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545: Y その① 04/09/07 22:59 ID:9QLQiT/d
今から2年前の話です。
ある夏の夜、友人のA君の彼女が留学することになり、A君と別れたということで、彼を励まそうと、当時一人暮らししてた私の家で飲み会することになりました。
結局6人集まって、午後9時くらいから始まったんですが、12時過ぎに、B君が「ちょっとテレビ見せて」と言ったので、みんなでテレビ鑑賞会になりました。
テレビでは普通にニュースやバラエティーが放送されてて、普通に見てたんやけど、そのうち画面にノイズが入るようになりました。
「テレビ壊れてるんちゃうん??」
「壊れてへんって。単に電波おかしいだけちゃうん??」
と、話をしていると、突然画面が砂嵐に変わりました。

「砂嵐やで。これは重症やな」と誰かが笑った途端、砂嵐の中に「死にたいドットコム」という文字が浮かびあがってきました。
「何これ??」一瞬浮かび上がった文字は、すぐに消え、また元の画面に戻りました。
「今の・・・何??」
「死にたいドットコム・・・って書いてたよな??」
「うん。ちゅうかマジでキモイねんけど」
私たちは騒然として、とにかく気味が悪くてどうしようもありませんでした。
「とりあえず、テレビ消そう。気持ちわるすぎる」
「そやな」
そう言って、テレビを消しましたが、さっきの画面の話をしてました。

そしたらA君が「なぁ、お前のパソコンで調べてええ??さっきのん」と言い出して、パソコンで検索をはじめました。
「調べるって・・・キモイやん。ちゅうか、見間違いかもやし」
「せやけど、ここにいてる連中、みんな見たやん。なんかの番組の番宣かもしれへんし。おもしろそうやん」
と言って、検索を始めました。

546: Y その② 04/09/07 23:00 ID:9QLQiT/d
いろんな検索ツールで「死にたいドットコム」を検索しましたが、該当なし。
単なる見間違えちゃうか??
ということで収まりかけてましたが、「もしかしたら、sinitai.comって直接打ち込むんちゃうか??」と、アドレスを打ち込みました。
すると、「一緒に死んでくれる??」という画面が現れ、血まみれの女の画像が画面一面にでてきました。
「ちょっと、これマジでヤバイんちゃうん??」
「ちゅうか消せって」
あまりの画像の恐ろしさに、画面を閉じ、パソコンの電源を落としました。
「なんか・・・マジでヤバイような気がするねんけど・・・」
「番宣とかちゃうやろ、アレは」
「そしたら何なんよ??さっきのん」
と、みんなパニクってたら、イキナリテレビの画面が点いて、大音響で「一緒に死んでくれる??」テレビに現れたのは、さっきパソコンの画面に写った血まみれの女で、その女と目が合った瞬間、私は意識がなくなりました。

気づいたら、夜明け前で、みんなお酒を飲んでました。
「さっきの女、何なん??」
「え??」
「さっきのんやん。何よ。アレ」
「せやから、何がよ??寝ぼけてるん??」
「え??」
私は気絶する前の出来事をみんなに話ました。
すると「はぁ??夢やろ。あんた夢みてたんやって」とみんなが言いました。

「夢ちゃうって。あたし今まで気絶してたやん」
「あんたは、酒チャンポンして酔いつぶれて寝たの」
みんな、嘘をついてるようには見えず、あたしは夢だと思うことにしました。
実際、sinitai.comをアドレスバーに打ち込んだ形跡もありませんでした。

547: Y その③ 04/09/07 23:01 ID:9QLQiT/d
その日の午後、飲み会を終え、みんなが帰り支度をしていると、バイトがあるからと私が酔いつぶれていた間に帰っていたA君から電話がありました。
「あんな、変なこと聞くけど、お前昨日の夜・・・」
「え??」
「いや、何もない。ゴメン」
そう言って、電話を切りました。
気になって、かけ直しましたが、すでに電源が切れて・・・のガイダンスが流れてきました。

