208: 長文1/4 03/09/11 14:08
高校2年の夏、姉が死んだ。21歳だった。
一人暮らしをしていたマンションの屋上からの飛び降り自殺。
動機は不明。
家族の中で姉と最も親しかった私にも、自殺の原因は全く見当がつかなかった。

葬儀の翌日、姉の住んでいた部屋を引き払うため、朝から母と私で荷物の整理をしていた。
二人して黙々と働いたので、夕方にはほとんど段ボールに詰め終わり、それを玄関先に積み上げてから自宅に戻った。
夕食後、姉の部屋に携帯を忘れたことに気付いた私は一人家を出た。

9時頃だった。
マンションは自宅から自転車で10分くらいのところにある。
部屋に上がり明かりを点けると、携帯はすぐに見つかった。
床の真ん中に落ちている。
腰をかがめて拾い上げると、電話のベルが鳴った。
私の携帯の着信音ではない。
振り返ると、台の上に置いてある電話が光っていた。
一瞬迷ったが、受話器を取る。

「もしもし…」
最初は何も聞こえなかった。
ノイズが酷い。
電波状態の悪い携帯から掛けているみたいに。
なぜか、誰かが息を殺しているイメージが頭に浮かんだ。
果たして、しばらくそのままでいると雑音の向こうから微かな息づかいが聞こえてきた。
「誰?」
返事はない。
ただ、息づかいが少し荒くなったような気がした。
その背景、少し離れたところで何かの声。
雑音にまぎれて、『…クス‥クスクス…』小さく笑い合う声が、受話器越しに聞こえた。

209: 長文2/4 03/09/11 14:09
急に寒気を感じた。
背中がゾクゾクする。
なま暖かい空気がうなじのあたりを撫でた。
窓は閉まっているはずなのに…

「もしもし?」
足もとが急激に冷えてきた。
足首から下が冷水に浸かっているような感覚。
明かりは灯っているし、外の通りを通る車の音も聞こえるのに、怖い─ふと、壁の差し込み口に目がいった。

ジャックには何も繋がっていない。
電話線は台の上から床に向かってダラリと垂れ下がっていた。
電話を切ろうとしたその時、受話器の向こうから声がした。

『うしろ』
ハッキリとした女の声だった。
それが姉の声だったのかは分からない。
しかし、その声を聞いた瞬間、私は反射的に後ろを振り向こうとした─ザワ…
全身の皮膚が粟だった。
背後に何ものかの気配。

210: 長文3/4 03/09/11 14:10
受話器を握る手に力が入る。
全身が硬直して、息ができない。
いま振り向いてはいけない。
本能がそう告げているような気がした。

…クスクス…クス…
どこからか、小さな笑い声が聞こえてくる。
それが電話からなのか、それとも部屋のなかから聞こえるのか、もう判別がつかない。
足元の冷気が水面のように波打ちはじめたような気がした…

「お姉…ちゃん?」
ようやく、その言葉だけを絞り出した。
途端に笑い声が止んだ。
一瞬の空白の後、『アハハハハハハハハハハハハ…』けたたましい笑い声。
足元の冷気が、ぬるり、といった感じでうごめき、最後に、粘り気のあるゼリーのような感触を残して足首から離れた。
背後の気配がスーっと薄れていく…
『ハハハハハハハハハ─・・・・
不意に声が途切れた。

後は発信音もなく、無音。
その一瞬前、笑い声の彼方に、女の声がかすかに聞こえた。
消え入りそうに小さな声で、
『…バカ…』

211: 長文4/4 03/09/11 14:11
徐々に全身の力が抜け、私は床にへたり込んだ。
しばらくは、そのままの姿勢で何も考えられなかった。
やがて、安堵感がゆっくりと体を満たしはじめた頃、また電話が鳴った。

一瞬、鼓動が跳ね上がったが、自分の携帯の着信音だと気付いた。
手を伸ばし、通話ボタンを押す。
母親からだった。
『すぐに戻ってきてッ』
電話口からも分かるくらい、母はうろたえていた。
姉の遺影が真っ黒になったのだ、と言う。

『声が聞こえたような気がして部屋に行ったら…
さっきまで何ともなかったのに…』
私は電話を切ると立ち上がり、部屋のドアを開けた。

「ばーか」
今度はハッキリと男の声が聞こえた。

212: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/09/11 14:26
すっきりせずに終わりですか?

