35: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:28
私の弟が大学時代に体験した話しです。
長くなりますので長文苦手な方はスルーして下さい。

弟が大学2年の夏休み前、友人のKがウマ~なバイトを
見つけて来たそうです。
バイト内容は崖の上から眺める海が美しいことで有名な観光名所で
自殺が多いことから監視員をするというものです。
8月からの1カ月間で住込3食着で人数は何人でも良く50万円。
ただし、仕事期間を全て終了しなければ
報酬は支払われない条件だったそうです。
Kと弟は25万ずつ山分けしようと2人で引き受けることにしました。

36: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:30
初日、観光協会の方に連れられ仕事の詳しい説明がありました。
崖の上には展望台とちょっとした広場があり、
広場には平屋の管理事務所がありました。
管理事務所に入ると床に跳ね上げ式ドアと言うのでしょうか?
床にドアがあり、ドアを開けると階段があり階段を下りると
8畳ほどの休憩室がありました。ここで寝止まりするそうです。
畳の部屋でテレビ、冷蔵庫、電気コンロなど生活用品は揃っていましたが、
電話だけは観光協会に通じる内線だけだったそうです。
管理事務所にある電話はゼロ発信で外線も使えました。
部屋にはドアがあり、2畳ほどの廊下に続いていて
廊下のドアを開けると階段があり階段の下は海でした。
つまり、崖の下は海水が流れ込む洞窟になっていて
その上から崖をくり抜いた形で建物がある状態です。

37: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:31
午前9時から午後5時までは観光協会の方が管理事務所に居るので
その間は睡眠を取るなり出かけたりと自由な時間で
それ以外の時間が勤務時間だそうです。
勤務時間と言ってもほとんど部屋で待機している状態で
歩いて10分程度のところに観光協会事務所があり、
シーズン中の観光協会事務所は24時間体制でした。
旅館、ホテルから観光協会の方へ匂わす宿泊客が居る。
夜になっても戻って来ない人が居るなどの連絡があった時は
内線で連絡があり管理事務所で監視体制に入るそうですが
無い場合はほとんど部屋でやりたい放題。
観光協会の方もビールや海産物の差入れを持って来てくれたり、
退屈だろうとビデオを設置してくれて、交替の時には
新しいエロビデオを置いて行ってくれる。
雰囲気バツグンなところを除けばこんなにウマ~な仕事は無いと
Kと二人でお祭りだったそうです。

38: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:32
3日ほど過ぎた頃、初の内線電話があり
20代後半ぐらいの女性が行ってる可能性があるとのこと。
Kと二人で見回ると展望台にあるベンチに
それらしき女性が座っていて説得して事務所に連れて行き
観光協会に連絡すると車の迎えが来て女性は連れて行かれました。
Kと弟は初仕事で人の命を救ったと部屋で盛りあがっていると
ドアの外からゴツーン、ゴツーンという音がして来ました。
音はずっと続いていましたが、流木かゴミが流れ着いて
階段にぶつかっているのだろうと気にもせず、
翌日の交替になりました。
報告で音がしていたことを告げると観光協会の方が
「今年もシーズンが来たか・・・」
そう言うと二人を連れて階段を下りて行ったのです。
ゴツーン、ゴツーンという音が階段に響いています。
何か黒い塊のようなものが波に揺られて階段にぶつかり
その音となっています。
水死体でした。
すぐに警察が来て引き上げられた死体は
魚に食い荒らされてほとんど白骨状態で
頭蓋骨部分が階段に当り、不気味な音を立てていたのです。

39: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:41
8月に入ると潮の流れが変わり、洞窟内に死体が流れ着くそうです。
潮の流れが変わっているシーズン中に飛び込めば
すぐに洞窟に流れ着くそうですが、
シーズン以外に飛び込むと死体は沖に流され
潮の流れが変わるまで死体は戻って来ません。
流れが変わると危険なので洞窟内からの死体撤収作業が出来ないため
上から行う。つまりこの作業のために崖をくり抜いて
洞窟に続くような形で建物があったわけです。
観光客が多いシーズンでもあり、死体が上がったとなると
大変な騒ぎにもなるため、秘密の作業所、霊安室でもあったのです。
休憩室と階段の間にある2畳ほどの廊下に死体を引き上げ安置し、
観光客がいなくなる時間になると死体を運び出すそうです。

40: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:42
自殺志願者を監視する仕事はタテマエでした。
本当の仕事は流れ着いた死体を監視することだったのです。
死体はほとんど、夜中に流れ着きます。
発見したらすぐに観光協会に連絡し、警察が来て
夜中の内に引き上げられるようにする。
二人は死体引き上げ作業や運び出す作業には関わらないものの
観光客が来る時間帯に発見されれば
二人が寝止まりする隣に死体が安置されるわけです。

1カ月で50万なんてウマすぎると思った。
給料は無しになるけれど、まだ始めて3日だし
今なら帰って地元で別のバイトを探せる。
そう思ったものの、恐さより50万の方が魅力的だった二人は
自由時間は近づかない、出来るだけ上の管理事務所で過ごす。
それで乗り切ろうとしたのが間違いでした。

