674: 雷鳥一号 03/05/01 02:24
大学時代に、友人から聞いた体験談です。
私の大学は結構な田舎でして、羽を伸ばす所がこれといってありません。そういう事情に加え、学生の多くが車を所有していることもあり、必然と連れ立ってドライブに行くことが遊びの一つになっていました。

その夜も、私の仲間たちは、隣町の峠道まで出かけたそうです。私自身はバイトがあったので参加しませんでした。
別に峠を攻めるわけでもなく、頂上で夜景を楽しみながら一杯飲もうというのが目的だったとか。

峠道や頂上では何もなかったのですが、問題は帰り道のことでした。
自動販売機を見つけた彼らは、飲み物が底をついていたこともあり、缶コーヒーを買うために車を路肩に停めたのです。
その時、少し先の道端に何か置いてあるのに気づきました。

外灯もろくに無く、暗くてよく見えません。近づいてみると、それは花束とジュースの缶でした。「ありゃ」「来る時は目に入らなかったのにね」とりあえず皆で手を合わせておいたそうです。
一人を除いて。

(続く)

675: 雷鳥一号 03/05/01 02:25
(続き)

車が発進した後、中で交わされた会話は――。
「君ら、よくあんな不気味な物の近くに立ってられるな。呆れるわ」
「不気味ってのは非道くないかい?」
「そうそう、花が捧げてあるくらいいいじゃないか」
「花はいいんだよ、花は。俺が言ってるのはランドセルのことだ」
ランドセルだって?
「ほら、花のそばに置いてあっただろう?一つだけポツンと」
「女の子用の赤いのが」

彼以外の者は、誰もそれを見ていなかったのだそうです。

「おい、冗談言うなよ。しっかりと置いてあったじゃないか」
「そっちこそ変なこと言うなよな。他には何もなかったって」
「お前ってそういうのが見える人だったっけか?」
「もし俺が見える人だとしたら、幽霊なんてこの世にいないってことだ」

その場の全員が皆、霊など見たことがない人ばかりでした。
「その俺に見えたんだから、霊関係じゃないって」
「でも」
「そう、でもお前以外のヤツには何も見えなかったじゃないか」

雰囲気が気まずくなり、皆が黙り込んでしまったそうです。
とにかく帰ろうということに意見が一致したので、即行で帰っていつも溜まり場にしている部屋で飲み直そう、とあいなりました。

(続く)

676: 雷鳥一号 03/05/01 02:25
(続き)

この時点では、皆がこのランドセルの話題はこれで終わりだ、そう思っていたのです。
ですが、車が、溜まり場にしているアパートに近づくにつれ、皆元気を取り戻し、年頃の大学生らしくHな話題などで盛り上がっていました。
しかしなぜかドライバーはアパートの駐車場に入らずに、そのまま通り過ぎてしまったのです。

「おいおい、何やってんだよ、お前の家を通り過ぎちゃったぜ」
「・・・ダメだ、ダメだよ、俺ン家じゃダメだ・・・」
「ああ?何言ってんだよ、いったい」
「ランドセルだよ」
「・・・何だって?」
「ランドセル背負った女の子が駐車場にいたんだ」

さすがに皆、冷水を浴びせられたような気がしました。運転手君の話によると、駐車場の一番奥の外灯下に、赤いランドセルを背負ったおかっぱ頭の後姿が、じっと佇んでいたのだそうです。
奇妙なことに、運転手と、先ほどランドセルだけ見た友人は別人でした。
今回ランドセルの女の子が見えたのは、運転手だけなのです。

(続く)

677: 雷鳥一号 03/05/01 02:27
(続き)

「気のせいじゃないのか。今度は俺には何も見えなかったで」
「お前はまだいい。ランドセルだけだったろ。俺は女の子付きなんだ!」
「もう一回、確認してみない?当ても無くウロウロ出来ないし」

そこで引き返して駐車場を覗いてみることにしたのですが・・・。
「・・・ダメ。まだいる。同じ所であっち向いて俯いてる」

やはり、他の友人には見えないのですが、そう言われたら気持ちが悪くて車から降りる気にはなれませんでした。
「仕方ない、狭いけど俺の家に行こうや」
「あ・・・なんか振り向きそう・・・」
「早く車出せ!」

