山伏?
名無しさん俺の地元にはH山という修験山としてはかなり有名な山があります。
H山の中腹には県立の研修施設があり、そこはオカルトチックな噂が絶えない場所でした。
この話は俺が中学生の時、習い事の合宿でその研修施設を利用した時に体験したものです。
合宿は一泊二日と短いながらもハードな内容でした。
夜になる頃には全員疲れ切ってしまい、消灯と同時にみんな眠ってしまいました。
しかし俺だけは何故か目が冴えてしまって眠れません。
なんとかして寝よう思えば思うほど、目は冴えていきました。
体感で2時間くらい葛藤したのですが一向に眠れず、気晴らしにジュースを飲みに自販機コーナーへ行くことに。
自販機コーナーはガラスに囲まれており、宿舎と本館を繋ぐ渡り廊下を渡った左側にあります。
俺はそこで宿舎に背を向けてベンチに座り、ジュースを飲みながらぼーっとしていました。
しばらくそうしていると、右側の方向から何か小さな音が聞こえてきました。
山の夜は非常に静かで微かな音でも際立って聞こえます。
その音は人の足音と何か杖を突くような音で、だんだんと近づいて来ていることが分かりました。
光源は自販機の明かりのみで、目を凝らしてもその方向は真っ暗で何も見えません。
そうしている間にも音はどんどん迫って来て、とうとうすぐそこまで来てしまいました。
びびりながらも右側を注視していると、暗闇の中から自販機の明かりに照らされて人影ぬっと出てきました。
それはボロボロの和服を着て杖を突いた初老の男性で、今考えると山伏に似た格好でした。
多少の恐怖心はありました。
でもあまりにもクッキリと見すぎていため、それがこのご時世に修行してる変わった人なのか、オカルト的な存在なのか判断しかねていました。
そんな事を考えている間にも男性は歩みを止めず、自販機コーナーにまで入って来てしまいました。
近くで見てもその存在感は変わらず、むしろ普通に生きてる人間だと思ったほどです。
その男性も視線に気づいたのかこっちを向いて軽く会釈をしてきました。
俺もつられて会釈を返すと男性はまた正面に向きなおりゆっくりと歩き出し、左側にあった自販機に真っ直ぐ向かって行きました。
止まる素振りも無く「ぶつかる!」と思った瞬間、自販機をすり抜けて去って行ってしまいました。
その後もしばらく足音と杖の音はしましたが、遠ざかって聞こえなくなってしましました。
大したオチもありませんが、俺が体験した話は以上になります。
あまりにも現実味の無い体験だったので、今まで誰にも言えませんでしたがここで吐き出させて頂きました。
鎌田の女
名無しさんこのうしみつブログで怖い話を毎日読ませてもらってると、たびたび思う事があって、それっていうのは実体験にもとづいた、いわゆる“本当にあった怖い話”ってのは脚色や創作を入れないとちっとも怖くないんだろうなってことなんだ。
それで、今回投稿する話ってのも実話で、あまり怖い話じゃないなって思うんだけど、自分自身ちょっと気になるとこがあって、その確認の意味も込めて投稿させてもらうよ。
ちょっと狙ったような文章と脚色を加えた内容だけど、ただありのままを話しただけじゃせっかく掲載してもらうのに面白くないと思ったから、そこはご容赦ください。ダメだしはコメ欄にどうぞってことで。
何かって言うと夢の話なんだ。もうこの時点で大半の人はガッカリしてるんじゃないかな?