それから、A君とは会ってません。
というより、A君とは連絡がとれなくなり、行方がわからなくなりました。
友人たちの間では「彼女と別れた傷を癒すために、放浪の旅に出てる」と言われていますが、私にはそうは思えませんでした。
私はあれから、何度か「sinitai.com」を調べましたが、そういうページは存在しないと現れます。
夜にテレビを見ても、あんな画面は現れません。
一緒にいた友人たちはみんな「いや、お前の妄想やろ」と言って、相手にしてくれません。

そして1年経ったころ、偶然にもA君の元彼女と会いました。
彼女はA君と別れて数日後、A君から電話があったと言いました。
「カナダの寮にわざわざ電話してきて、『俺と一緒に死んでくれる?』とか言われてん」
「え??」
「なんか、酔ってたんかな。とりあえずスルーしてんけど、そしたら『Y(私の名前)は大丈夫やから心配すんなって伝えてくれ』って」
A君は、未だに行方がわかりません。
私はA君が彼女に言った言葉の全てが、気になって仕方ありません。
A君がどうなってるのか、凄く気になります。

でも、2年前に一緒にいた友達はみんな「夢やって、夢」と言って、今ではその話はタブーになりました。

549: Y その④ 04/09/07 23:03 ID:9QLQiT/d
長文ですみませんでした。
ただ、私はA君のことが気になって、そしてA君の言った言葉がずっと心に残ってて、今でも悩んでいます・・・。

562: 本当にあった怖い名無し 04/09/08 03:36 ID:DoMTL930
うちの犬が見えるらしい。
今年の春頃昼間私は台所で食事中に、白い人影のようなものが居間の半分開いたドアのほうにスーッと入っていって
「え!今の人じゃなかった???」
と驚いていると直後に居間にいた犬がウゥ~ワォワォワォ!と変な鳴き方を数回繰り返した。

あと、5月のある日に朝ごはんをあげようと犬を座らせて目の前にごはんを置いたら、いつもならごはんしか目に入らずヨダレをダラダラ流して待つのに、その日だけ、目の前にいる私を通り越して肩越しに私の後ろ上方をジーッと見ていた。
何回「ごはんだよ」って言っても私の後ろをジーッと見つめている。
怖かったけど振り向いたら誰もいなかった。

ごはんをやって、しばらくして私が部屋で本を読み始めたら今度は部屋のすみの天井の一部を見つめて低い声でウゥ~ッウゥ~ッと唸り出して、ゴキブリでもいたのかとさほど気にしなかった。
午後、パートから帰ってきた母が「今日○○叔母さん(ガンで亡くなった親戚のおばさん)の命日だよね」って・・・
叔母さん私に会いに家にきてくれてたのかな・・・

580: 本当にあった怖い名無し 04/09/08 07:07 ID:rLjpPEqt
久々に2chに来てココ読んだとき思い出す体験談を・・
関係者以外しりません。
最初に、この話は大変長いです・・
その割には怖くないと思います。
ながすぎ!・・と言う方はスルーしていただいても・・

今から数年程前まで電化製品の販売員<俗に言うマネキン>というのをしてました。
派遣会社に登録しておき電機量販店で雇われた大手メーカーの物を売ると言う仕事です。
メーカーから頼まれた量販にメーカーの派遣社員と言う形でお店にはいるんですが、18の頃からはじめて2年ほどたった頃です。
自分は上○電機(関西の人なら分かるとおもいます)と言う関西方面に多くある大型量販にはいってました。
そのお店には自分と同じように数人の他メーカーから来ているマネキンがいました。
常勤の自分の他に4人ほどいたんですが、ある同僚からお客さんを接客して欲しいと頼まれました。
「自分はいま他のお客さんに付いてるからお得意さんをまわすよ」との事でした。
そのお客さんは何度か見たことの有るお客さんで、年配の夫婦でとても穏やかな人柄なのは知ってました。
そして、大型のテレビを一台販売したんです。
当時値段にして高価な新機種でした。

