586: さげ 03/06/23 22:32
ようくりげっきょはまからうん。という言葉をご存知ですか?
恐らく知らないでしょう。
これは恐山に伝わる、呪いを「抜く」為の言葉です。
イタコ達は降霊と呼ばれる儀式を行い、霊界からのメッセージを現世の人に伝えます。
ですが、当然お分かりでしょうが、9割以上がインチキです。

昔は組織的な連携と掟がありましたが、長を世襲していた名代が根絶してからは無法地帯となり、怪しげな宗教や、インチキ占い師の行きつく場所となってしまいました。
ですが、依然として他に身の置き所がない本当の霊能力者達や、自分自身の力を生かさんが為、または、、悪影響をおよばさないため山に篭る人たちは多くはありませんが、5年に1人くらいの割合で今だにいらっしゃいます。

588: さげ 03/06/23 22:33
この話は聞かれる方も、当然強くなければ、何かしらの悪影響がでるかもしれません。
興味本位や、霊感が強いもしくは自意識過剰な方も読むのはお控え下さい。
これはあるいたこの告白であると同じに私の懺悔です。
読む前に口になさって下さい。
背筋を伸ばして座禅か楽な姿勢をとり、手を合わせ半眼の状態になる。
目線は自分の前2メートルほど先の地面。

「ようくりげっきょはまからうん」

589: さげ 03/06/23 22:34
夏でした。暑い日でした。
私は山篭りしてますけ、頼るものおらん。
子供のころっけ、家さいたら、父と母と姉のほかに一緒に飯くうさる者がおる。
わしはその黒い人が一緒になって飯くうとる姿をじーとみとった。
父ははまがさりじゃきゅーて、飯そそのかしとるわしを手のばしてたたきおった。
しから、黒い人が手ばのばしけ、父の首を触った。
父は昏倒して十日ばかり目覚めンかったよ。

黒い影をようみたら二つの目があるけ、よーく見たら、その目が苦しそうな顔じゃった。
丸い白い顔がおびえたようにワシをみとった。
遠目にはそれが白い小さな目のように暗い顔に二つならんどる。
そんなものがよく見えるようになった。
小学校さばいくとさ、友達の頭が二つある。
ひとつはわろーとるがしゃ、もうひとつの顔が横にずれてはみ出して死にそうな顔しとるけ。
こりゃあかんーいうてそのこつれて衛生室へつれていきました。
先生に叱られてばかりじゃった。。。。。。。。

590: さげ 03/06/23 22:34
しばらくぶりに学校いくとその子がおらん、病院へいきました。
そこではそのこが辛そうにおるけん、泣いてみちゅうが、はみ出したもう一つの顔はもう死んどったけんがもうあかんちゅうてほろほろ泣きました。
したらば先生もないちょった。
その子はその年の秋頃しにました。

こげな見えるのが自分だけやと知りうるが女学生のころで部屋を借りました。
部屋は綺麗でしたが真中に女性の右足だけが立ってました。
足の上の部分は黒くかげってて見えませんでした。
私は恐かったけども贅沢はいえんものですから、その右足にはちかづかないゆーにしときました。
大抵がそれでよかので。

ですが、ある日風呂こ入って髪を湯船につけてたら何かおかしく気がつけば髪がまっすぐ湯船にはいってる。
その先にわしの知らん女子のふやけて腐った顔が私と睨んで沈んでて、髪がお湯の中でそのまま私の髪と繋がってる。
白目の無い真っ黒の目でした。
わしは次の日には髪切りました。

591: さげ 03/06/23 22:35
そごな事がほんち多くて,多くて、泣けるごとしてましたから、回りは心配します。
そごである高名ないたこさんが物見遊山で着てましたけ親戚が頼んで見てもらいました。
したらばそのいたこさん腰ぬかして言いました。