ここから彼らの眠れぬ夜が始まりました。
そう。行く先々でランドセルの女の子が待っていたのです。それも、彼らの内の誰か一人にだけ見えるという奇妙な形で。
彼らの家には一歩も入ることができませんでした。

まだ深夜営業のファミレスが地元にできる前の話です。こんな夜遅くに学生がたむろできる場所などありませんでした。
大学の研究室に行って過ごすか、という案も出たのですが、「もしエレベーターの扉が開いた中に、ランドセルが見えたらどうする?」という一言で行けなくなったそうです。
皆が皆、パニックの一歩手前みたいな状態だったと後で言っていました。

(続く)

678: 雷鳥一号 03/05/01 02:27
(続き)

そんな彼らが最終的に選んだ避難場所は、なんと私の家でした。バイトが終わる時間を見計らって、私を拾いに来たのです。
事情もわからずに「徹夜で麻雀しよう」と強引に家に連れて帰られました。

駐車場の入り口で、しつこく確認されます。
「なあ、お前の家の駐車場、何か変わったモノは見えないか?」
「例えば、赤いランドセルとか・・・」
「???車以外に何もないけど???」
よかったあ、と口々に言いながら皆、私の部屋へ転がり込みました。

トイレがすぐ隣なので、それも彼らにはありがたかったようです。
一人になるのを嫌がっているのが明白なので、さすがに私も不思議に思い、何があったのかを聞きました。

麻雀牌をかき混ぜながら、彼らは私に事情を説明してくれました。
(かなり本気で叩き出してやろうかと思いましたよ、ええ)麻雀しながらも皆が怖がっているのはわかりました。
私も説明を受けてからは、結構ビビっていました。

「お前さんは拝んでいないから、多分大丈夫だと思うんだけど・・・」
多分という言葉が余計です。本当に迷惑です。しかし、赤いランドセルは私の家には姿を現しませんでした。

(続く)

679: 雷鳥一号 03/05/01 02:28
(続き)

夜が明け朝が来ると、皆くたびれ果てて眠ってしまいました。おそらく、精神的に疲れていたのでしょうね。
真面目に学校に行ったのは私だけです。
彼らは、午後からバラバラと授業に出てきました。
日が昇ってようやく家に帰れたのだそうです。

しかし、一人だけ来ない者がいました。
それは最初にランドセルを見た彼でした。
心配しましたが、携帯電話が普及する前なので、連絡がつきません。その日最後のコマが終わると、そいつの部屋に皆で行くことにしました。

部屋に着き呼び鈴を鳴らすと、憔悴した彼の顔が出てきました。学校に行く準備をしている時に、駐車場から見上げるランドセル姿に気付き、外に出られなくなったのだそうです。
今は見えなくなっているが、一人で外に出る気になれないと彼は言いました。
いきなり私たちの内の一人が、奇妙な声を上げました。

その様子から私たちはランドセルの少女がまだここにいることを知ったのです。
皆そのままゆっくりと中を見ずに外に出て、鍵をかけました。車に乗り込んだ後で尋ねると、部屋の隅にランドセルがあるのに突然気付いたとのことでした。私を含め、皆泣きそうになりました。

(続く)

680: 雷鳥一号 03/05/01 02:29
(続き)

しばらくして皆でお払いに行ったらしいのですが、何も憑いていない様子だと言われたのだとか。
彼らはその後もランドセルを度々見ていたのですが、別に害は無かったようで、二ヶ月もすると何も見えなくなったそうです。

果たして、事故に会ったのは本当に小学生女子だったのかも不明です。
もしそうだったなら、なにかを伝えたかったのか、単に寂しかっただけなのか。

可哀相だったのは例の最初に目撃した彼で、かなりの間おどおどしていました。しばらくの間は、通学中の小学生の姿が本気で怖かったそうです。
私は結局、何も見えなかったし、わからなかったのですが。途中から皆のヒステリーじゃないのかとも思いました。
口にこそ出しませんでしたけどね。私の周りで起こった?奇妙で少し怖いお話でした。長文でどうもすいませんでした。