213: 208 03/09/11 14:31
スミマセン
この後は別に何もなかったので…
私もすっきりしないままです。

190: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/09/11 05:20
今年の3月頃の話し。
私が住むマンションは1Kという事もあって単身者(特にお年寄り・障害者)の方が多く住んでいます。

ある日の深夜2時頃、ベッドに寝そべって本を読んでいました。
すると「ドン!ドン!ドン!ガンガン!!」ともの凄い音と衝撃が玄関から聞こえました。
明らかにドアを蹴られてるような音。
一瞬苦情かと思ったけど、本を読み始めて2時間。
TVも音楽もつけてません。

恐る恐るドアの覗き窓から見ると50代位の小柄な男が部屋のドアを鬼の形相で蹴っていました。

191: 190 03/09/11 05:21
見覚えは全くない。
それに住人とのトラブルも今までありません。
話しを聞こうとチェーン(ステック状の)を掛けたままドアを開けると、その隙間から包丁が乱舞!

ドアノブの引っ張り合いになったけど、私より力は弱くドアは何とか閉まり慌ててロックしました。
その間、包丁は突っ込んできたけど、こちらの顔は相手は見てません。
私は「一体何なんですか!?」と問いかけると、蹴るのを止め考え込むような時間の後、エレベーターで立ち去りました。
何かしらの喧嘩・苦情を言う部屋を間違えたのかと納得し(包丁沙汰は驚いたが)その日は寝ました。

192: 190 03/09/11 05:23
そしてその二日後の深夜三時半にまたあの包丁男がやって来ました。
寝ていた私は恐怖よりも怒りが強くダッシュで玄関まで行くと
「お前何時や思とんねん!人違いですまされんぞ、コラ!!」
と怒鳴り返しました。

すると意味不明な言葉を発し向こうもいきり立っていきました。
怒り限界の私は棚を作るのに置いていた角材を片手に殴ってやろうか、我慢して警察に通報するかしばし悩みました。
そしてやはり通報を選んだ私は人相を良くもう一度見ておこうと覗き窓から相手の顔を見ました。
いつも蹴っている状態なのでドアから少し離れて俯き加減だったので、この時がちゃんと正面から見た最初でした。

193: 190 03/09/11 05:25
男は覗き窓に顔をピッタリくっつけてました。
そしてその目は白目だったです。

イカレテル・・・
携帯を片手に警察に通報し5~6人位の警察に来て貰いました。
もちろん男はもういません。
ただ、その時期まだ寒く上着も着ないで包丁もそのまま持って来ていたので、このマンションの住人には間違いありません。
ただ8階建ての大きなマンションなので出入りも激しく犯人を特定は出来ませんでした。
しかし犯人も警察が来た物々しい雰囲気を感じたのかもう二度と来る事はなくなりました。

しかし一週間前にまたあの音が・・・。
ドアを開けて確認しなかったけどどうやら階下の住人の部屋に現れたようです。
私はいつかこの男が本当の殺人をして終わるのではないかと不安に思っています。
心霊の話しじゃないけど、人間の話も過去に出てたので書かせて貰いました。

43: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/09/09 21:29
じゃあ俺が小さい頃体験した話でも。
思い出しながらで悪いけど小さい頃は病院から繋がってる保育所に通っててさ、その病院ってのを先に説明しておくと障害を持った人達や、重度の病気の患者さんとかを専門に扱うところなんだよ。
当時の俺もその病棟に入ったこと何度かあったけど小さい頃の俺はそこが大嫌いだった。

まず鼻を突くような薬品の匂いとかあちこちから聞こえてくる患者さんの唸り声。
5歳にも満たない子供には刺激が強すぎだったよ。
人が死んだりってのも日常的にある場所だったらしい(言い方悪いけど)で、結構看護婦さん達の間でも「死んだ患者さんが夜中歩いてた」とか「先日亡くなった男の子が窓の外からこっち見てた」とかそんな話も少なくなかったそうだし、実際そこの看護婦だった母さんからもよくそんな話を聞かされてた。

それから隣は神社だったり、よくわからない慰霊碑が立った森があったりで正に心霊スポットのド真ん中に立ったような病院。
さらにその中にあったのが俺の通ってた保育所ってわけ。

