俺の最寄り駅は自殺名所に繋がっている

名無しさん

詳しく名前出したらやばいだろうからぼかすけど、やたら遅延が多い線の始発駅が俺の最寄り駅だ。
ネットで有名な自殺の名所を通ると言えばある程度分かっちゃうだろうが。まあ、人身事故以外の理由でもちょくちょく止まってんだけど。

毎朝一時間以上かけて職場まで行くんだが始発駅なもんで、どんなにホームに人が並んでいても大抵座席が確保できる。
信号のトラブルや人身事故で途中電車が止まってしまった時なんかはぎゅうぎゅう詰めになって立って堪えてる人たちを気の毒に思いながら、どれ程通勤時間が長くても始発以外に住むものかと思う。
で、その自殺の名所になってしまった駅にはあまり用事も無く二度ほどしか降りたことないけど、色々怪談めいた話はあるらしいな。

「腕知りませんか」「足どこですか」と這いながら時折尋ねるように人の顔を覗き込むぐちゃぐちゃのスーツの男を見たとか、
ホームで足の裏にぐにゅっとした感触があったから犬の糞踏んだと思ったが家に帰って確かめてみたら肉片だったとか、
あの駅にカラスが多いのはたまに肉片のおこぼれに与ることができるからだ、とか。

カラスの話は実際他の駅よりもカラスが多いような印象があるのであのカラスの群れの中の何羽かが人の肉の味を覚えていたらと思うとぞっとする。
まあ、自殺の名所っていうくらいだからそういう話があってもおかしくないんだが、俺が一番怖いのは特に自殺の噂を聞いたことない俺の最寄り駅にも幽霊が出るってことだ。
この駅の「腕知りませんか」と同一人物? 同一人霊? かは知らないが似ていた気がする。

俺がそれに遭ったのは自殺名所の怪談を聞く前だったけど。

その日は所用で早めに出なきゃいけなくなって早朝四時半ごろに駅のホームに着いたんだが、さすがにそんな早くにはホームも人はまばらだった。
黄色の線すれすれでぼーっと電車を待ってたら、ぐっと足首が重くなった。
俺、半分寝ぼけてたんで
「ごみでも張り付いたかー?」
ともう片方のつま先で何気なくガシガシ足首あたりをこすったんだけど、重みは薄れないし、何だか変だぞ? と気づいた。

足元を見たら紺色の背中と白い袖が見えた。
「えっ」と思って二度見したら何にも無かったんだけど。
そもそも今足首に感じてる重みが掴まれているような感触なことに気づいたら急にサーっと頭が冷えた。

その時そろそろ電車が来るってアナウンスが聴こえて、向こうから電車が近づいてるのが見えた。
ごうごう音を立てて電車が近づいてる中ではっきり

「私を知りませんか」

という声に続いて

「○○(俺の名前)を知りませんか」

という声が聞こえて、その瞬間背中をぐりっと押された。
前に倒れそうになったがすぐそこに電車の頭が迫っていたんで慌ててのけぞり、その勢いのまま尻餅をついてしまった。
思わず「おわああ」みたいな声が出してた覚えがある。
周りの人はそんな俺を不審なものを見るような目で観察していて、怖いやら恥ずかしいやら、どうして良いか分からず急いで到着した電車に乗り込んだ。

いつもよりガラガラの車内だったから楽に座れたけど、さっき俺のことを見てた人らが同じ車両に居るから気まずかったわ……。

あれが一体何だったのかとか考えて頭ん中がぐるぐるしている内にいつもの職場前の駅に無事着いて、その日の業務を終えた後に気の合う三人の職場仲間と軽く一杯飲んだ。
上司も居ない気の合う同僚のみの飲み会だったせいか、酒で気が緩みその日の朝にこんなことがあったと話したら、
「お前そこまで精神参ってんの?」「やべーな、こええ」
みたいな感じで二人は聞いてたが、その中の一人が最寄り駅が自殺名所で上に書いた「知りませんか」の幽霊や、靴裏の肉片や、カラスの話を聞かせてくれやがった。
朝にこんな経験してきた後だからぶっちゃけえぐくてたまらなかったが場は盛り上がっていやがった。
こいつら俺の気も知らないでと思いながら飲んでその日はぐでんぐでんになって、また最寄り駅に帰った頃にまたあいつが出たらどうしようと思ったらスッと酔いが醒めたが特に何も起こらず帰宅。

