145: ババア 03/07/10 01:16
これは、10年以上前にラジオで聞いた話です。
そのラジオで流れてたのをそのまま再現しようと思います。

ラジオ番組心霊コーナー最終回。
「ババア」by匿名希望さんより。

146: ババア 03/07/10 01:16
僕は当時、高校生でした。
これは同じクラスにいた山口という男子生徒の話です。
山口はひょうきん者でどこのクラスにも一人はいる・・・そんな存在でした。

ある日、いつもふざけている山口が神妙な顔をして全く黙っていました。
みんながちょっかいをだしても全く無反応で、妙に青ざめた顔が印象的でした。
僕は女の子にふられたんだろうぐらいに思っていました。
たまたま、その日僕は山口と帰りが一緒になりました。
そこで僕は何かあったのか?
と聞いてみましたが、彼は何もしゃべろうとはしませんでした。
女の子にふられて落ち込んでいるというより、むしろ何かに怯えているといった雰囲気でしょうか?
僕はそのときの山口の態度の異常に気付き、しつこく問いただしてみました。
彼は半ば泣きそうな顔をしながら、やっとその重い口を開きました。

「どうせお前は信じてくれないだろうが・・・」
以下は彼の話によるものです。

147: ババア 03/07/10 01:17
山口が子供の頃、夢に知らないババアが出てきたそうです。
それも一度や二度ではなく、何度も・・・。
そのババアは紫のスカーフをかぶり、指にはダイヤの指輪を何個もはめて黄色いカーディガンを羽織って・・・
一番印象的なのは歯が全部金歯であったことだそうです。
そして夢の中で山口に向かって、
「私のかわいいチェルシー。早く大きくなっておくれ。」
そう言っていつもニタニタ笑っていたそうです。

もちろん彼はチェルシーなんて名前ではないし、そんなババアには全く見覚えなんてないといっていました。
子供ながらにも不気味には思っていたそうですが山口も成長するにつれ、その夢は全くみなくなりすっかり忘れていたそうです。
しかし・・・

148: ババア 03/07/10 01:17
「昨日また夢に出たんだよ・・・そのババアが・・・」
話によると、ババアは夢の中でこう言ったそうです。
「私のかわいいチェルシーや。大きくなったねぇ。もうすぐ迎えに行くよ。」
私は只の夢だから気にするな、と言ってやりました。

しかし実際のところ彼の凄まじい怯えかたに僕も少し恐怖を感じていました。
学校の最寄の駅に着き、僕らはそこから方向が別なのでそこで別れました。
僕が家に着いた直後、電話がありました。
山口からでした。電話越しの彼はもはや正常ではありませんでした。
彼が落ち着いて話せるようになるまで多少時間がかかりました。
彼は泣いていました。

149: ババア 03/07/10 01:18
「さっきババアに会った。」
僕は一瞬で凍り付きました。
そんな馬鹿な・・・
彼の話ではババアは夢の中での奴であって・・・
僕と別れた後、彼の乗った電車は満員電車だったそうです。
家の近くの駅に着き、人ごみに押されながら降りた山口のすぐ脇にいたそうです。
夢の中と全く同じ格好で・・・
そして醜く笑みを浮かべて山口に言ったそうです。

「明日迎えに行くよ。チェルシー・・・」

150: ババア 03/07/10 01:19
そのままババアは人ごみの中へ消えるようにしていなくなったそうです。
山口は半狂乱のような状態で家にたどり着き、僕に電話したということでした。
正直に言って半分信じられませんでした。
とにかく明日学校で会おう、と言って電話を切りました。

次の日の朝、僕は妙な胸騒ぎを覚えていつもより二時間くらい早く目が覚めました。
そのまま早く学校に行って、山口を待つことにしました。
朝の学校には、ほとんど人がいなく僕はガラーンとした教室でぼんやり外を眺めていましたそのうち、ぼちぼちと生徒も登校しはじめました。
しかし当の山口はいつまでたっても現れません。
だんだん心配になってきた僕は山口の家に電話をしました。
しかし山口のおばさんがでて、もう一時間も前に家をでたとのことでした。
だったらもうとっく着いてもいい時間なのに・・・。