「あんたは死んだまま生まれとるけ、霊ばひきよせる」
それで山篭るしかないちゅーて連れてかれました。
かなしゅーて、かなしゅーて、かなしゅーて。。。。
どがして私に見えるがげん、こげな山こもらなあかんのって、ずっと思いました。
悔しくて,悔しくて。
山さで修行ばさせられるとが、痛くて泣いてばかりでした。
あと寂しかった。
親も友達も何度か着てくれましたけ、その度うれしかとやけど、その度に親も友達も背中にボロキレに身をつつんだ老婆や老人、埋められたのじゃろぐちゃぐちゃにつぶれちる男なんかが必死にしがみついちゅぅ。
このままじゃ、この山の餌食なりますけ、師匠とも話して私のとこへこんがいいとしました。
泣いて泣いて。寂しかったけど、これも修行じゃー修行じゃーって我慢してました。

592: さげ 03/06/23 22:35
遊びたかった。遊びたかった。
ほとんど遊んだ事ありませんけ、遊びたかった。
修行は基本的に断食ですけら、いつも腹すかせとりますが、霊力は高めるがごとくあるがに色んな者が見えるようになりました。
一番弟子となりました。
わしはじゃからいろんな霊を見て、交霊して、沢山の悲しみ苦しみ怒り嘆き、刻みました。

殺された霊の苦しさはたまらないけ一度なんかは殺した男が殺された女性の降霊を頼みましたけ、山につれていって穴に埋めました。
山は私がおさめとったけ、村人さ使ってそげな事ばするようになってけ、この両の手おってもいえんくらい人をあやめました。

594: さげ 03/06/23 22:38
埋めて殺すとじーっとみとりますと土の中からやがて顔がすぅっと出てきます。
首から上だけが苦しみに歪んだ顔でつきでとりますけ、私はそれをとどめまして顔を潰す為に置き石を打ちつけます。
すれば永遠に霊体のまま頭を潰された苦しみを味わうわけです。
霊体が潰された石の下でうごめくのは虫の潰されたようにみえますけわしはいつもそれをみて笑うりました。

それをさすがために恐山ではいつしかわしの真似して石をつんでいる場所が増えました。
わしはそれを見て石のしたを見ます。
たまに潰されてる顔がありますけ、わし以外にも見えるものがおったのじゃけ、うらしまへん。
わしはそが悪行をゆるせんちゅう若いイタコがおりました。
わしはそげな掟をまもれんがごと言うのが腹立たしくありましたけ村の男にたのんで、その後に石を沢山のせて埋めました。

595: さげ 03/06/23 22:39
しからが、、そのおなごが力が死んでからすごくてわしが石をおこうにも石をおかせん。
わしは自分のこうべにそのおなごの指がはいったのをしりました。
憎いことに、その指がわしの頭の骸骨の内側を掻く。
がりりがりりと。
わしは痛くて痛くて、痛くて痛くて、、、
わしもうちの目で見たらその指が薬指で指輪がはまっておりましたけ、このおなごも霊力があるがために家庭をすてて身をきよめにきたことと知りました。
わしは10人の命をつかって除霊をしましたが無理でした。

悔しいのほんとに。
なんでわしがこげな事で命をおとすがじゃと、くるもん、くるもんに気付かれんように呪いをかけてかけてかけて、、死ぬまでわしはかけつづけました。
ですが、この女の呪いにはかてん。
わしは98歳でしなんといかんかった。
でもしんでもまだ痛い,痛い、痛い。。
助けてくだしゃれ、助けてくだしゃれ、このいたみ、、たすけて、呪い呪わぶぬしが身代わり。
わしのこの痛みをとってくだしゃれ。

597: さげ 03/06/23 22:40
私はイタコに以上のことを話してもらいました。
その女性は恐山では最高の力を持ってますから、この呪いはきかないとの事でした。
その女性が指に錆びた指輪をしてたので伺うとやはり、埋められていた腐敗してた骨とともに出てきたので供養の為に身につけているとの事でした。
詳しい時期は聞き出せませんでしたが、おそらく戦前にいたイタコだということです。
(長だったはずなので個人名まで本当は知っているはずです)
私はその場でお払いをしてもらいました。
(最初にお伝えしたものです)ですが、生々しい死んでも苦しみ続ける地縛霊の声を聞いたとき、ああいう声が街のあちこちにも満ちていると説明をうけ、私はその取材を終えました。