それ以来、幸いなことにあの早朝に起きたようなことには今まで出会わずに住んでいる。
乗り換え無しに電車一本で三十分ほど行けば俺の最寄り駅は自殺名所へと繋がっている。

あれから色々考えてみた。
もしかしたら、名所の駅に居る霊は生前俺の最寄り駅からあの場所へ死にに向かったんじゃないか、とか
それとも生前この駅とは無関係で、執念とか怨霊とか、そういうものが線路をじわじわ辿ってここまでやって来たんじゃ、とか。

もし後者なら他の駅でも似たような話があるんじゃないかと思うが、ググってみてもよくわからん。
それに、自殺名所の駅の霊は男の霊らしいがあの朝俺が聞いた声は女の声だったんだよな……何だったんだ本当に。





霊感主婦さんの精進折函

名無しさん

霊感主婦です。
今回は私の花も恥じらう新婚時代の怪異です。

-1-

私の旦那様は全く幽霊とか無縁な呑気なタイプです。
新居を構え人並みに幸せに暮らし始めた春先に1週間ほど金縛りが続きました。

最初は丑三つ時にあり、4日目からは昼間にもおきてしまい、一日に数回遭遇。
実家では、金縛り遭遇時は家中に大勢の人の気配やら音がして馴れていましたが、新居はかなり注意して選んだのに〰!
本心、ガッカリしていました。

六日目、昼食後に具合が悪くなりソファーに横たわった直後に金縛り。
玄関前に五六人の人の気配。
『ここだな』『間違いない』『中に入れない』『破れ、破れ』などと話し声が聞こえました。
体調が戻らず頭痛が続きました。
主人が帰宅しても話せるはずもなく、黙っていましたが、その夜中にも金縛り。流石にいくら鈍い主人も、私の体調不良に気付きました。

翌日の日曜の夜、丑三つ時に金縛り。しかし、今度は最も不思議な事が起こりました。
金縛りにあっている私を旦那様が観察していたんです。
旦那様の隣に寝ている私の体に何かの空気のようなものが繭みたいに纏いついていたのを『みた』らしいのです。
そして、何気なく反対側のベランダ側(カーテンしまってます)の壁と床の境目に見たこともない黒い粘着性のブニョっとしたモノがいたと。
ソイツは目も鼻も口もないのに、旦那様に向かって喋ったそうです。

『そのオンナどけろ!そいつが邪魔だ、何もできない!どけないかぁぁぁ〰!』

旦那様は驚いて私を抱きかかえたので、私は目を覚まして事の顛末を聞かされました。
私は仕方なく、霊感持ちである事を白状しました。
彼は『俺、生まれて初めてホンモノのお化けを見た!』って驚いていましたが、呑気なタイプなのでそれだけでした。

彼が見た黒い粘着性のアレは、彼に何かの関わりがあるモノなのかな?って思っています。
新婚1週間で旦那様に霊感がバレてしまいました。残念。

-2-

前回、新婚の旦那様に霊感バレてしまいましたが、割りと忘れてくれていました。
しかし、彼がドン引きする事件が半年後に起きました。
霊とかではなく、新妻である私にドン引き。

それは秋から冬になる頃。
私が長年お世話になった弓の一番偉い師匠が亡くなりました。
私は下っ端の弟子なので通夜、告別式の受付に入りました。

早い時間から会場のお寺に入りました。
大会場を使用させてもらいましたが、小さな会場ではひっそりとした家族葬。
気の毒なくらい泣きはらした中学生くらいの娘さん、息子さんがいました。
私と同年代の女性の葬式。つい、うっかり見詰めてしまいました。

祭壇から白いモヤ?霧のような何かが立ち上るのを見て慌てて目をそらしましたが遅かった。

帰宅後、怪異がありました。
私は手早く入浴し、主人も明日早いため日付の変わる頃には就寝。
しかし、私は床に入るなり金縛り♪
全身が中空に漂う感覚。
頭の中で光明真言を唱えるばかり。
遠ざかる意識、一瞬誰か女性の声をききました。

『なんで私なの?』『死にたくない~』

大変だったのは、起きてスポーツ新聞みていた旦那でした。
玄関のドアをノックする微かな音。
それが暫く続いたら、音は家の中へ。エントランスからダイニングへ足音がパタパタパタパタ。
寝室の前で止まる。

旦那の隣の布団の新妻(私)が
『がぅ~ぐるる!うぉお!』(金縛り中は記憶なし)
猛獣みたいに唸ったそうです。
足音が近付くと私が唸る、この繰り返しがほぼ一時間。
最後は私が四つん這いで這いずって寝室のドアに吠えたらしいです。
『がお~』
あまりのことに旦那様が私の足首を掴み、私は覚醒。
事の顛末を聞かされました。