結局山口はその日学校には現れませんでした。
その後家族から捜索願が出され、僕も警察で何度も事情聴取されました。

151: ババア 03/07/10 01:19
結局ババアのことは誰も信じてくれませんでした。
山口はいまだに行方不明のままです。

僕が本当に恐ろしいと思ったのはここからです。
この話を大学の友達の天野にしたのです。
天野の顔色はみるみる青ざめていきました。
話が全て終わると天野は気を失ったのです。
しばらくして気がついた彼はうわの空でぼそっとつぶやきました。
「そのババア・・・俺の夢にも出てきた。」
ただしチェルシーではなくトムと言っていたそうです。
山口と同じように天野が子供の頃、何度も夢に出てきて。
「私のかわいいトム。早く大きくなっておくれ。」

僕は今度はいつ天野の夢にそのババアが出てくるか心配です。
おしまい

187: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/07/10 19:50
>>145-151

そのラジオの話、リアルタイムで聞いていました。
その直後に谷山浩子の「逃げる」という曲が流れ、
むしろそっちでガクガク(((((;゚Д゚)))))ブルブル
いまだにトラウマソングですわ・・・・

199: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/07/10 22:40
俺が今でもRPGやんないのは理由があんだよ。
小学校2年の時。
その頃はみんな知ってる通り、ファミコン全盛期。
当時うちでは金銭的な理由ではなく、親の教育方針みたいなもんでファミコンのソフトはなかなか買ってもらえないものだったんだ。
誕生日とクリスマス、そしてばあちゃんが年に1回くらい買ってくれるくらい。

ちょうど、とある大作RPGの三作目が発売されて1ヶ月くらいたった頃だったと思うんだけど。
親父と近所を散歩してたら近所のスーパーの前で中古ソフトの路上販売をやってたんだ。
やっぱり目についたのは例のRPGソフト。
俺がどんな目をしてソレを見つめていたかは、今でも想像に難くない。
まさに食い入るように見てたんだろうね。
すると親父が言った。
「欲しいのあるのか?たまには買ってやるよ」と。
もう言葉にならないくらいうれしかったのを今でも覚えている。
まぁ、後から考えると親父が急に買ってくれた時点ですでに何かがおかしかったのかもしれないんだけど。

201: 199 03/07/10 22:44
家に帰ってさっそくやりたかったんだけど、我が家には厳しい掟が。
ファミコンは毎週日曜日2時間まで。
くぅ、今日はまだ水曜の夕方・・・!
やれねぇ。しょうがない、俺は部屋で穴があくほどカセットと説明書を眺めてたよ。

で、気づいた。
カセットの裏と説明書の最後のページに『アキオ』って書いてあるのに。
まぁ、当時名前が書いてあるのは、そんなに不思議な事でもなかったからその時はそれほど気にもしなかったんだけど。
なにぶん中古ソフトだし。

翌日学校から帰ってきたんだ。
うちのおかんは専業主婦だから家にいないって事はめったにない。
なのにその日帰ると誰もいなかった。
玄関には置手紙『タク(弟)とおばあちゃんのとこ(近所)にいってますね。5時には戻ります』
変な偶然が重なるもんである。
が、その時はそんな風には考えない。
俺の頭は一気にゲームモードに突入。
千歳一隅のチャンス!時間はまだ2時過ぎ!
今からだと3時間近くプレイできるじゃないか!

