sagari


341:本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 23:31:14.64 ID:btXuksFv0

隠馬様

これは、親戚のおばちゃんから中学生の頃聞いた話。
『うたう さたうら~たこおんさま~にお
 いわざわ~おーれた きれたきん~さちろう
 いわざわ~おーれた きれたきん~みはあう
 おれわ くさん~さちろう
 おれわ くさんさ~みはあう
 どたきさんさま~にお~ないまし
 どたきさんさま~にお~ないまし
 うたう~うたう~
 うたう~うたう~
 こわし~こわしな~
 こわし~こわしな~
 くれくれ~もばれな
 くれくれ~もばれな
 こわし~こわしな~
 こわし~こわしな~
 みなみな~くれくれ~
 みなみないてもた~いてもった~』



342:本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 23:31:38.60 ID:btXuksFv0

おばちゃんの子供の頃、おばちゃんの実家(父方母方どっちかは聞かなかったので知らないが)の
ド田舎にはこんな童唄があったそうだ。
ある時、お盆でおばちゃんは家族と一緒に帰省してたんだってさ、田舎の田んぼのあぜ道で
花摘んだりして遊んでたんだけど、そこで童唄を地元の男の子が唄ってる所を見つけたんだって。
童唄を生まれて初めて聞いたおばちゃんは、その子に唄を教えてくれと言ったんだ、男の子は
「うん、いいよ」と言って暫く一緒に遊んでた、すると田んぼのずっと向こうの山の近くに
小さな鳥居があったんだって、おばちゃんは「行ってみたい」と言った、男の子も山はいつも
遊び場にしてるから一緒に行こうと言った。

鳥居の前まで来る、鳥居の奥を覗くと雑木林の奥にさらにもう一つ鳥居がある、2人は二つ目の
鳥居もくぐる。
するとまた奥に小さな鳥居がまたもう一つ…男の子はビックリした様な少し怯えた様な不思議な
顔をしたそうだ、おばちゃんの方は面白がって鳥居があと何個あるのだろうかと確かめたく
なったらしい。

おばちゃんは走りだす、鳥居をくぐる…また鳥居をくぐる…またくぐる…また…また…また…
雑木林を突き抜けて鳥居の延々と続く山の中にどんどん入っていった。
男の子も一緒に走ってたが、途中から泣きそうな顔だったらしい、それでもおばちゃんは
好奇心に火が付いてしまったのか、どんどん走り続ける。
最低でも15個以上は鳥居があったと、おばちゃんは言っていたが正確には覚えてないらしい。



343:本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 23:31:59.25 ID:btXuksFv0

そして、突然立ち止まる、目を凝らす、今までで最も小さい鳥居だ、それも真っ黒な鳥居…
今まで通って来た鳥居は皆、かなり色褪せてはいるが真っ赤な鳥居だった、子供の膝より低く
小さい真っ黒な鳥居、鳥居の奥を覗く、するとなぜか空気が急に重たくなったという、
肺がこの場の酸素を吸う事を拒絶しているような、吐き気に近いようなとても憂鬱な、嫌な
匂いが全身を包み込む様な感覚が、良くわからないが、産まれて初めて味わう雰囲気だったらしい。
男の子は「もう帰ろう」と言った、おばちゃんも気味が悪くなり吐き気を催した、2人は来た
道を戻り始める…

暫く歩いて、出口が見えて来る、空はもう夕焼けだ、おばちゃんはあの黒鳥居がどうしても気に
なって少しだけ後ろを振り返る、見えた

見えるはずは無いのに…もうずっと遠くにあるはずなのに、くっきりと黒鳥居が見える、その奥
には…この時、戦慄を覚えて前を見ると、出口は遥か遠くに!吸い寄せられた?
男の子は自分のずっと先を歩いている…そんな馬鹿な!?男の子が一瞬こちらを振り返ろうとする!
「振り向くな!見るな!走れ!出口に走れ!走れ!走れ!黒鳥居を絶対見るな!」おばちゃん
は咄嗟に怒鳴った、それは、自分の言葉では無かった様な気がしたらしい。



344:本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 23:32:17.88 ID:btXuksFv0

2人は絶叫しながら走り出す、おばちゃんの脳裏に一瞬だけ覗いてしまった小さな黒鳥居の奥が
浮かんで来た…何かが…真っ黒い沢山の何かが、こちらを覗いていた……それは無数の真っ黒
な子供の顔、と、その奥に見える…馬の顔…だった、らしい。
真っ黒な馬の様な顔が覗いている…目が合ってしまった!なぜ戦慄を覚えたのか?顔の造形が
おかしかったからだ、目が一つしか無かった、しかも真ん中に、それも縦に…思い出したくない
のに脳裏から消えない、怖いなんてもんじゃなかったと言っていた、今でも夢に見る位に。
出口が少しづつ近づく、足が痛くなってきた、ありえない!来た時は絶対こんな距離じゃ無かった!