42: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:43
交替時間になり、二人は休憩室へ行かず
管理事務所で過ごしていましたが、2時間置きに
流着していないか見に行かなくてはなりません。
死体が流れ着くことも無く平穏に3日ほど過ぎたときです。
その夜も休憩室へは行かず管理事務所で過ごしていました。
Kが、「あの女、自殺志願者じゃないか?」
展望台のライトの下にTシャツとジーンズという服装の
若い女性が立っていました。
Kと共に懐中電灯を持って事務所を出ると
女性は海を背にして帰って行く姿が見えたので
管理事務所に引き帰しました。
戻るといきなり下の休憩室に続く跳ね上げ式ドアから
ドンドンと叩くような音が聞こえたそうです。
驚いて腰が抜けそうになったそうですが
休憩室のドアが開いていて風が吹き込んでいる風圧じゃないか?
Kの言うことに一理あると二人で行ってみたそうです。

43: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:45
やはりKの言う通り、ドアが開いていてそこから風が吹き込んでいました。
ドアを閉めようとドアから階下を覗くと
白っぽいものが流れ着いていました。「来たよ・・・」
すぐに連絡すると10分もしないうちに警察が来て
死体を引き上げました。
Tシャツにジーンズ・・・服装からして先ほどの女性だと直感しました。
けれども髪の長さから多分女性だと判別するものの
衣服の中身はぶくぶくに膨れ上がり原型を留めていなかったそうです。
Kが我に帰って言ったそうです。
「俺、確かにドアを閉めてかんぬきも掛けたんだよ。」

44: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:48
恐怖はそれだけでは治まりませんでした。
二人は次の日から交代に入ったと同時に階下へ行き、
ドアをしっかりと閉めかんぬきを掛けて一目散に管理事務所に戻る。
これが日課になりました。
エロビデオで酒盛りだったのが恐怖の時間に変わったのです。
ドンドンと跳ね上げ式ドアから音がする。
ドアが開いている死体が流れ着いている。
音がしない日はドアも閉まっていて死体は流れ着かない。
ドンドンと音がする日は女性の死体。
ガツーン、ガツーンと音がする日は男性の死体。
二人は食欲も無くなり不眠症にもなり勤務時間以外は
ほとんどボ~っとして街中にある公園で過ごすようになり、
2週間も過ぎると限界が来てついに辞める決心をしました。

「もうあの管理事務所には行けない。」
二人で観光協会に泣きつくと
100万にするから続けられないかと説得されたそうですが
この時は100万より恐怖の方が勝ったようでガンとして
断ったそうです。
本当は無報酬なのですが、交通費と10万ずつ頂いたそうです。
ゲッソリ痩せて青ざめた顔をして帰って来た弟を見た時、
ビックリして何があったのか問い詰めましたが
ずっと沈黙を守ったままでした。
それから社会人になった今でもKとは親友同士で
Kは良く我家へ遊びに来ます。
3年ほど前、Kが我家の鍋パーティーに来た時、
弟と共に思い口を割り話してくれた話です。
Kによると何かの恐い話し系の本に同じような話しが
掲載されていたそうです。
ご存知の方いらっしゃいますか?

41: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:43
35の観光地って、平山夢明の「怖い本(確か3)」に載っている
とある話の場所と酷似しているんだけど同じ場所かな。

46: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 05:54
41だけど、ハルキ文庫から出てる本だよ。
良かったら読んでみてね。本ではたった一人でそのバイトを
やって、とんでもない目に遭ってたけど
二人ならまだ良かったね。良くないけど。
絶対に同じ場所だよ。作者に手紙書いてみたら。

52: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 08:35
大学受験のために東京に出て来た時、
既に東京の大学に通っていて一人暮しをしている
従姉妹の部屋へ泊めてもらうことにしました。
部屋は交通量の激しい道路に面したマンションの3階で
ちょうど窓の下あたりになる場所で道路工事をしていて
交通量が少なくなる夜になると工事が始まっていたそうです。
従姉妹はバリバリの女子大生を満喫しており、
帰って来るのは夜中。
友だちは先にベッドに入っていました。
うとうとしかけた頃、人の気配を感じて目を開けると
部屋の隅に交通整理の光る棒を持って黄色いヘルメットを被った
警備員男性が立っていたそうです。
驚いて起き上がると男性と目が合ってしまい、
それに気づいた男性は光る棒を振回しながら
無表情で友だちに近づいて来たそうです。
クルクル回る赤い光が目の前に来た時、
必死の思いで布団を頭から被りチビリそうになっていると
従姉妹が帰って来てドアを開けたと同時に
「今、エライもん見ちゃったよ。下で工事やってるじゃない?
片側通行で交通整理している警備員さんがランプ振り回して
止めようとしたのに暴走車が突っ込んで来て
警備員さんを跳ねたんだって。
ちょうど救急車に乗せられているところを見ちゃった。」
興奮して話していたそうです。