まぁ、なるべく短くするつもりだからちょっとだけ聞いておくれ。どういうわけかさっきから足が痛いし、もう寝たいしね。
その夢は突然始まったんだ。だいたいの夢は突然始まるもんだろうけど。
顔の焼け焦げた女が古い民家の窓からこっちを向いて唸ってるんだ。僕は、その家の向かいのなんにもない道路から呆然とその女を見てる。顔の焦げた女、としか覚えてない。着物を着てたような気がする。髪はあった。黒い長い髪を後ろに垂らしてた。塗りつぶされたような真っ黒な顔は、不思議と怖いってよりも「冗談だろ?」って思いにさせた。
その女がこっちを窓越しに見つめて唸ってるんだ。
おかしな話で、唸り声っていうよりも呻きかな?「おぉおぉ…おお……おおぉ…」って感じの声なんだけど、そんなに大きな声じゃなかった。呻き声ってそんなもんじゃない?なのに、すごくよく聞こえるんだ。街中に響いてたんじゃないかって思うくらい、はっきりと。
あたりは何もない田舎の何もない道。家はぽつぽつ立ってたような気がするけど僕のほかに周りに人はいないことだけは確かだった。遠くには山が見える。空は不思議と晴れてる。顔の焦げた女の呻きが、何故か山々に木霊してる。僕はただ呆然と、女を見てる。女は家から出たいのか、窓ガラスをペタペタ手でひっかいてる。怖くはなかったけど酷く嫌な気分だった。
僕は突然理解した。理解したってより思い出した。僕はあの女を知ってる。あの女は鎌田だ。僕の血筋の飯田家に焼き殺された鎌田の女だ。飯田を恨んで、恨み抜いて焼け死んだ鎌田の女だ。僕の祖先、飯田家は鎌田の恨みを恐れて、鎌田の怨念をあの民家に閉じ込める事に成功したんだ。でも、鎌田の強すぎる怨念は家の中から出てこれなくとも、飯田の子孫の僕らを呪って家の中からでもあらゆる災厄を呼び起こしている。だから、僕の母の家系は報われない人ばかりだったんだ。
僕はその怨念と戦わなければならない。家族のために戦わなければならないからここにいる。顔の焦げた鎌田の女は相変わらずこっちを見て呻いている。きっとあいつも僕を呼んでいるんだ。僕を呪い殺すために。
僕は無感情に足を進めて、いつもやるみたいに戸を開いた。
と、ここで目が覚めるわけ。手探りで携帯を探したら時刻は3時か4時だったと思う。そこはあまり覚えてない。ただ暗かった。
ほんと、人の夢の話って荒唐無稽でつまらないよね。まああと少しで終わるから。
それに、僕は夢から覚めた後が一番怖かったんだ。
「まあ、怖い夢だったんだろうけど、もうこれ系は慣れてるしな…」
なんて事を。考えたんだと思う。悪夢はよく見るからね。いつもみたいにまた寝ようとするんだけど、なんかひっかかる。
「鎌田だとか、顔の焦げた女ってのは知らないしバカバカしいけど、確かに母親の旧姓は飯田だったな…」
で、だんだん心が落ち着かなくなってきた。感覚的には、子供の頃母親の財布からお金取ったのがばれたような、そんな心細さ。
寝ようと思っても寝れないし、不安はどんどん膨れてくる。
最後は本当に、本当に怖くなってしまった。ほとんどパニックだったと思う。
「かあさん呼ばないと!かあさん呼ばないと!!」
本能的にそう思った。そうしなきゃ絶対ダメだって。本当にやばいって。
うまく動かない足でなんとかベッドから起きて、母親を呼びにいこうとするんだけどね、何故か呼びにいけないんだ。足も動くし手も動く。ただ部屋のドアを開けてすぐ近くの部屋で寝てる母親を起こしにいけばいいだけなのにそれができない。意味がわからないと思われてるだろうけど、どうやって母親を呼びにいけばいいか解らないんだ。
仕方ないから大声を出そうと思ったんだ。けど、声は出るのに助けは呼べない。
「あー・・・」とか「うーん・・・」とか、そんな言葉しか出せない。どうやって「かあさん来て!!」って言ったらいいのかわからないんだ。
もうそのころにはほとんど恐慌状態で、部屋のなかを「あー」とか「うー」とか唸りながらノロノロいったりきたりして、最後はベッドに倒れこんで気を失ってた。
最後に、鎌田の顔の焦げたおんなが僕の首を絞めてたとか、そういうオチはないよ。ただね、本当に怖かったんだ。自分が自分じゃなくなりそうって感じかな?我を失うほど怖い思いしたってのはこれが初めてだったかもしれないな。
翌日、普通に朝起きて普通に仕事に行った。母親に夢の事を話そうかと思ったけど、やめた。僕の血筋に関する事を聞くとろくな話は返ってこないだろうと思ったから。
ここで僕が死ぬなり発狂するなりしてればちょっとした怪談にはなったと思うけど、結局オチらしいオチはないし、オチをつけたらそれは完全な作り話になる。強いて言えばその後春なのにインフルエンザっぽいのになったくらいかな?ただ、心底怖かった。
さて、投稿怪談にしては長くなってしまったかもだけどこの話はこれでおしまい。
少しは面白くしなきゃって思ってちょっと脚色加えたけど、85%は実話だよ。もしかしたら霊的とかそういうのでなくて、心身の問題からくる体験だったのかもしれないな。そっちのがやばいか。僕の母の家系はだいたい頭やられてるしね。