それから暫くたったある日、その販売したお客様からお店に電話が・・・「こないだ買ったテレビが届いたんだけど、不良品じゃないですか?」とあった様です。
勿論、販売した自分が電話を変わり症状を聞きました。
すると「勝手にテレビがつく、画面は点いてないのに音声が流れる」との事です。
正直この手のクレームは結構多いんです。
理由は様々・・故障の時もあれば他の外的要因もあります。
そして一時的な対処方として元の電源を落とすと言うのも販売員としては普通に知ってるものでした。
仮に外的要因があったにしろテレビの主電源(本体の電源)を落としておけば勝手に入る事はありえないからです。
リモコンで電源はつけられませんが、その旨を伝えてその場は終わりました。

しかし・・・ダメでした。翌日「やっぱりつくよ。」と電話が自分宛にきたんです。
正直その時点で自分は???でした。
主電源を落としてそれが勝手にはいるなんて聞いた事がありません。

581: 本当にあった怖い名無し 04/09/08 07:09 ID:rLjpPEqt
続き

直ぐにメーカーに連絡しました、勿論メーカー側も「有り得ないよ」との事です。
とは言っても実際にクレームになってるんでメーカーの人間と店の上司とでお客様の家にお詫びも兼ねて後日うかがいました。
お客様は常連の老夫婦でとても温和な方です。
最初はメーカーも「クレーマー(有りもしない不具合や故障を買うたびにお店に文句を言う人)か?」みたいな感じだったのがどうも違うと納得した様でした。
その場で出来る限り点検をしてみまし・・
やはりと言うか原因はわかりません。

その時です・・
数人が見てるなかでスピーカーから音声と言うか雑音?が聞こえたんです。
「ザッッザ・・ザザ・・」
「ザ・・ユ・・・・・ザザ」
本当にかすかですが回りの数人も勿論聞こえたと言っています。
その時は主電源は着いていたんでスピーカーがハウリング(スピーカー同士を近づけると起こる現象)かと皆で話してたんですが次に聞こえたのは確かに誰かの声のようでした
「ザ・・・ユ・・シ・・ザザッ・・エ・・」
だがハッキリと聞き取れません・・
仕方なくテレビを交換と言う形にして後日新しいテレビを持ってきて今あるのは店に持って帰りメーカーに送ると言うことになりました。

幸い御客様の家には数台のテレビがあったのでその場で引き取ったんです・・
テレビの取り外しのため自分がテレビ台の裏にあるコンセントを抜こうとした時ふと花の香り?の様な匂いがしたんです
「ん?」気のせいか・・程度だったんですがコンセントは結構裏のはずし難いところで四苦八苦してたので気にもしませんでした。
「テレビを見ない時はコンセントを抜いて下さい」
と言えなかったのも場所を聞いていたため・・のほど奥にあったので・・。

582: 本当にあった怖い名無し 04/09/08 07:14 ID:rLjpPEqt
続き

32インチのテレビをお店に持って帰った時にはもう午後10時を回る頃でした。
お店は閉店時間で社員は皆閉店作業に入っておりテレビを明日の朝に出すため梱包は自分がやることになってました。
マネキンの先輩も手伝ってくれると言うので二人で薄暗い倉庫に持っていきパッキンで包んでいた時の事です。
ふといい香りがしました・・
本当にかすか何ですが、たしかにしています。
ふいに、「あの時の香り?」
そう・・あのコンセントを抜いてる時にかいだ・・
あの時は気にもせずお客様の家に飾ってる花か庭の花壇の程度だったんですが、ココは倉庫・・・匂いの元なんてありません・・
「○○さん、なんか匂いません?」
「ん?におい?・・いや・・なにも。」
「??・・さっきのがのこってるのかな?」
梱包が大体おわり先輩が「タブ(配送の時つかう手配書)だしてくるわ」と倉庫から出て行きました。

