幽霊も…!?

名無しさん

ちょっと前に親父から聞いた話。
大したオチはありませんが、どうかご勘弁を。

親父が高校生の時なので今から35年位前、色々なバイトをしていたんだけどその中に建物の解体作業の日雇いバイトがあった。
解体作業といっても業者がやる様な本格的な物ではなく、でかいハンマーでそのフロアの壁やガラスをぶち破る簡単な作業。
ストレス解消にもなるし、時々他人の日記・アルバムや古いエロ本が出てきて楽しいバイトだったらしい。

その日は雑居ビルのワンフロアの解体で朝からの作業。
昼休憩の時に用を足しに別フロアのトイレへ。
トイレへ入ると先客がいて、小便器に横並びする形に。
隣は人の良さそうなニコニコしたオッサンで、ちょっとした世間話になったらしい。
解体作業でうるさくして申し訳ない旨を言うと、
「あのフロアは昔から入れ替わりが激しいからね」
とかなり詳しい様子。
そんな事を話しながら、手を洗いに洗面台へ。
ふと前の鏡を見ると隣にいるはずのオッサンが映ってない。
「ヤバい」と思ったらしいけど、咄嗟に反応してはいけないと判断して世間話を継続。
オッサンは相変わらず人の良さそうな顔でニコニコしながら話してたらしい。
話の止めどきを探していると、バイト仲間がトイレへ入ってきたので助けを求めようとしたら、もうその瞬間にオッサンは消えてたしまっていたらしい。
ちなみにそれ以降は変わった事もなく、無事作業も終わったとのこと。

以上になります。幽霊も用を足すんだなとちょっとだけ関心した話でした。





慰めてくれる足音

名無しさん

実体験です。
長くなりますが、ご勘弁ください。

私は3才から20才まで、所謂ベッドタウンの戸建に住んでいました。
当時建て売り、住んでる間に家の周囲がマンションになる程度の開発しかされない不思議な土地だった、と今なら思います。

その家での出来事です。
初めに気づいたのは小学生の時でした。

慣れない受験を強いられ、毎晩勉強やら親の怒りに泣いていました。
部屋の外で足音がするのです。
親かな、とも思いましたが扉の隙間からは明かりは見えません。
部屋の前はまっすぐ廊下があります。
その廊下から聞こえるのです。
軽い、まるで子供のような…
気付いたときから注意をしてみると、多くは私が悲しい・辛いと部屋に閉じ籠る時に聞こえます。

両親は座敷わらしだろうと流すばかりで、私しかどうやら聞こえていないようでした。
恐怖はありませんでした。
兄弟がいない私は、何かしらの気配で安心していたからです。
親も知らない失恋、テストのミスなどは足音が慰めてくれていました。

やがて引っ越しの話が出、その家を離れることとなりました。
両親から話を受けたとき、成人寸前の私は一人で部屋で声を押し殺して泣きました。
その日の足音はいつもより静かでした。

家と別れるとき、部屋から廊下に感謝と謝罪をしました。
車から見えなくなるまでお礼を言いました。

その後中古物件としてその家は出され、購入を決めたのはお世辞にも良い家族ではありませんでした。
不動産屋を通していましたが、クレームが多くその不動産屋が辟易してしまうほどでした。

あの足音の正体が何であれ、無事か不安でたまらない日々が続いたとき。
風呂の床下に突如腐蝕が始まった、キッチンが壊れた、ベランダの床が突如抜けたなどの家の不備が出始めたそうです。
年月を考えるとある程度は分かりますが、タイミングとして不思議でした。
当たり前ですがクレームが入りましたが、事前の検査では見つからなかった点ばかりで不動産屋も我々家族も首を傾げるばかりです。

そして更にクレームがヒートアップした頃(他も壊れてたと虚偽的部分もありました)、たまたま遠縁の方が連絡をくれました。その方は不動産を代々やっていたプロで、的確なアドバイスをくれ何とか落ち着くことが出来ました。

前の家の家族は今、受験の失敗や家族不幸などが続いてると聞きました。
家周囲の再開発でお墓だらけにもなったそうです。
新しい家は綺麗ですが、足音は聞こえません

結局足音は何だったか分かりません。
家のことも、タイミングが良かっただけかもしれません。
でも、私はあの足音に成長を見守られていたためまた出会いたいと思うばかりです。