202: 199 03/07/10 22:45
さっそくファミコンを準備、部屋にソフトを取りに行く。
昨日の夜、机の中に入れてたつもりだったが、『ソレ』は早くプレイしろといわんばかりに机の上に出ていた。
が、深く考えない。
さっそくスイッチON。
真っ黒な画面。
俺はこのゲームのオープニングをまだどこでも見たことがなかったから違和感はナシ。
そう言うもんだと受け止めたよ。
しばらく待つ。・・・
更に待つ。何もつかない・・・。

まじかよ!まさか壊れてんのか?
カセットを外し、息を吹き込む。
更そして慎重に本体に挿入、再び電源を・・・。
おもむろに音が出た。
だけど、これってBGMか・・・?
何か、木琴だか鉄琴だかみたいな音が同じテンポで流れるだけ。
まぁ、それでもゲームモードに入った俺は怪しまないんだけど。
タイトルも表示されないまま、いきなりセーブデータが表示される。
予想通り主人公『アキオ』のデータだ。

203: 199 03/07/10 22:46
さっそくデータを消して、新たに俺のデータを作ろうとした。
ただその時俺は気づいた。
セーブデータ作成を促す文章がなんかおかしいんだ。
『ぼくとあそんでくれるのはだれ?』
なんだか変だぞ・・・。
その時初めておかしいと思い始めた。
奇妙なBGMは延々と続いている。
怪しみながらもひとまず名前を入れる『シンイチ(仮名)』と。

その瞬間、
『あははははははははははははは!シンイチ君!あははははははは・・・!』
静かな家の中、大音響のけたたましい子供の笑い声がテレビから溢れた。
あまりの事に俺は頭が真っ白になり、気が遠のいた。
でもはっきり見たよ。
薄れる意識の中、黒い画面に同い年くらいの少年の顔が映っているのを・・・。
満面の笑顔で。

204: 199 03/07/10 22:47
夕方、俺は、おかんに起こされて気が付いた。
ファミコンが出しっぱなしだったため、隠れてやろうとしてた事がバレてカンカンだった。
怒られながら横目で見たテレビ画面にはもう何も映ってはいなかった。

もうこんなソフトは近くに置いときたくなかった。
一刻も早く捨てたかった。
だけど、せっかく親父が買ってくれたんだ・・。
捨てるのも何か親父に悪い気がしてできなかった。
結局、そのソフトは俺の部屋の押し入れ奥深くの俺の道具入れにしまうことにした。

翌日、学校から戻ったらまたおかんがいなかった。
でも、玄関に置手紙はナシ。
ということはタクが家に残ってるってことだ。
ランドセルを置いてリビングに行った。
タクがテレビの方を向いて座ってる。
その前にはファミコンが。
そして隠したはずのあのソフトが。

206: 199 03/07/10 22:51
次の瞬間、テレビのモニタが目に入った。
『アキオ』がこっちを見て大声で笑った。
こっちを振り向いたタクもアキオと同じ顔で笑ってた。
二つの笑顔と声がが頭で渦巻き、また俺の気は遠のいていった。

207: さかかメガネ ◆U4CoILvWc2 03/07/10 22:53
199氏、ふぁみっこ世代の俺にはど真ん中な内容。こわひよぉ。
でもつづきが気になる。

215: 199 03/07/10 23:33
>>207
ごめん、話としては一応終わりだよ。

まぁ、つづきってほどじゃないんだけど。
夕方、結局2日連続でおかんに起こされてめちゃめちゃ怒られたよ。
タクも寝てた(気を失ってた?)らしくて二人して怒られた。
しかもタク何にも覚えてないし、すげーやっかい。
俺が「アキオが・・・!」とか言っても全然信じてくれないし。(あたりまえだけど)
ちなみにそのソフトは、翌週ビビえる俺の前で親父がつけてみたけど何にもつかなくて『故障』の烙印押されて捨てられた・・・。
で、新しいのを買ってやるって言ってたけど丁重に断ったよ。

今でもBGMがリアルに思い出せてすごい気持ち悪い。
けど、年を重ねるにつれてそれが現実だたのかどうか自分でもよくわかんなくなってくるんだよなぁ。
まぁ、夢だったんならそれでもいんだけど。
以上でした。駄文でスマソ。

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