嫌われる家
名無しさん俺は今とある企業に勤めている。どこかは言えないが、大きな企業だ。
その企業の近くにマンションがある。俺はそこに寝泊りしている。会社に近いと便利だしな。
でも、俺がその企業に入社する前は別の場所に住んでいた。
その時の家は一軒家でな。よく友だちを誘って遊ぼうとした。
でも、なぜかみんな断るんだ。今回はその時の話をしよう。
その時、俺は中学生だった。しかもなりたての頃だったもんで、よくはしゃいでたな。
新たな友だちとの出会い、それにワクワクしていたのかは知らんが、俺は片っ端から友だちを自宅に呼んだ。ここから悲劇は始まった。
まずは一人目、教室で少し話しただけですぐに打ち解けたAとBを誘った。
最初は二人は
「どうなってるのか楽しみだなwww」とか
「何して遊ぶ?」みたいな事を楽しく言い合っていた。
そして自宅に到着した。俺は玄関を開け、二人に入るよう促した。
でも二人は入らなかった。入るのを嫌がっていたように見えた。
「どうした?入れよ。」俺がそういうと、AとBは二人同時にこう言った。
「絶対に嫌だ!」
AとBは帰ってしまった。俺は訳がわからずポカーンとしていた。
次の日、昨日のことをAとBに聞いてみた。
A「あぁ、あれね・・・」
B「別に理由はないんだ・・・うん・・・」
などと理由は教えてくれなかった(Bの理由はないという発言はおかしいと思ったから)。
今日は誰を誘おうかな?なんてことを考えていた。昨日は違う小学校のやつだったし、同じ小学校だったやつを誘えばいいと思ったからだ。
結果、CとDを誘うことにした。
俺「実はさ、昨日AとBを俺の家に誘ったんだけど、家の前に来て突然帰っちまったんだよ。」
C「ふーん。用事でもあったんじゃねぇの?」
D「でも俺たち今日は暇だし、思いっきり遊ぼうぜ!」
俺「おう!」
そんな感じで話してたら到着。
ここで俺は気付いてしまった。CとDが入るのを嫌がっていることに。
俺「・・・入るの嫌か?」
C「・・・すまん。」
D「俺も無理だ・・・」
俺「そうか・・・」
結局CとDも帰ってしまった。
そのことを晩飯の時に親に話してみた。
母「さぁ?なんでかしら?」
父「なにかあるのかこの家・・・」
理由は解らずじまいだった。
俺は思い切って教室中の全員を誘ってみた。しかし、返事はいいものの家にくると入らないやつが続出。さすがに我慢ならない。俺は当時の校長に直談判しにいった。
俺「校長先生。(事情説明)・・・ってことがあったんです。一体俺の家に何があるんですか?」
校長「・・・わかった。教えよう。」
校長は渋々教えてくれた。
実は、俺の家のある場所は昔神社だったらしい。とても小さな寺だったが、近所では万能の神様を祀っていたらしい。しかし、その神社が老朽化で取り壊され、お墓ができ、お墓も壊され俺の家ができたという。俺の家は、その万能の神様と墓場の住人両方に祟られていたらしい。
そんな話を聞いたらあの家が恐ろしくなった。とりあえず親にそのことを伝え、引越しをすることにした。本来なら親の仕事の都合上・・・とかいう説明だが、教室の全員が気付いていたら隠す必要も無い。俺は全てを打ち明けその地を去った。
今は新しい家が建っているという話を、当時の友人から聞いた。どうか、あの祟りがもう無くなってますように。
弓道場の親切な幽霊
名無しさんこれは私が高校生だった頃の不思議な体験です。
当時私は弓道部に所属していました。
学校から少し離れた所に弓道場があり、その弓道場は親切な霊が出るといわれています。
実際、私の友人は弓を弾いて射るまでの間を作っている時、ひょいと右肘を持ち上げられたり、先輩は肩甲骨を押されたりされたそうです。
しかもその霊に触られた時は百発百中、必ず的に当たるらしく、皆怖がるどころか触って欲しいと言うくらいでした。
私は触られませんでしたが、ある雨の日に姿の様なものを見たことがあります。
私が矢を構えていると、裾がヒラヒラした白い服(ワンピースなのか、下半身が透けて上しか見えなかったのかは分かりません)を着た人の形に見える何かが的の前を横切ったのです。
それに驚いた私はうっかり矢を握っていた手を離してしまったのですが、その矢は真っ直ぐに飛んでいき、的中しました。
ただの見間違い、偶然の出来事かもしれません。