テレビはパッキン(空気のプチプチが付いてるあれ)が巻き終わり後は巻きダンボールを巻くだけです。
一人で倉庫に居るとまた、アノ香りが・・
今度はさっきよりもより鮮明です・・
「・・・・・ザ・・・」
「・・・・・・・え?」
たしかに聞こえました・・
パッキンに包まれたテレビの方から・・・
コンセントなんかささってない・・
微かにでも電圧の掛ってないスピーカーがハウリングを起こすはずもありません。
でも・・「ザ・・・・・ザザ・・・」

583: 本当にあった怖い名無し 04/09/08 07:16 ID:rLjpPEqt
続き・・

最後です自分は恐怖よりも呆然としていました。
そのうちに「ブンッッ・・」と音が自分はテレビの側面に立っていました・・
でもわかるんです。
透明のパッキンから洩れる淡い光・・
倉庫は薄暗くテレビの正面だけホントに微かに光・・
青白い光です。

「????・・・え?え?」
自分はもうパニックと言うより放心してしまってました。
その時後ろから・・「ガッ・・」と肩を捕まれました。
声にならず振り向くと先輩が「どうしたんだ?・・死にそうな顔だぞ・・」
自分は震える指でテレビを指しました。
「ん?・・コンセントさし・・」
先輩も固まってしまいます・・
無言で顔を見合わせ・・
二人でテレビの正面に回ろうとした時です。

「ブ・・・」光が消えました・・
その後放心してる二人に閉店作業中の二人が倉庫で声を掛けられるまで固まっていました。
勿論テレビの梱包は主任に任せこの話もつたえました。
「見間違えじゃありませんか?つかれてるんですよ・・」
など在り来たりな事で信じてはもらえませんでしたが・・
何処か信じたみたいでこの話は誰にもしないでほしい・・
仮にも出たばかりの新製品。
致命的な欠陥が出たなど嘘でも流してほしくない・・
との言い渡しをうけ後日メーカーのセールスと主任と先輩を交えた話のなかでも一連のことはココだけの話にしようお客様の方には不良品だったとお詫びの品をもって謝りに行くと言う事でおわりました。
アレから随分時間も流れ・・
自分も子供をもつ歳になりました。
先輩とも十数年合っていません。
しかし忘れられない出来事でした・・

信じて欲しいとかはありませんが、不可思議な壊れ方や不具合を起こす電化製品はたしかに有ります。
(何度付け替えても割れる電気スタンドなど)他の体験談はしませんが、ココまでショックをうけたのはこの話だけです。
もう仕事も変わり、かつてあったお店も大型店舗に建て替えられたので書きました。
長々と長文乱文すいませんでした・・
それでは。

618: マン・オン・ザ・タイトロープ ◆Man/NBzKY6 04/09/09 00:11 ID:N9RwV1T4
ポケベルの話で思い出した。
会社の先輩から聞いた話。
今、営業マンの殆んどが携帯を使ってると思うが、携帯がこんなに普及する前は、会社からポケベルを持たされてた。
うちの会社もご多分に漏れず、全員にポケベルを支給してたんだ。
帰社する時は、みんなデスクの上に置いて帰ってた。

ある日、その先輩と、もう一人の先輩が遅くまで残業してたそうだ。
そして、キリのいいところで帰ろうと言う事になり、二人して帰り支度を始めた時、誰かのデスクに置かれたポケベルが鳴り始めた。
会社支給のベルは、番号の出ない只鳴るだけのタイプ。
鳴ったら会社に電話するってシステムだった。
従って、基本的には会社から呼ばないと、ベルは鳴らない。
ただ、たまに全くの第3者が番号を間違ってかけてしまい、鳴ってしまうという事もありえるわけだ。
先輩達もそう思ったらしい。
鳴ってるポケベルを探し出し、スイッチを切る。