その時、後ろから突然、赤ん坊の様な声が聞こえた…男の子が後ろを振り返る、どうして!?
早く逃げないといけないのに!そう思ったのに、なぜかおばちゃんも振り返りたくなってしまった
らしい、振り返る…目の前に真っ黒い馬が一匹いた、あの怖い目だけは見たくないと思って
咄嗟に下を向く、足が3本…馬の足に人間の腕が2本…これは馬では無い、そう思ったそうだ。
おばちゃんは尻餅を付く、まるで貧乏揺すりをする様にプルプル震えながら近寄って来る黒い馬。
失神しそうになるが、黒馬に背を向け再び走り出す、男の子も前を走っていた。
すると、またあの歌が聞こえてくる、よく聞くと昼に男の子に教えてもらった童唄に似ていたと言う。
なぜか振り返りたくなる、振り返りたい、振り返りたい!誘惑に負けそうになる!どうしても
気になる!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい!
気になる!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい!
気になる!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい!
気になる!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい、振り返りたい!振り返りたい!
また振り向こうか…でも後ろには怪物が…でも、一瞬だけなら…駄目だ今度振り向いたら確実に食べられる!



345:本当にあった怖い名無し:2012/06/07(木) 23:32:54.28 ID:btXuksFv0

次の瞬間、目の前に満点の星空が広がった!外に出られたのだ!枯れ果てていた涙が急に
溢れ視界がぐちゃぐちゃになりながらも、それでもおばちゃんは走り続けた、実家の屋敷
に入るまでは絶対に振り向きたくなかった。
また唄が聞こえた…
「でも、少し位ならいいか」振り向いてしまう!入り口の鳥居の前にあの男の子が立っていた…
男の子には目が縦に一個しか付いてない、馬の様な足が一本しか無い…思わず吐いてしまった、
あり得ない量の自分の腹にこんなに食べ物が詰まっている訳が無い、洪水の様な吐瀉物の量
だったという。
そして少年はその様子を見てニコニコと笑っていた、不思議と怖さは無かった…歩いて屋敷まで戻った。

おばちゃんは家に帰ると両親に泣いて抱きつかれた、信じ難い事にあれから3日もの間、
行方不明になっていたというのだ、。
泣き続ける両親と呆けているおばちゃんの前で実家の曾爺さんがこう言った。
「社の横にある肥溜めにおばちゃんの靴が落ちてたんだよ、村総出で肥溜めを汲み取って
探したんだけど見つからなかったんだよ」
「え?」
「山で迷子にでもなったのかい?きっと隠馬様に助けてもらったんだね」
「オヌマさま?」
「うん、でもね隠馬様は人間の内臓を食うのが大好きな鬼神でもあるから里の人間は絶対に
山には近寄らないんだ…でも、きっとおばちゃんは良い子だから特別に助けてくれたんだろうね」
「…」




以上が親戚のおばちゃんの体験談、他にも色々体験したとか言ってるけど、俺は霊とか
あんまし信じて無いんで多少脚色した話を投下しました、今回は以上。



348:本当にあった怖い名無し:2012/06/08(金) 04:47:14.96 ID:tnV11heu0

ID:btXuksFv0
おもしろかったよー



349:本当にあった怖い名無し:2012/06/08(金) 09:25:38.01 ID:2ol1ZqKl0

ID:btXuksFv0
よかったよ。洒落怖でも良かったんでない?
馬と言い一本足や一つ目と言い、一本だたらの系譜かな
養蚕にまつわる地方に聞かれる話だとみた
おばさん山の神の花嫁にされなくて良かったね



385:本当にあった怖い名無し:2012/07/29(日) 09:06:32.02 ID:f8vRdZjy0

>>349
まさかの子守唄でした。
90近い曽祖母がほぼ無表情で寝かしつける光景…歌よりも正直、怖かったです。


元スレ:http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1297552850/
 
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童歌や子守唄のメロディーってなぜだか妙に怖いんですよね…