689: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/05/01 03:07
さすがにこの時間に読むと、鳥肌が立つ罠。

811: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/05/01 23:07
オカルトではないが、恐ろしかった話があります。
アレはおととしの冬。A県I市駅前の、マンションの1階のコンビニで缶コーヒーを買いマンションの横手に不法駐車しておいた自分の自転車に腰掛けて、手を温めながら飲んでいた時の事。
「バンッ」という音と同時に、いきなり足を蹴飛ばされて、自転車ごと転倒。全身をを強打。少し気を失っていた様で、ぼんやりと目を開けると、ピンク色が視界に映りました。

次の瞬間、異臭と共に理解したのは、潰れた人が目の前に転がっていると言う事!!血溜まりの中に頭らしき物(頭髪アリ)をを突っ込んで、「ブチュブチュ」って、空気を吹いてるのが、目の前に転がっています。う・・・・眼球が転がっているのが見えます。(見たのは一瞬だと思うのに、全てを鮮やかに思い出せます)あわてて起き上がろうとしたけれど、左半身が動かず、激痛が走り起き上がれません。

目をそらす為に、体を反対向きに転がす事すら出来ません。声を出して助けを呼ぼうにも、囁く様な声しか出ず。
凄い匂いの中、ひたすら目を瞑り、人が来るのを待ちました。

気が付くと病院で、事件のの半日後。飛び降りた人の体の一部が足を掠め、左足骨折&靭帯断絶。ちぎれた体に一部が胸に当たって肋骨骨折&左腕挫傷という診断。

何ヶ月も悪夢にうなされ、鮮やかなピンク色を見ると嘔吐するという後遺症が続く。
あと、匂いのせいで牛肉が食べられなくなり、生肉を直視できるようになるまで、凄く時間がかかった。
それ以来、歩道は道路側を歩くし、自転車も駐輪場に入れておりまする(TT

818: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/05/01 23:40
>>811
こえ~!まじで洒落にならないな。無事でよかったね。無事でもなかったのか…

52: >゚)+++< 03/04/27 00:08
今から5年前、学生時代俺が体験した話。
サークルの部室で先輩に怪談を話してもらってて「本当に恐い体験がしたいのなら、今からI市にある○○寺に行って来い」と言われ、早速友達と二人で行ってみた。

その寺には本堂とそれを囲むように3つのお堂があった。
明かりが全くついてなく誰もいなかった。悪ノリしてお堂の1つ目に勝手に入った。
真っ暗なのでライターでお堂の中を照らしてみたが何も無い。

続いて2つ目のお堂、これも特に変わった様子は無かった。「何だ、大したこと無いな」とか言いながら3つのお堂に入った。
自分は霊感とか全く無いのだが、入ってすぐこのお堂は他の2つと違う妙な雰囲気を感じた。
何だかたくさんの人に見られているような気がした。

友達がライターを点けてみるとそこには・・・
壁一面の棚に何百体もの人形が並べられていた。

(続く)

53: >゚)+++< 03/04/27 00:09
(続き)

この寺は人形の供養をする寺だった。
全部の人形がこちらに顔を向けて飾ってあった。
だいたいが雛人形だったが、ところどころに外国産の大きい人形もいた。

とたんに眩暈がしてそのまま気を失った。自分が倒れる直前にどさっと音がして友達が隣に倒れるのが見え、まずいなと思った。

数時間後、先輩に起こされ目を覚ました。
僕らの帰りがあまりに遅いので先輩が様子を見に来てくれたのだった。
「ごめんなさい、何だか急にくらっとして・・・」と先輩に言うと「当たり前だ!お前らこんないたずらなんかするな!!」と激しく怒られた。

初めは先輩が何を言っているのか分からなかったが、辺りを見回すと・・・
棚の上に並べられていた人形が全て降ろされ、僕らと先輩の周りを囲んでいた。
その後、泣く泣く三人で人形を元の棚に戻したが、なぜか何体かの人形がお堂の外に逃げ出していたので大変困った。