後日、その現場に居合わせた友人が死にましたが、その件に関しては恐山には行ってません。
お払いをうけさせる前に用事で先に帰るよう指示を出したのは私でした。
頭痛を苦にしての自殺でした。
関係ないとは思います。
私はお払いをしてもらってましたし。
以上です。お耳汚し失礼致しました。

603: sage 03/06/23 23:01
本当に恐いよ・・・・

608: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/06/23 23:14
さげの恐い話恐かった。ひさびさに洒落ならんかった。
俺的に。

234: 仕事中だが・・・1 03/06/21 02:22
私は最後の客を降ろし、会社へと向かっていた。
しかし最後の最後についてない、まさか○○峠の先まで行かされるとは・・・
時刻は午前2時をまわったところ。
○○峠は最近、タクシー仲間で少し話題の場所だ今夜のように雨の夜は・・・
特に"出る"らしい・・・。
私はその手の話が特に苦手だったしかも日付は変わってしまったが、今日は妻の誕生日。
少しでも早く帰りたいと、気持ちだけが焦る助手席には妻へのプレゼントも載っているそんな事を考えながら、車はそろそろ○○峠にさしかかっていた雨に濡れたカーブミラーの傍らにそれは立っていた。
右手を上げた若い女私は全身が凍りつくのを感じながら、タクシー歴10年のプロ意識もあって、その女に足があるのを確認した気が付くと、私は女の前で後部座席のドアを開けていた。

まさに吸い寄せられるように・・・
「えぇ~っと・・・どちらまで・・・?」
私は自分が言っているのかどうかさえ判らない意識で、行き先を聞いた。
「・・・・・××池まで・・・・・・・・・・・・・・・・」
女の指示に私は2度凍りついた。
新興住宅地の中にあるその人口池は最近自殺の名所としても有名になりつつあった。
「はい、・・・・・・・わかりました。」
私の返事に女は答えず、うつむいたままただ車の揺れに身を任せていたルームミラーを見るのも恐ろしく、実際私は背後の陰鬱な気配に運転どころではなかった。
20分も走っただろうか、車はとある住宅地に入った。
余談だが、その住宅地には私の家もあった恐怖のあまり、逆に家と妻が恋しく感じた私は、
「・・・とてもこのままでは走れない・・・そうだ、家によって家内にプレゼントを渡そう・・・家内にこの状況を話せば、何とかなるかもしれない・・・・」
なんの根拠もなかったが、そうするしかないと思った

235: 仕事中だが・・・2 03/06/21 02:23
「妻が今日誕生日で・・・遅くなってしまったのですが、プレゼントだけ渡してきてもよろしいでしょうか・・・?」
私の問いに女は答えなかった答えは無かったが、私の気持ちは固まっていたもう、このままの気持ちで走るのは無理だ・・・
無言でうつむく女の返事を待たずに私は自分の家の前で車を停めた。
「すぐ戻ってきますので・・・・・」
後部座席に声をかけ、私はプレゼントだけを持って我が家へと入った。
「お客さん・・・?ちょっと申し訳ないんですが、私の家がこの近くなんです。」

20分も経っただろうか、タクシーの後部座席で女は目覚めた。
「ん・・・?ここは何処だろう・・・?」
見慣れない風景に、女はあたりを見回した運転手も居ない事に、すぐ気づいたふと見ると、真夜中にも関わらず、煌々と明りをつけせわしなく人の出入りしている家がある。
「・・・・・・この人たちに聞いてみるか・・・・・・・・・・」
女はタクシーを降り、ちょうど家から出てきた女性に今までのことを話したすると、
「・・・・・はい・・・そうですか・・・・・それは主人です・・・・・・」
といったまま、その女性は泣いてしまった。
「???????」
事情の全くわからない客に向けて、女性は続けた。

