろ運転やろ?』
A『・・・・。あの軽の中見んかった?』
俺『・・・。見てないけど?』
A『・・・まあ、ええやん。止めよ。この話。』
俺『そこまで話し振っといて止めれるかいな。なんやねん、一体。』

話しながら、ふとバックミラーに目をやるとさっきまで何もいなかった真後ろに車が一台くっついて走っていた。
というより、もろに煽られていた。どう考えてもさっき追い越した軽が煽ってる以外に考えられない。
しかし物凄い煽りようである。パッシングするはハイビームだわ・・・。それでも俺は速度上げて頑張って走ったが
一向に振り切れない。そして挙句の果てにクラクションまで鳴らし始めた・・・。背筋に寒い物が走った。

俺『あかん。道譲るわ。さっきまであんだけとろかったくせに・・・。』

 そうAに告げるとAが物凄い剣幕で言い返してきた。

A『あかん、ぜったいあかん。譲ったら、止まったらあかん!!!』

 俺はAの様子に少々びっくりしたが落ち着いてAに言った。

俺『無理。こんな調子で煽られてこんな速度で走ってたら事故起こすわ。譲る。』

Aが何故か涙目で俺を見ていたが、分かったと一言言うとうつむいてしまった。
俺が道を譲ろうと左ウィンカーを出しながら速度をゆっくり落としながら車を左に寄せ始めると『ゴツン』という衝撃が後ろから走った。
早く行けとバンパーでこづいているような感じだった。相手が尋常じゃない奴だと今更ながら気付いた。
道を譲るのは無理だと判断した俺はまた速度を上げて走り始めた。
物凄く恐ろしかった。下手に減速できない。道を譲る事も出来ない。とにかく逃げ込めるスペースのある場所まで
事故を起こさないように走り続けるしかなかった。
もう少し行けば、山頂に休憩用の駐車スペースがあったはずだ。

492: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:53 ID:Fb/ecBC6
<4/6>

ものすごい煽りのプレッシャーを受けながらもなんとか道の左側に山頂駐車場の出入り口が見えた。
24時間無料なので出入り口はチェーンなど掛けられていない事は知っていたし、かなり広い場所なので、スピードを出していたがぶつけずに駐車場に入る事が出来た。駐車場の中に入ってすぐに車がスピンしてしまった。
強引な角度で入ったためスピンしたのだろう。
突然のスピンに気が動転したが幸いにも駐車場には他に車はなく、かなり広い事もあってどこにもぶつけずにすんだ。
停止してほっとして気がついた。
あの軽自動車はいってしまっただろうか?ふと一つしかない出入り口を見ると、その出入り口をふさぐ形で軽自動車が停車していた。
全身総毛だった。

俺『どうしよ。なんか待ち伏せしてるみたいやで・・・。』
Aに喋りかけたがAは先ほどからうつむいたままこちらを見ようともしなかった。
もともと気の強い方ではないAの事だ。
かなりテンパッる事は見ても分かるとおりだった。
俺がしっかりしなきゃいけない。
それよりも先ほどぶつけられている事も気になっていた。
傷でも付けられていたら弁償してもらわなきゃいけない。
立派な接触事故だ。
怯えてテンパッてるAを見ているのとぶつけられ煽られた事に腹が立ってきた俺は、なんであんなのにこっちがおびえなきゃいけないんだという気になってきて恐怖より怒りが前に出てきた。
俺はAに俺『ちょっと文句言ってくる。』と、捨て台詞をはいて車から降りて軽自動車の方へ歩いていった。
もちろんAは物凄い剣幕で反対してきたが降りてしまえば関係ない。
何でも出てきやがれって感じで怒りを前面に出して相手のほうへ歩いていった。
軽に近づいて不思議に思ったが、中にどんな奴が乗っているか分からない。
前面までスモークフィルムを貼ってるのか?とか馬鹿なことを考えながら軽自動車の運転席の窓ガラスをノックした。