すると、何秒後かに、今度は他のポケベルが鳴り出した。
何かおかしいなと、二人は感じつつも鳴ってるポケベルのスイッチを切る。
すると、今度は間髪を入れず、また他のポケベルが鳴り出した。
3個目のポケベルのスイッチを切った途端、また他のポケベルが!
そのうち、ほとんどのポケベルが順番に鳴り始め、会社の中はまるでポケベルの無機質な呼出音がぐるぐる回ってるような感じだったそうだ。
そして二人は会社の照明も消さずに、速攻で事務所を出たんだと。

652: 本当にあった怖い名無し 04/09/09 18:29 ID:y+UrCH1V
文章、下手くそでごめん。
サークルのキャンプのとき十人で百物語をすることになった。

さすがに百本の蝋燭を用意するのは無理なので、十本の蝋燭でやった。
ひとつの話が終わったらひとつ吹き消して、また点けるという形式で。
俺が異変に気づいたのは、一周した頃だった。
バンガローの壁に小さな子供ほどの背丈の影が映っていて、その影が俺達の円を囲むように歩いていたのだ。
猫背で両手をだらんと垂らした、不気味な影だった。
俺の番が回ってきたので、その影を無視して話した。

二周すると、その影は成長した。
確かにでかくなっている。
やばいと思いつつも俺は影を目で追っていた。

三周目、影ではなく、実体がある黒いかたまりになった。
背丈はもう大人くらいある。
さすがに怖くなってきた俺はうつむいた。
視線の端に黒いものが歩いているのが見える。
また俺の番が回ってきて顔を上げると、黒いものがいなくなっていた。
ほっとした次の瞬間、奴を見つけた。
友人の後ろに立っていた。もうやめよう、と俺が言うと三人が同意。
すぐに明かりをつけた。
黒いものは消えていた。
寝る前に、俺に同意した三人が来て、いたよな?と同時に言った。
今のところ友人に何も起こってはいない。
ただ、あの日から肩が重いとぼやいているのだが。

669: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 00:46 ID:t/RoeU9+
俺の姉が体験した話です。
そのとき姉は友達の家で遊んでいて、友達の親は留守でした。
電話がかかってきて、その友達が電話を取りました。
ほんの少し話しただけで電話を切りました。
変な電話がかかってきたといって内容を教えてくれたそうです。

男「@@さんのお宅ですよね。」
友達「はい」
男「親はいる?」
友達「いませんけど」
男「すぐ行くよ(電話を切る)」っていう内容でした。
その話をしている時に突然ベランダの窓から見知らぬ男が入ってきたそうです。
姉と友達はすぐ逃げたので無事でした。
裸足で逃げてくる姉と友達から聞いた話。

671: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 01:17 ID:0l3qn2Oi
今年33歳になるが、もう30年近く前の俺が幼稚園に通ってた頃の話です。

昔はお寺さんが幼稚園を経営してるケースが多くて、俺が通ってた所もそうだった。
今にして思うと園の横は納骨堂だったし、その隣は古い墓地だった。
夕方、幼稚園の遊具で遊んでいた。
外には俺一人だった。
室内には何人も人がいたんだと思う。
でもそのときは何故か俺一人だった。
ジャングルジムの上に人が座っていた。
男の子だった。
黒の半ズボンに黒い金ボタンの上着を着ていた。
裸足だった。
坊主頭で小学生くらいだったんだろうか、すぐ自分より2つ3つ年上の子だと分った。
その子はじっと俺の方を見ていた。
特に怖いとかビックリした記憶は残って無い。
ただ何故か無性に寂しくなったのを覚えている。