跳ねられた警備員さんの生死は分からなかったそうですが、
亡くなった瞬間に魂が抜けて亡くなったことに気づかず
最後の仕事を続けていたのか
生きてはいるものの、事故の瞬間のショックで
強い念みたいなものが発生し、残像となって現われたのか
いずれにしても現われた警備員さんは
肉体を持った「人」では無かったようです。

65: 1/2 03/04/19 11:05
幼い日、何てことなく通り過ぎた出来事。その記憶。
後になって当時の印象とはまた違う別の意味に気付き、ぞっとする。
そんなことがしばしばある。

例えば。
小学生の頃、通学に使っていた道は一面田圃の田舎道だった。
途中に寂れたマネキン工場があり、あとはそのずっと先に駄菓子屋が一軒。
人家は田圃の向こうに点在するのが見えるだけ。
マネキン工場は既に廃工場だったらしく、人が働いている姿を見た記憶が無い。
封鎖された敷地の隅にはバラバラになったマネキンの残骸が積んであり、
それが金網越しに見える。その様は面白くもあり、不気味でもあった。
工場の敷地を幅が広い側溝が取り囲んでいて、酷い悪臭を放っている。
濁り、ヘドロ状になった水。無造作に捨てられた大量のゴミ。
ある日寄り道をして、いつもは行かない工場の裏手に回ってみた。
側溝の惨い有様は道路側をはるかに上回っている。
そこで、ゴミに混じって半身を浮かせた女性のマネキンを見つけた。
白く整ったその顔立ちは掃き溜めに鶴といった風情。
引き上げて友達連中が集まる溜まり場に持って行けばヒーローになれる、
とは思ったが、水が余りに汚いし場所も遠いので諦めた。
他の奴がヒーローになったら嫌なので、この発見は誰にも教えずじまい。
それからしばらくは、その人形の様子を確認しに行くのが日課となった。
けれど、哀しいことに彼女が日に日に朽ちて行くのが分かる。

66: 2/2 03/04/19 11:07
数日も経つと白い肌は薄汚れて変色し、見る影も無くなって来た。
やがて、豊かな頭髪は抜け落ちてまばらに。
艶を失った肌は黒くぼこぼこ。鼠に齧られたらしき痕すら見える。
諸行無常。最早すっかり興味を失った。
最後に見た時には、水面を覆い尽くすゴミに埋もれて、
透明度ゼロの汚水に大部分が沈んでしまっていた。
かろうじて水面に覗いた部分も、水を吸って醜く膨らんでいる。
それはもう、ただのゴミだった。

けっこう日が過ぎてからもう一度見に行った。
けれど、もう、彼女の姿はそこには無かった。
やがて小学校を卒業すると、その道を通ることすら無くなった。


高校3年の夏休み。気まぐれに思い出の場所を自転車で回った。
あの場所にも行った。景色は一変している。
田は潰されて住宅が立ち並び、工場跡は駐車場になっている。
マネキンのことを思いだし、感慨に耽る。
ふと気付いた。怖い考え。
プラスチックがあんな朽ち方をするだろうか?
既にグロ画像を多数目にしている自分。
そこで得た知識ゆえに嫌な考えを振り払えなくなった。
あれは人が腐敗して行く過程そのものだったのでは・・・?


本当の事はもう分からない。
ただ、懐かしい思い出だったものは、今では
見知った人には話せない忌まわしい記憶になっている。


68: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 11:38
>>65
もう工場自体無くなったの?
まだあるなら骨だけでも拾いに逝っちゃえ!

74: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/04/19 11:51
>>68
工場は無くなって側溝も埋め立てられちゃってるよ。
もうその辺り一帯は駐車場。
ただ、死体が出たという話は聞いてないし・・・。
でも、それは自分が知らないだけかもしれないし、
いきなり埋めたんで誰にも気付かれなかったのかもしれない。
とりあえずただのマネキンだったと思いたい。
何か確かめるのもイヤだ。
曖昧なままの方がなんぼかマシ。


     Comment (6)

      • 1. 丑三つ時の名無しさん
      • 2019年10月20日 13:20
      • 「怖い本」懐かしい
      • 0
      • 2. 丑三つ時の名無しさん
      • 2019年10月20日 13:52
      • 1!
      • 0
      • 3. 丑三つ時の名無しさん
      • 2019年10月20日 18:07
      • マネキン懐かしいな
        初めて読んだ時は結構怖かった
      • 0
      • 4. 丑三つ時の名無しさん
      • 2019年10月20日 23:28
      • 自分もどっかで読んだ話だと思った。
        「超」怖い話懐かしいなぁ。多分、東◯坊がモデルの話だよね
      • 0
      • 5. 名無しさん
      • 2019年10月21日 07:58
      • 創作にマジレスしてる奴らww
      • 0
      • 6. 丑三つ時の名無しさん
      • 2019年10月21日 13:07
      • 白ちゃん…黒ちゃん…モス男…
      • 0

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