もしも、自分の体が意志の通りに動かせないって体験をした人がいたらそっと教えてください。その後脳梗塞で倒れました!とかそんなのがったら病院行っとかなきゃだからね。
それじゃあ、失礼しました。おつかれさま。
男の子の市松人形
名無しさん私がオカルト的なものに本格的に興味を持つようになったきっかけの話です。
4年前、大学3年の12月の半ば。
院進学で就活もなく、講義もほぼ取り終わりやることもなく、翌週に実家に帰る予定でダラダラと夕方からテレビを観てた。
コタツで夕飯を食べながらなんでも鑑定団を観ていたらとある人形が出てきた。
その人形は高さ50-60cmの男の子の市松人形。
青い着物を脱がすとおち◯ちんが付いてるのが特徴の人形だった。
その人形を見た瞬間、私はど田舎の実家の物置になった部屋にあるガラス箱に入れられた人形を思い出した。
実家にある人形は鑑定されている人形と同じく50-60cmの市松人形で全く同じ顔。
しかし男の子ではなく、赤い着物を着た女の子だった。
祖母に聞いた話だと、その人形は11人兄弟の長男だった祖父の末っ子の妹が産まれたお祝いに曽祖父が購入したものらしかった。
ちなみに祖父は私が3歳の時に亡くなり、その大叔母は10年ほど前に難病で亡くなっている。
「あの人形、大人になった今でも気持ち悪いからなぁ」とか、「あんな人形がテレビに出るほどのもんなのか?」とか考えながらも食い入るように観ていた。
結局、テレビではその人形に60万円くらいの鑑定額がつけられ、会場も盛り上がっていた。
鑑定額が出た後に鑑定士の先生がこの手の人形について解説していた。
その特徴が以下のようなものだった。
・昭和初期までに女の子のために作られた人形
・性教育も兼ねて性器が付いている
・女の子版もある
・お腹を押すと「きゅー」と音が鳴る。
これが特徴で、特にお腹を押すと音が鳴るのが値段が高いものの条件だった。
私は60万もするお宝が実家にあるのかもしれないという可能性に興奮し、すぐに実家の母に電話した。
人形に60万円の値段がついたことを話し、お腹が鳴るか知ってるかと聞いたが、少なくとも祖母が嫁入りした60年前から誰も触ってすらいないらしく、家族は誰も知らなかった。
確認してよと言っても、「あの人形、気持ち悪いからやだ」と一蹴され「今度帰ってきたら自分で確認すればいい」と言われてその場は終わってしまった。
人形は物置に埋もれすぎて、取り出す気力も起きないレベルであり「面倒くさいなぁ」と思いつつも大金がかかっているので妙にやる気はあった。
そして、そんな話も忘れかけていた実家に帰る前の晩に夢を見た。
5歳くらいの私は廊下のガラス戸から夕日が差し込む部屋にいた。
「◯◯くんもこっちおいでー」
廊下から女性に呼ばれ廊下に行くとそこには25-35歳くらいの見たことないお姉さんが2人座っていた。
2人の内の1人があの人形を抱えていた。
人形を持つ女性の方を向いて2人の間に座った。
反対側の女性が「この人形お腹を押すと音が鳴るんだよねー」と言うと、手を伸ばしお腹を押した。
「きゅー」
そこで目を覚ました。
「きっとテレビであんなのを観たし、実家に帰る前だからこんな夢を見たんだろうな」と思いつつ朝だから起き、準備をして実家に帰った。
夜に実家に着くと私以外の家族(祖母、両親、姉、兄、妹)はみんな揃っており、すぐに夕飯になった。
夕飯の焼肉を食べながら鑑定団と人形について話をしてた。
姉「あの人形お腹を押すと「きゅー」って鳴るよねー」
姉の発言に固まった。
誰も物置に埋もれてる人形に触っていないはずである。
私「なんで知ってるの?遊んだことあるの?」
姉「あんまり覚えてないけど小さい時に誰かは知らないけどお姉さんたちと遊んだ時に押したらな鳴った気がする」
私「えっ?」
ゾッとした。
私「それって表側の廊下(家には表と裏側に廊下がある)で夕方にお姉さんが2人だった?」
姉「そうだけど、あんた産まれてたっけ?」
私「今日の朝夢で見た。姉ちゃんの話と全く同じだと思う」
お姉さんたちの特徴(人形持ってる方は肩くらいまでのストレートヘア、もう1人は肩より長いパーマがかかった髪)も夢と一致していた。
祖母も両親にお姉さんたちに心当たりはあるかと聞いても親戚や近所にそんな特徴な人はいなく、そもそも親戚にも家に来るような近所の人にもそのくらいの年齢の女性はいないとのことで全く分からなかった。
姉は霊感が強いらしく小さい頃から度々そういうものを見ていたこともあり、家族全員が本格的に怯えてしまい、高校生だった妹は泣き出してしまった。
人形の話はそこで終わってしまい、その後はタブーのようになってしまっている。
去年、姉と2人で会う機会があり人形の話になったが、姉は小学生の時から音が鳴るのは知っているらしく、少なくとも最近見た夢ではないとのこと。
結局オチも何もない人形の話でした。
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