以上となります。





雨と舌打ち

けんぴろさん

本当に鮮明に覚えている出来事。
自分が幼稚園の年長の年の6月、バケツどころかバスタブをひっくり返したっていうレベルの大雨の午後のこと。
俺は送り迎えをいつもしてくれていた祖母を教室で待っていた。
大雨で他の生徒の親御さんたちも迎えにいくのにてこずっているのだろうか。
教室には迎え待ちの生徒が多く残っていた。

待っている内にさらに雨脚は強まり、バタバタと屋根を叩く激しい雨音と雷鳴に少し恐怖を感じていた。
俺はトイレに行こうと教室を出た。
トイレは職員室の隣で幼稚園の出入口(正門ではなく、勝手口の門)のすぐ近くにある。
用を足して友達のいる教室に戻ろうとトイレを出た瞬間、「おーい」と出入口の門の方から声をかけられた。
振り返ると、一人の中年女性が傘をさしてたたずんでいた。

見た目は本当にフツーのおばさん。
少しぼさっとした長い黒髪、紫のTシャツにサンダル、そして極端に細い目。

防犯のためだろうか、勝手口の門は閉ざされていたため、その女性は門越しに声をかけてきた。屈託のない笑顔でハキハキと大きな声をしていたのが印象に残っている。

「◯◯(俺の名前)君ー!?私、お母さんの会社の人だよー!大雨でおばあちゃんが迎えにいけないから、お母さんに頼まれて迎えにきたよー!」

確かに、確かにその女性に既視感はあった。
それに俺は母親が勤めている会社に託児所のお菓子目当てで何回も遊びにいったことがあり、母親の同僚の方々とも話したり、遊んでもらったりしたこともある。

その経験が後押ししてか、早く大雨と雷鳴の恐怖から離れたいためか、その女性の笑顔の妙な安心感に包まれ、大急ぎで教室に荷物を取りに行き、先生にさようならの挨拶をして、勝手口ではなくいつも出入りしている正門の方に全速力で走って向かった。
その女性も正門の方に移動して待っていてくれていた。

幼稚園の校舎から出て、傘をさして外に一歩出た瞬間、体が宙に浮いた。
担任の先生に後ろから抱っこされ、職員室に強引に連れていかれた。

先生は「ごめーん!◯◯君に渡すものがあったー!忘れてたよー!」と職員室のソファーに座らされた。
渡すものって何だろう…、それにあのおばさん待ってるのにな…と大雨の恐怖とは違った不安感を覚えていた。

そしてその先生が言っていた「渡すもの」が一向に出てこない。
担任の先生は俺の手を強く握りながら一緒にソファーに座っていた。
他の先生達が教室の方でバタバタと急に忙しく動き始めていることに気付いた。
園長先生は深刻そうに電話をかけ続けていた。

しばらくすると、祖母ではなく両親が迎えに来た。
父親は料理人で、ランチのクソ忙しい時間帯の午後に店の車で迎えに来るなんて異例中の異例であったし、母親も普段仕事が大変なのは子供ながらに知っていた。
両親が迎えに来るなど、全くといっていいほどない。

そのまま両親は自宅に送ってくれ、父親は店に戻り、母親は仕事を早退したのかそのまま家に残った。
祖母は笑って自分に接してくれていたが、その目は何か心配しているような感じにも見えた。

ふと何気なくキッチンのテーブルの椅子の上にあった回覧板を開いてみた。
回覧板に挟んであったチラシに、

「不審者に注意」「誘拐未遂」とご丁寧にフリガナつきで載っていた。

そのチラシには不審者の似顔絵と服装が載っていた。
長い黒髪、紫のTシャツ、サンダル、極端に細い目。
あの声をかけてきた女性そのままだった。

俺は恐怖で声も出せず、ぼろぼろと涙を流した。それに気付いた祖母は俺を強く抱き締めた。

次の日から幼稚園では集団下校が始まり、放課後は幼稚園のバスが園の周りを周回するようになった。
本当にあの女性が回覧板のチラシに載っていた不審者なのかはわからない。しかし俺は奴が不審者だと確信している。

確かに聞こえた。

バタバタと激しい雨音の間を縫って聞こえた「チッ…」という舌打ちが。



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