710: 本当にあった怖い名無し 2019/06/04(火) 22:55:55.43 ID:l06d/AwL0
石じじいの話です。

短いメモです。
じじいの故郷は、戦国時代には要衝の地でした。
現在の県外から攻めてくる戦国大名を迎撃するための山城がたくさんありました。
その城は小さなものでしたが、小山の上に設けられていました。
昔は、その頂上付近で、古銭や鎧の一部、陶器、刀の一部などが見つかったそうです。
私も、山城だったと言われる山のいくつかに登りましたが、古銭を見つけたことがあります。
現在では、大きな樹木が茂っており、跡形もありません。
わずかに石積みの跡が残っている場所もあるようですが。
迎撃に戦功をあげた、その土地の土着の戦国武将について伝記を書いた人物がいました。
その人物も武士だったそうですが、「前世の業にひかれ、人にきらわれる病」を得て、深い谷に隠遁して、その伝記を書き上げたとか。
山城跡に行くと、祟りを受けて、そこで死んだ武士が家までやってくるぞ!というおきまりの脅し話がありました。
じじいが、山城で集めたボロボロに錆びた刀の鍔や帷子を見せてくれたことがあります。

711: 本当にあった怖い名無し 2019/06/04(火) 22:56:24.94 ID:l06d/AwL0
石じじいの話です。

メモが断片的ですが、こんな話もありました。
じじいが北海道で知り合った人が話してくれたとか。
犬を連れて猟に行った時、その人はヒグマに遭遇しました。
その時、連れていた犬が、一声、鋭く長く鳴いてそのグマに飛びかかりました。
そのすきに、彼は猟銃に弾を込めて発砲したのです。
クマは、怯んで逃げ去りましたが、犬はクマとのたたかいで重傷を負っており、すぐに絶命しました。
その人は、「死ぬことを覚悟した犬の鳴き声」というものを聞いたと話していました。
そして、米軍による室蘭艦砲射撃の時、自分の肉親を助けるために着弾場所に飛び込んで行く人があげた叫び声を思い出したと、語ったそうです。
死を覚悟したものの発する声。

728: 本当にあった怖い名無し 2019/06/12(水) 23:05:46.40 ID:9wfdyvFV0
石じじいの話です。

ある人が話してくれたそうです。
その人は、まあまあの大きさの商家に生まれました。
彼の母親は非常に厳しいひどだったそうです。
礼儀作法を厳しく躾けられました。
農繁期になると、そのあたりの農家に預けられて農作業もさせられました。
自分のうちは農家でもないのに。
まるで他人のような、まったく母親としてのやさしさを見せない母親に対して、子供心に失望感や嫌悪感が生まれたそうです。
学校のことについては、ほとんど無関心。
お小遣いもくれず、欲しいものも買ってもらえない。
子供の世界で、彼は肩身の狭い思いをしたそうです。
彼は、学校を卒業するとすぐに別の大きな商家に奉公に出されました。
一年に一度、実家に帰りましたが、邪魔者扱いされて、すぐに母親に追い返されたそうです。
厳しい奉公でしたが、それで鍛えられて、いっぱしの商人になれたのです。
奉公の期間中に父親が亡くなりましたが母親は彼を呼び戻すことなく、若い男を新たに店員として雇って昔からの使用人とあわせて三人で店を切り盛りしたそうです。
このため、彼は、自分の母親が父親とは別に「男」を作っていたのではないか?
そのために、邪魔な自分を追い出したのではないか?
と思い悩んだそうです。
ある正月、実家に戻っていた彼が奉公先に戻って二日して、母親の死が伝えられました。
いつもどおりの、愛情のない母親との正月だったが、二日前のその時が母親と過ごした最後だったのか、と思いましたが、別に悲しさはなかったそうです。
そして、彼は実家の商店を継ぎました。
じじいにこの話をしてくれたとき、彼は非常に裕福で、自分の事業を拡大しておおいに成功していました。。
「おかあさんが良かれと思うて、あんたをそがいにきびしゅう育てたんかのう?おかあさんの本心はわからんかったんかな?」
じじいは尋ねましたが、彼は、答えたそうです。
「いや、わからん。まったくわからんのです。わしを愛して、親として厳しゅう育てたんか?それか、ほんとうに好いてもろうとらんかったんか?」
「臨終を看とれんかったし、書いたもんも残してくれんかったけん、母親の気持ちはわからんのです。」
「そやけど、いつも、墓参りのときにはおかあちゃんに甘えるんです。」

715: 本当にあった怖い名無し 2019/06/07(金) 07:30:57.22 ID:1vLY8zfO0
石じじいの話は不思議で切なくて懐かしい。


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