すると、運転席側の窓がすーっと開いた。
中を見た俺は一瞬目を疑ったがもう一度じっくり確認してそして・・・。
一目散に車のほうへ逃げ帰った。
今まで生きてきた中で一番早く走って一番大きな声を出しながら・・・。

493: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:53 ID:Fb/ecBC6
<5/6>

車の窓が開いた時、中には・・・・人が乗っていた。
いやそもそも人なんだろうか。
それも何人も。
4人乗りの車に5人とかそんなに生易しい物ではなかった。
もうギュウギュウ詰め、例えるなら通勤ラッシュの満員電車状態である。
隙間がないくらいびっちりと狭い軽自動車の車内が人で埋まっていたのである。
上下左右人の向きは関係なくテトリスで隙間なく積み上げていくブロックのように・・・。
しかも全員顔色が真っ青で目が空洞の様になっていた。
老若男女いろんな人・・・。
その苦しそうな体勢の人たちが一斉に窓の外に立っている俺のほうに顔を向けているのである。
首が180度回っている奴もいた。
結局中が見えなかったのは人で車内が埋まっていたからである。
車に戻ると慌てて車を発進させた。
Aは何も言わずうつむいてガチガチ震えていた。
恐怖でパニクってた俺はとにかくこの駐車場から出なきゃいけない、逃げなきゃいけないと思い、強引ではあるが出入り口に止まっている軽と柵の間のスペースに車を滑り込ませて無理矢理すり抜けようとした。
左の柵に当たった。
バリバリといやな音を立てて車と柵が悲鳴を上げた。

しかしそれどころじゃなかった。
隣にある軽の方を見ないようにして思いっきりアクセルを踏んだ。
車の頭が駐車場から道に入った瞬間、ついうっかり右を見てしまった。
視界に軽自動車が入った。
中の人が全員こちらを見て笑っているように見えた。
そこで物凄い衝撃を食らって意識がなくなった。
気付いたら病院だった。

494: 本当にあった怖い名無し 04/09/07 15:54 ID:Fb/ecBC6
<6/6>

結局、駐車場から車の頭を物凄い勢いで出した俺の車に普通に走ってきた車が俺の車のフロント部分横へぶつかったのである。
Aは頭を打ったらしいがほとんど外傷がなく軽い打ち身があちこちにあるくらいで無事だった。
俺は開いたエアバックに思いっきりぶつかったせいなのだろうか?
鼻骨折して前歯が3本ほど折れて、足もどうやったのか分かんないけど右足の骨にヒビが入っていた。
打ち身も体のあちこちに出来ていて熱が出てしばらく入院を余儀なくされた。
相手の方は20過ぎの女性で無傷だった。
お互いに車はボコボコだったけど・・・。
結局警察と保険屋が入ってお互い話し合いして決着は付いた。

後日、退院できるかなといった時に事故った相手の女性が見舞いに来てくれた。
相手の女性に軽自動車の事を聞いたらそんな車はいなかったと言われた。
先に退院したAはやはり前に走っている時からあの軽自動車の中身が分かっていたらしい。
俺が見てないのなら俺にまで変な恐怖を味合わせたくなかったから黙っていたらしい。
車は直せない事もなさそうだったけどなんだか縁起が悪そうだから廃車にした。
退院はできたけど打ち身の痣がしばらく消えなかった。
なんだか痣の形が手のひらで叩いた後のようになっていた。
それも大きい物から小さい物までたくさんの人に叩かれたようになっていた。
ちなみにAの体に出来た打ち身もそんな感じだったらしい。
Aは財布の中に入れてあった母親から貰った身代わりお守り(?そんなようなもんがあるのかな?)が粉々に割れていたとも言っていた。
結局、手の形をした痣もそれも時間はかかったけど今ではすっかり綺麗に直った。
オチも何もないけど洒落にならんかった。
怖かった。
あの軽自動車もなんだったか分からない。
今でも車を運転していて後ろを煽られるとあの時の事を思い出す。

長文スマンカッタ・・・。


引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1093782463/