しかしあの時の私はスランプで、全然的に当てる事が出来ず焦っていました。
考え過ぎだとは思いますが、オカルト好きの私としては霊が必要の無い緊張や不安を驚かせることで解消させてくれたのかな?と思っています。
余談ですが、妹が弓道部に入った友人いわく、今でもその霊は弓道場にいるそうです。
全く怖くない話で恐縮ですが、以上が私が体験した出来事です。
スタンガンハウス
けんぴろさん俺が今住んでいる家のわりと近所にある一軒家が存在する。
その一軒家に気づいたのは、先々月のとても寒い日。
出勤途中、あまりにも寒すぎたので駅まで少し近道をしようと思い、いつも通ってる道ではなく、住宅街を掠めるように作られている裏道を通ってみた。
しばらく歩いていると、立派とは言えないが瓦屋根の綺麗な一軒家があった。
しかも畑、駐車場(多分5台は停められる位の広さ)付きで、割りと広い土地に建てられている。
大きくはないが、趣ある家で「自分もこんな家建てられたらなー」と考え、少し羨んだが、次の瞬間その羨みはぶっ飛んだ。
左足の脛辺りに鋭い痛みが走った。
スーツが破けている、というか何かに引っ掛かり、5cmほど引き裂かれていた。
破けたスーツの穴から足を覗くと、ダラダラと血が流れている。
出勤前なのに…くそっ。
足の痛みよりも、なぜ足を怪我したかという疑問の方が気になった。
足元を見回した。
有刺鉄線だ。
畑、駐車場を含む家の周りに極細の有刺鉄線が地上30cmほどの高さで張り巡らされている。
しかもコンクリートの道と同化するように有刺鉄線とそれを巻き付けている杭がダークグレーに塗装されていた。
何のために住人は有刺鉄線を巻いたのかわからなかった。
だって畑には農作物なんて植えられていなかったし、それに駐車場に停めてある車をよく見たら、タイヤが無い!
人の出入りはほとんどない状況で、盗難防止するほどの物もない。
なぜ有刺鉄線を巻いたのか?
そんな疑問がどうでもよくなるものを見つけた。
その一軒家の窓を見ると、達筆な筆文字で貼り紙がされてあった。
「スタンガンの攻撃は人間の脳波を深く傷つけます。私はそれに対抗します!」
「スタンガンは悪質なレーザー光線を発します。被害者の会を立ち上げますのでどうかご参加願います」
……ああ、これ無視した方がいいやつだ。
直感が危険を知らせてくれた。
足の傷は多分これ以上の危険を避けるための代償だなと無理矢理納得し、急ぎ足で会社に向かった。
しかし人間の好奇心はなかなか抑えられないもので、休日に用事ついでにその家をまた覗いてみた。
ばーちゃんがこういうのは無視したほうが絶対にいいって口酸っぱく言ってたけど、俺全然成長してなかったわ、悪い孫でごめん。
帰省するときなんかお土産買っていこうなどと考えながら向かった。
相変わらず貼り紙が残っていた。
ていうか増えてる!
そして貼り紙が大きくなって、窓の他に玄関にも貼られられている。
「スタンガンレーザー被害者の会、基地移転のため、この家を売却します」
えええ…売るんだ…
てか売れんのかよこんな家…
「ご購入希望者、中にお入り下さい、そしてスタンガンに愛をもって仕置きしましょう」
入れるかー!なんてツッコミを入れたくなったがグッと我慢をして、また窓の方をみた。
するといつの間にか一人の女の子が窓の内側に立っていた。
歳は多分17、18歳位だと思う。
デニム地のシャツワンピに細い黒のズボンを穿いていた。
黒髪ロングの巻き髪、そして大きな瞳で、鼻筋が通ったものすごい美人。
俺はギョッとして、腰が抜けそうになった。
しかし、その美しさに一瞬見入ってしまった。
その女の子との距離、約7m。
その女の子と目が合っていたのは多分5秒位だったと思うが、非常に長く目があっていたと感じた。
彼女は窓越しに何か伝えようと口を動かしていた。
そして泣きそうな顔で何か訴えてた。
俺は一礼して、早足で駅まで逃げるように向かった。
多分あの口の動き、「助けて」だったんじゃないかな。
あの口の動きが「助けて」だったとしたら、何から助けてほしかったのだろう?
この家の住人から?それともスタンガンから?俺にはわからない。
ばーちゃん、ごめん。
次の休みにこの家もっかい行くかも。
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