44: 43 03/09/09 21:31
それで、俺の保育所では毎年お泊まり会ってのをやるんだけどその中に「肝試し」があったんだよ。
ルールはまあ有り勝ちなんだけど、一人で保育所の奥にある裏口近くのトイレまで歩いていって、そこにあるお菓子をとってくるっていうものだった。

まず子供達と保母さん達は一つの部屋に集まってて、そこから一人ずつスタートするんだけど、その部屋から外が全くの別世界。
異常なくらいシー…ンと静まり返った廊下の奥は完全な闇。
子供達の誰もが怖がって行こうとしないんだよね。
当然だけど。
それで、保母さん達が無理やり部屋の外に出すんだよ(鬼だよな)
もう一人闇に放り出された子供は大泣きしてた覚えがある。

それで年長組だった俺は最後の方に行くことになってたんだけど、先に行って帰ってきたみんなが変なこと言い出すんだよ。
泣きながら「真っ黒い人が居た」とか「足引っ張られた~」とか。
俺も最初は強がって「ウソだろー。怖くないもん」とか言ってた(記憶がある)
けど自分の順番が近づくにつれてマジで怖くなってきた。
けど中には「誰も居なかったよー」とか言う奴もいたから、それを支えにして耐えた。

45: 43 03/09/09 21:33
で、自分の番が来た。
部屋出た瞬間一気に血の気が引いたのを今でも覚えてる。
マジで真っ暗。
廊下は闇に吸い込まれてて、手に持たされた懐中電灯だけが頼り。
元々病院の中にある保育所だから、さらに不気味でさ。
なんとか勇気を出して奥へ奥へと歩いて行った。

ちなみに、そのお菓子のある場所までは二つの部屋を通過しないといけないんだけどその一つ目の部屋に入った時のこと。
真っ暗な部屋に窓から薄く月明かりが入ってきて少し明るくなっていた。
その部屋の真ん中。
俺から3メートル離れてなかったと思う。
真っ黒な誰かが踊ってた。
姿は真っ暗で見えない。
というより逆行にかかったように真っ黒で顔はおろか服装も何も見えない。
そいつは小刻みに跳んで手足を上下に激しく動かして踊ってた。
けど足音が全く無い。
あれだけ激しく跳んだりしたら静かな廊下に足音が響き渡ってても良かったはず。

妙な違和感と恐怖に襲われて、俺はすぐにお菓子のある場所まで走りお菓子をひったくるように取り、みんなの部屋へ逃げ帰った。
部屋に帰った後みんなに報告すると半分くらいの奴等が「見た」という。
だが保母さんはこの部屋に全員居るし誰かがお化け役をやってるわけでもない。
ちなみに一番最初見に行った保母さんはそんな人見てないと言う。
見たのは一部の子供達(俺含む)だけ。

46: 43 03/09/09 21:34
そこで俺と仲の良かった友人と二人でもう一度同じコースを行かせてもらった。
二人なら怖くないだろう。と思ったんだろう。

多分ビビってるみんなを見下そうというガキの浅い考えとかそんなところ。
それで部屋を出た俺達はまず一番目の部屋へ向かった。
だがそこには誰も居なかった。
さっきまで踊ってた真っ黒い奴は影も形もない。

すると突然「パァンッ!!」という風船が割れるような音が響き渡った。
当時の俺には知る由もなかっただろうけど、いわゆるラップ音だった。
続けざまにパァン!!パァンッ!!と激しい音が響き渡った。
「え!?何!?何この音!?」とビビりまくって友人に聞いてみても友人も
「わかんないよ!!」と二人してパニック状態。
俺達は怖くなって次の部屋に走って逃げた。

そこに逃げ込むと今度はテーブルの下から足を掴まれた。
これはハッキリ記憶に残ってる。
友人と半分泣きながら振りほどき必死に走って廊下に出てお菓子のあるところに来た。
で、そのお菓子のある箱の向かい側の壁…
そこに座り込んだ真っ白い人。…
ここはほとんど覚えてない。
でもよく覚えてるのはそいつの裂けた口が真っ赤だったこと。
他には目も鼻も髪の毛も無い。
ただ白い人型の赤い口が三日月みたいに付いてるだけ…
そいつが無言で追いかけてきたこと。

ここで記憶が途切れてて先がどうしても思い出せないんだわ。
長文になってしまって申し訳ない

49: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/09/09 22:10
こえぇー。そんなとこで肝試しさせる大人って・・・

54: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/09/10 03:37
コワコワコワ(゜д゜)

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