825: 音楽家 03/05/02 00:13
オレがアメリカ、ボストンに留学した時、ルームメイト(アメリカ人)に聞いた話。
実話らしい。

アメリカのフロリダ州に、全寮制の女子大学があった。校舎やら寮やら、簡単なショッピングモールまでもが大学の広大な敷地内にひとまとまりになっていて、学生は生活の殆どをそのキャンパス内で過ごす事ができるような環境だった。

そんな大学での話。
入学したてで、とても勉強熱心だったAさん(アメリカ人女性)は、その日も夜遅くまで課題に取り組んでいた。校舎はもうとっくに閉められている時間だったが、寮には勉強熱心な生徒の為の「自習室」があり、Aさんもその自習室を遅くまで利用していた。
ふと時計に目をやると、もう午前3時をまわっていた。丁度疲れも感じていたところだったので、今日はこれくらいにしておこう、と部屋に戻る事にした。

その寮では1部屋につき二人の共同生活が義務付けられており、AさんはルームメイトであるBさんと共に同じ部屋で暮らしていた。
もう夜も更けたとても遅い時間、当然Bさんは先に休んでいるだろう、と思い、Bさんを起こさぬ様静かに部屋のドアを少しだけ開け、中を覗いてみる。
案の定、部屋は真っ暗になっていて、ふたつ並んだベッドのひとつにBさんが横たわって寝ているシルエットがかろうじて分かった。
Aさんも早くベッドで休みたかったのだが、今自分が部屋に入って灯りを付け、着替えたり何をしたりと寝る準備をしたら、隣りで寝ているBさんを起こしてしまうかもしれない。

そう思ってAさんは灯りを付けずに2、3歩だけ忍び足で部屋に入り、自分の机に今まで勉強していた課題のテキストなどをそっと置き、また忍び足でドアまで戻った。
今夜は自習室のソファで寝る事にしよう。ルームメイトを気遣ってAさんは静かに部屋を後にした。

855: 音楽家 03/05/02 00:43
自習室での仮眠していたAさんが目を覚ました頃、なんだかキャンパス内はひどくざわついていた。
生徒達が何やらヒソヒソ話あっていたり、教員が慌てて廊下を走ってどこかへ急いでいたり。
「一体何事だ??」Aさんはそう思いながらも、とりあえず早く部屋に戻って朝の支度をしたかった。

エレベータで自室のある階まで上がる。すると、そこにはなにやら人だかり。
警官までいる。Aさんはそこで青ざめた。人込みの中心は自分の部屋だった。部屋の入り口には「KeepOut」の黄色いガムテープ。

なんとか人込みをくぐり抜け、部屋の入り口まで辿り付く。
「一体何があったの?ここは私の部屋よ!!」Aさんは入り口を封鎖していた警官をどけて部屋に入った。

そこには、ベッドの上で横たわるBさん。昨夜見たままの同じシルエット。ただ違うのは、腹と喉が思いきり一文字にナイフで割かれている。ベッドのシーツはどす黒く染まっている。闇夜に紛れんばかりに。それを見てAさんは何も言葉が出なかった。

昨夜、寝ていたはずのBさん。寝息も聞こえないほどに熟睡していたんじゃないの??
Aさんはふらふらとその場にしゃがみこんで、呆然とBさんの無残な姿を見ていた。

すると、一人の警官が近づいてくる。
「あなたがルームメイトのAさんですね?大変お気の毒な事になってしまいました、、、、。それと、ちょっとこちらに来て観て頂きたいものがあるのですが、、。おそらく犯人が残したモノと思われますが、私達にはなんの事だかさっぱり、、、。」

警官に導かれ付いていくAさん。
その先。シャワールーム。洗面台の上の大きな鏡。書きなぐられた真っ赤な血文字。
犯人のメッセージ。

「電気をつけなくて良かったじゃないか」

869: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/05/02 00:50
>>855
けっこうコワカタ

     Comment (1)

      • 6. 名無しさん
      • 2020年06月04日 08:41
      • 「明かりをつけなくてよかったな」は色んなバージョンあるね
      • 0
        みつこ

        みつこ

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