672: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 01:33 ID:0l3qn2Oi
その子は黙ってジャングルジムから下りると、納骨堂の横を通って墓地の方へ歩いて行った。
俺はその子の後について行った。
墓地と言っても園の隣で見慣れた景色だったし、日頃かくれんぼをして遊ぶ場所だったので特に怖いとは思わなかった。
その子を目で追ってたつもりだったが、何故か今思い出そうとしてもその時の光景が思い出せない。
だが、その時見た苔の生えた小さな墓だけは鮮明に脳裏に焼きついている。
古い墓地によくある巨木が夕日を遮っていたので辺りは薄暗かった。
その薄暗さを意識した瞬間、すごく怖くなって走って園に戻った。
時間にして1~2分の出来事だったんだろうが、今思うとすごい長い時間だった様な気がしてならない。

673: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 01:45 ID:0l3qn2Oi
しばらくして祖母が迎えに来てくれた。
今思うと祖母が迎えに来てくれたのはその時が最初で最後だった。
何故かその時、祖母の顔を見た瞬間の安堵感を覚えている。
そして祖母は墓の方を物悲しい顔でしばらく見ていた後、
「○○ちゃん(俺)何も心配せんでよか・・・ばあちゃんがちゃんとしてやっけんね」
と俺の顔をまじまじと見ながら言った。

二人で手を繋いで家に帰った。
途中、駄菓子屋の前を通りかかった時、俺は無性に寄り道したかったが、「今日はあかん!今日はあかん!早よ帰らんばあかん!」と祖母にたしなめられた。

674: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 01:54 ID:0l3qn2Oi
祖母が死んだのはその日の深夜だった。
何故か俺には祖母の死が記憶としてハッキリ残っていない。
葬儀で親戚やら知人やらが家に大挙して慌しかったのは覚えているが、祖母が死んだ悲しさが今でも全く記憶から消えている。

翌年、俺は小学生になった。
小学校も幼稚園と道を挟んで隣接していたが、俺はその後、一切近寄らなかった。
正確に言えば近寄れなかった。
意識すると頭の中に苔にまみれたあの小さな墓が浮かぶからだ。

675: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 02:09 ID:0l3qn2Oi
中学2年になった時、町内のボランティアで再び幼稚園のあるその寺を訪れることになった。
墓地は整備され、古い無縁仏や墓石は撤去されて以前の面影は残っていなかった。
幼稚園も新築され、当時とは全く景色が変わっていた。
寺の本堂が改築されるらしく、古い荷物やらゴミやらの掃除がボランティアの仕事だった。
住職が何十年もの間、寺に持ち込まれた物を整理している。
その中に遺影が何十枚もあった。
俺と友人はそれを外に運び出すよう言われた。
黄ばんだ新聞紙に包まれた遺影の中に一枚だけ裸の遺影があった。
俺はその遺影を手に取って見た瞬間、全身の血が凍った。

あの時みた少年の遺影だった。
そしてその少年の背後からその少年の首をこの世の物とは思えない形相で絞めている祖母の顔が写っていた。
俺は気を失い、目がさめた時は病院だった。
父も母も恐怖で顔が尋常ではなかった。

677: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 02:21 ID:0l3qn2Oi
後に写真は住職が供養して焼却処分したと聞いた。
父が住職に聞いた話では、その少年は戦時中、土地の地主が養子に引き取った子で、かなりの冷遇を受けた後、病死したらしかった。
祖母は若い頃、その地主の家で手伝いをしていたらしく、かなりその子を可愛がっていたそうです。
その少年は多分俺を連れて行く為に現れたんだろうと住職は言っていたそうです。
祖母はそれをさせまいとして、その結果があの写真だったのだろうと言っていました。
その後、すぐ引っ越したのですが、今でも思い出します。

682: 本当にあった怖い名無し 04/09/10 03:03 ID:bBB2e72C
>>677
怖いけどええ話やなあ。
文章もうまくて読みやすかった。乙です。


引用元: https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1093782463/