旦那様曰く、『お化けは、音だけで怖くなかったけど、お前はエクソシストの映画みたいですっげー怖い。』(ナニブン意識なし記憶なし、許されい。)
ドン引きされましたが、離婚ほどには至らず。
呑気な旦那様は『お化けは結構そこいらにいるもんなんだなぁ』『意外にお前は強いのか。?お化けとお前は闘って勝つんだなぁ』などと宣ってましたわ。

勝ちも負けもしてないけどね。
前途多難な結婚生活となりました。





弟が見た黒い着物の女性

名無しさん

5年前のゴールデンウィークのことです。

父が亡くなって四十九日が過ぎたので、父の実家へ母と二人で向かいました。
父の実家は東海地方の山間にあり、山の斜面がすぐ家の後ろまで迫っているところに位置しています。

家に到着すると、すでに親戚一同が揃っていました。
四十九日はつつがなく終わりました。
私は暇だったので、当時小学5年生だった従弟を連れて、散歩をすることにしました。

家の裏には、斜面へ作られた墓地へと続く小道があります。さらにその小道は山の中へ分け入っていき、最終的には山の中腹へ続く小さなお堂へ通じていたように思います。
小さいとき、父が一度だけ連れて行ってくれただけなので、記憶は定かではありません。
従弟とその山道を歩いていると、道の真ん中にたけのこが生えているのを見つけました。
先端が出ているだけで、ちょうど食べごろでした。
我々はスコップを取りに家に戻り、たけのこを掘り始めました。
すると突然従弟が、
「なあ、あそこに誰かおる」と言い出しました。

家は県道に面しており、日中はそこそこ交通量もありますし、川を挟んだ対岸にも民家が点在しています。
「そら誰かおるやろ」と私は答え、掘り続けました。
従弟はなおも腑に落ちない様子でしたが、それ以上何も言いませんでした。

掘り終わってたけのこを持ち帰りました。
しばらくすると、また従弟がおかしなことを言い出しました。

「なあ、さっき誰かおったやんな? 黒い着物来た女の人。お墓のとこ」
「そんなんおらんかったぞ。見間違いやろ?」

否定しながらも、鳥肌が立つのがわかりました。

「いやおったって」従弟が紙と鉛筆を手に取ると、絵を描き始めました。
「ほれ、こんな人」
私はその絵を見て絶句しました。

そこにはぼろぼろの黒い着物をまとった女性が描かれていました。

従弟は小学5年生です。
とても小学生が短時間で描いたとは思えないような精緻な絵でした。

着物の裾はぼろぼろにすりきれており、袖先からのぞく指先はすりむけて痛々しい。
だいたいたけのこを掘っていた地点から墓地までは近いと言っても、指先や着物の裾が細かに見えるほど近くはありません。
そこへ叔母がやってきて、そこまで言うなら見に行こうと言い出しました。
私と従弟、叔母の三人で墓地が見える地点まで行きました。

「ほら、おる!」

従弟が叫びました。
彼が指さす先には大き目の墓石が立っているだけで、なにも見えません。
そのとき叔母が、

「あぁ!!! おばあさんやん! 久しぶりやなぁ!」

私は全身が硬直して動けませんでした。
彼らはなにもない空間を指さして話していました。

とても嘘をついているようには見えませんでした。
叔母によると、彼らが見たのは私の曾祖母だそうです。


数十年前に、お骨を家の裏の墓地から別の霊園へ移したとのことですが、やはり家が見渡せる裏の墓地に留まりたかったのでしょうか。
四十九日でたまたま家にいた神官さまに聞くと、「そんなん気にせんでええ。みんなが集まっとるで、どうしたのか気になって出てきたんやろ」とのことでした。
念のため3人で墓前まで行き、お騒がせしたことを謝罪しました。

会食のあと、我々は解散しました。
親戚が近くの駅まで送ってくれました。
この街は国道から山一つ越えたところにあるのですが、市街地と国道を短いトンネルが結んでいます。


すごいことを経験してしまった、と考えに耽りながらトンネルをの壁を眺めていると、歩道に体育座りしている子どもがいました・・・・・・・・・。
定かではありませんが、着物を着ていたように見えました。
見間違いかと思って振り返りましたが、もう遠く過ぎ去って確認できませんでした。

それにしても従弟の霊感には驚愕しました。



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