428: 本当にあった怖い名無し 2019/01/04(金) 12:36:01.94 ID:PMOhVxQ30
石じじいの話です。 

じじいの住む地方の町には、他の県とを結ぶ連絡船が出ている港がありました。 
昔は一日に何便もありましたが、現在では便数が大幅に減っています。 
夜遅く到着する便があったのですが、その便にいつも出迎えに来る女性がいました。 
その人は、ほぼ毎日、夜遅い便が到着する頃に桟橋にやって来ます。 
しかし、その女性が「人を迎えているところ」を見た人はいませんでした。 
それどころか、その人を見知っている人もいない。 
そして桟橋にいつ来て、いつ、いなくなるのかもわからない。 
港の社員たちの間では、少しだけ話題になっていました。 
「彼女は誰だろう?」 
「何のために毎日来ているのだろう?」 
「いつ来て、いつ去るのか?」 
誰にもわかりませんでした。 
ただ、ある係員は、桟橋への道を彼女が暗がりから歩いてやって来るのを見たことがあると言っていました。 
じじいが友人たちと、友人が港で撮った記念写真を見ていた時に、「あっ、この人が、あの夜来る女だ」ということで、女性のことが話題になったのだそうです。 
その友人は、汽船会社に勤めていて、実際に目撃していたのです。 
ただ、その写真は昼の便のときに撮影されたものだったので、おかしなことだと。 
その女性は夜にしか来なかったそうですから、同一人物だったか不明です。 
友人は、絶対にこの人だと言ってゆずらなかったそうですが。 
その女性は一人で桟橋に来ていたのですが、ただ一度だけ、小さな男の子の手を引いていたことがあったそうです。 
もしかしたら、いつも一人で来るというのではなかったのかもしれません。 

「それはだれやったん?」、 
「わからん。だれも知らんかったし。戦争が終わってなん年もたっとったけん、復員兵なんどもおらんかったしのう。」 
彼女はどこにいったのでしょうか?

433: 本当にあった怖い名無し 2019/01/05(土) 09:00:55.04 ID:vW/pBDtj0
>>428
北海道では無いんだが。

俺の住んでる方だと、夜に船着き場に行くのは一種タブー視されてる。
昔から、水難事故で帰ってこれなかったの魂が還ってくるから。と言われてるんだよ
あの世とこの世の境が不確かになるので、夜の海は危険なんだそうだ。

ただそれでも、時々夜に桟橋にやってくる人はいる。
事故で死んだ人の遺族や縁者で、思い切れないから迎えに出る。
若しかしたら・・・と思うんだろうね。
だからそういう人を見ると、地元では見て見ぬふりでそっとしておいたんだそうだ。
万が一にでも死者の魂が帰ってきたときに、邪魔をしてはいけないから。

時間は偉大な治癒者だと言われるように、そんな気持ちもやがて時間と伴に受け入れられるようになる。
それで、これで最後。と決めた場合は、本来の待ち人が付くはずだった時間に迎えに行くんだと。
もうその後は、夜に迎えに行くことはしない。
そういう人の魂は、もう海にはいなくて還るべき所に行っているから。

その桟橋にいた女性もそういう人だったのかもしれない。

435: 本当にあった怖い名無し 2019/01/05(土) 10:46:09.18 ID:xhhl74Ks0
>>433
石じじいの話です。

連絡船が来る夜の港にやって来る女性。
わたしがじじいからこの話を聞いた時には、「その女性や男の子は生きているものだったのだろうか?」と思いました。
そのように当時のメモノートにあります。
幽霊が誰かを迎えに来るのか?探しに来るのか?と。
その「女性(たち)」がそれからどうなったかはメモにないのでわからりません。
おっしゃる通り、「時間の経過」によってその存在は消滅(摩耗)したのかもしれません。

429: 本当にあった怖い名無し 2019/01/04(金) 13:05:35.86 ID:PMOhVxQ30
石じじいの話です。

歳をとると認知症になることがあります。
それを介護する家族の人々の苦労はたいへんなものです。
アルツハイマー病などは高齢者に特有のものではなく若年性のものもあります。
若い人でも、事故などで脳障害を起こし脳血管性の痴呆になったりします。
その場合は肢体の不自由を伴うことが多いので、さらに困ったことに。

ある老人男性がおかしくなりました。
彼によると、家族が全員偽物だというのです。
どうしてそう思うのか?
石が教えてくれるのだと。(出ましたねw)
石を手の上に載せて差し出すとわかるのだそうです。
その石は、神社の境内で感応して拾ったのだと。
以前お話した「真実を教えてくれる石」に似ています。
そうしている中、ある日、その男性が「石が無くなった。眠っている間に盗られた。偽家族の仕業だ。」と言い始めました。
その後、数日して死んだそうです。
死因は、子供のじじいには教えてもらわなかったそうですが、「狂死」ということでしょう。
生前の男性が言うには、
家族はだんだん偽物に置き換わっていった。
最初に孫の女の子が、
それから父親(自分の息子)、連れ合い(おばあさん)、と別人に置き換わって、最後まで嫁が残っていたが、それも最近偽物に置き換わった、と。
それなので、その男性は孫娘を含めて、むしろ彼女に対しては特に、家族に厳しくあたっていました。
周りの人達は、「とうとうボケが始まった。家族の人たちも苦労する。ああはなりたくないものだ。」と思いました。
その最初に偽物になったという孫、女の子は、普段じじいがよく遊んでいる子供で、まったく変わりがありませんでした。
偽物と指弾されていた家族の人たちも変わらず、偽物とは思えなかったと。
(つづく)

430: 本当にあった怖い名無し 2019/01/04(金) 13:06:35.87 ID:PMOhVxQ30
>>429
(つづき)
狂死した男性の葬式が終わり、四十九日が終わったあと家族はいなくなりました。
その朝は皆いたのに夕方には全員が失踪していたのです。
夜逃げではなく昼逃げです。
田舎なので、昼間に、ひと目に触れずに行動することは不可能なのに
金目のものを含めて家財道具も、お金(現金、貯金)も手付かずで残されていて、家や田畑も売却されてはいなかったらしいのです。
ただ、位牌とお骨も残されていました。
そのときから、現在(じじいが子供の私に話してくれたとき)に至るまで、その家族の消息はようとして知れない、と。
家族の人たちにとっては、老人がボケることはよくあることだし、それを特に世間様への恥と考えるようなことは無く、恥じて姿をくらませる必要もないのです。
疾走する前兆もなかったし、理由も思い浮かびませんでした。
家業の農業もうまくいっていたし、旦那さんは町の役場に努めていたので生活は安定していました。
「もしかしたら、その死んだ男性が言っていたことは本当だったのではないか?」と、子供のじじいは思ったこともあったそうです。

家族を含めて周りの人々が知らない間に「別のモノ」によって置き換わっていく、というのはSF小説や映画でたびたび出てくるモチーフです。
何度も映画化されている「ボディスナッチャー」は有名ですね。
ドナルド・サザーランドの絶叫が怖いラストシーンが印象的です。
一度、皆さんもまわりを確認してみてください。


431: 本当にあった怖い名無し 2019/01/04(金) 20:05:52.79 ID:PMOhVxQ30
>>430
>>疾走する前兆

失踪する前兆、ですね。

元スレ:https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1535920044/

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