「主人は今日の夕方・・・事故で・・・・・・・・」

終わり

959: 埋め立て 03/06/26 00:24
私は四国の田舎の村出身ですので、幼小中と同じ地区の子供が集まりほとんど面子が変わることはありません。
これは20年近く前、私が中学生だった頃聞いた話で、事件の1年後くらいに本人に確認を取っています。
私の2つ下にAという男の子がいた。
Aは取り立てて変わったところも無い、普通の男の子だった。

ある8月(夏休み)の夕方、夕食までの間Aは家で昼寝のような感じで眠っていた。
そのうち、Aはおもむろに目が覚め、帽子を被って懐中電灯を片手に庭先へ出た。
この時のAの意識は半分寝ぼけた状態で、何故目が覚めたかは判らないとのことだ。
Aが庭先に出て行ったことに家族の一人が気づいたが、ちょっと出ただけだろうと気にも止めなかった。
家族の人の証言では、時刻は7:00頃とのことらしい。

Aが庭先にでると、6人の「人」がそこに立っていた。
性別・年齢・容姿など一切Aは覚えていないのだが、6人の「人」だと思ったそうだ。
6人はAを認めると、山の方へ(Aの家自体が山の斜面に建っていた)歩き始めた。
Aは寝ぼけた状態にもかかわらず、また見もしらずの人のはずなのに何の恐怖も感じず、むしろああついていかないといけないんだなと思い、吸い込まれるように彼らについていった。

960: 埋め立て 03/06/26 00:24
裏の山といっても、結構標高はある。
6人はAを囲むようにして歩いていった。
いつの間にか、周囲は真っ暗だ。
そしてAを囲む6人も、もはや人ではなく、周りにつきまとう気配のようなものになっていた。
Aは、意識の上ではもはや「人」でないことを完全に理解していたが、別段恐怖心を感じる事も無く歩を進めていく。
まだ寝ぼけた状態が続いていたのだ。
周りの「気配」はなにやらずっとヒソヒソ、ボソボソとしゃべっていたのだが、その内容までは聞き取れず、そのまま歩き続けていた。

そのうち、コンと懐中電灯に虫が当たった。
光につれられた虫のようだ。
その刹那、周りにいた6人は一瞬にして消え去り、声も聞こえなくなった。

ここでAはハッと正気に戻った。
周りを見渡すと、来た事も無い山奥の道をただ一人でいる。
光といえば、自分の懐中電灯の灯りだけだ。
突如猛烈な恐怖に襲われたAは一目散に家へと走り帰った。
Aを探す家族の人に出会い、安全を感じたのは夜中の0:00ちょっと前だった。

961: 埋め立て 03/06/26 00:25
後に太夫(いざなぎ流の祭司)がAの家族に言ったことには、その6人は「7人ミサキ」に引っ張られた者達で、Aを7人目として迎えに来たのだという。
そして0:00までに帰れなかったら、死んでいただろうと言った。
しかし、Aのおばあさんが毎日熱心に神棚を拝んでいたので、そのおかげで神様が「虫」を使って助けてくれたのだと。

確かに私(とA)の住む地域では、昔男に捨てられた女が身投げして「7人ミサキ」となったと言われる所がある。
身投げ後、立て続けに男ばかりが死んだので(転落して死ぬ・酔って眠って凍死等)太夫に払ってもらったのだが、「強すぎて私の力では落とせない」とサジを投げてしまっていた所だ。
しかしその女性が身を投げたのは昔の事だし、かなりの人が死んだとの事なので私達は「7人死んでるだろう」とすっかり安心してそこで泳いだりしていた。

結局、「何故『A』を迎えに来たのか」という事は判らずじまいであった。
Aはその後怪奇現象にあうことも無く現在に至っているが、当時の私はいつか自分の所に迎えに来るのでは・・・
と思うと非常な恐怖を感じていたものだった。

以上で話終わりです。
お付き合いありがとうございました。


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