426: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/10/24 19:47
私がまだ学生だった頃の話です。
夕食の前に、私は実家の近所にある公園のベンチでタバコを吸っていました。
目の前の砂場では数名の子供達が遊んでいて、反対側のベンチには、親と思われるおばちゃん達が座って互いにお喋りをしていました。
おばちゃん達が座っているベンチから少し離れた滑り台があったのですが、その下側、ちょうど滑り面が地面に接する鋭角のあたりに、座っている子供がいました。

体のほとんどが影になって見え難いのですが、どうやら女の子のようです。
(なぜ、あんなところに座っているんだろう?)
そう思っていると、おもむろに女の子がスッと立ち上がり、影から歩み出しました。
砂場を掠めて、こちらの方にゆっくりと近づいてきます。

その時、冷気が背筋を這い上がるのを感じました。
近づくにつれ、その子の姿の異様さに気付かされたのです。
丁度秋に差し掛かった頃で、夕暮れ時とはいえ辺りはかなり明るかったのですが、女の子の体は膝上までが影の中にあるように真っ黒で、そこから脛と裸足の足が白く伸びています。

全身がぼやけているというか、ピントがずれているような感じだったので、目を細めたりして焦点を合わそうとするのですが、次の瞬間にはフッとブレてしまう。
見るほどに気味が悪く、眩暈を起こしそうなのに、目を逸らすことが出来ません。
やがて目の前まで来た女の子が、ポツリとこう言いました

「おっちゃん。私、もう死んでるねんで」
ふと気が付くと女の子の姿は無く、そればかりか公園に居るのは私一人で、空はいつの間にか真っ暗になっていました。
どうやら夜になってしまったようですが、女の子の言葉を聞いてからの時間の経過が、私の記憶から欠落しています。
不思議なことに、指に挟まれたタバコからは、まだ紫煙が立ち上っていました。


家に戻ると、玄関の所で鉢合わせした姉が、私の顔を見て怪訝そうな表情を浮かべました。
「鏡、見といで」
洗面所で鏡を覗くと、両の頬に黒い煤のようなもので小さな手形が付いていました。

462: (((( ;゚Д゚)))ガクプル  1 03/10/24 21:15
俺が高校生の時、体験した話をさせて頂きます。
大体今と同じくらいの時期のこと。
少し肌寒い秋の夕暮れ部活で帰宅が遅くなってしまった俺はかなり家路を急いでいた。
理由は確か、腹が減っていたとかくだらない理由。
駅の駐輪場から勢いよくチャリで飛び出した俺は部活で疲れているにもかかわらず猛スピードでチャリを飛ばしてました。

駅を出るとすぐに交差点。
国道のためか結構車の量が多い。
信号をみるとちょうど青信号だ。
しかしすでに点滅していていまにも赤になりそう。
さらにスピードを上げて交差点に突入した俺の目がこっちにに向かって右折してくるスクーターを捕らえた。

「おぉぉぉ…」
急ブレーキのせいで思わず変な声が漏れる。
向かってきたスクーターの後輪がほんのちょっと地面を滑った。
が、結局、俺が止まり、スクーターが俺の前を通り過ぎて行った。
はずだった。

通り過ぎて行ったはずのスクーターが俺の斜め前で止まっている。
そしてスクーターに乗っているオッサンが俺を睨んでいる。
小心者の俺はこういうに慣れてなかった。
ヤバイ。
こうゆうのは関わらない方が…、
が夕暮れの駅前にオッサンの大声が響き渡った。

「ガキィ!!どこみとんじゃ!こっち来いオラァァ!!!」
怖っえぇぇ!!やばいって!殺されるって!
気が動転した俺は、逃げた。
思いっきり逃げた。
後ろではオッサンがまだ叫んでいる。
後ろをみるとオッサンが追いかけて来ている!!
この時ふと「ボコボコにしてやるか…」といけない事を考えたが、逃げ続けた。
そんな勇気もないし多分負ける。
俺の鈍い頭で必死に逃走経路を練る。
そうだ!団地だ!ポールが立ってるトコだからバイクは入ってこれない!

463: (((( ;゚Д゚)))ガクプル  2 03/10/24 21:16
急いで近くの団地に逃げ込んだ俺の後ろからまだ声が聞こえる。
まぁこれで一安心だ…。
が、後ろを向いた俺の目にメットをかぶりながら走ってくるオッサンが映った。
「マジか…」
なんであんなに怒るんだ?
だが所詮チャリ(高校生)VSオッサン。
どんどん間が広がっていった。

だが、ココは入ったことも無い団地の敷地。
迷ったら…。
そうおもった俺は何処かに隠れてオッサンをやり過ごすことに。
チャリはバレないようにそこら辺の駐輪場に停めて、マンションの建物の中に入った。
階段を上がって踊り場で息をひそめてオッサンをやり過ごした。
とりあえず暫くココにいよう。
そのとき、後ろから「何してるの…?」と中年女性の声が。
俺の後ろに怪訝そうな顔のオバサンが立っていた。
「あ、あの…隠れてたんすけど…ぇっと…」
しどろもどろだが正直にわけを話した。
すると「じゃあウチで暫く隠れてなさい」と言ってくれた。

最初は断ったが、半ば強引に俺は引っ張られていった。
玄関に入ると驚くほど何もない部屋があった。
中でお茶でも、と誘われたが失礼な少年の俺はココでいいです。
と玄関に居させて貰う事に。
礼を言っとこうと思い、後ろのオバサンに振り向いた瞬間。目の前が真っ暗になった。
「?………え!!???」
部屋の電気が全部消えていた。
窓からも少しも光が入ってこない。
声をかけてもオバサンの返事がない。
ヤバい…。
自分が立っているのか座っているのか、どっちが玄関かもわからなくなった。
手探りでドアノブを探して外にでたが外も真っ暗。
そんな馬鹿な!!俺はドッチに向かってるんだ?ココはマンションだろ?下に降りたいのに下がどっちか分からない。
周りは真の闇。
黒黒黒黒…

464: (((( ;゚Д゚)))ガクプル  3 03/10/24 21:17
一体どれだけの時間がたったのか。
気がつくと俺はマンションの駐輪場の前でうつ伏せになってすすり泣いていた。
何日か後になってあの時のマンションは何だったんだろう?と思い、友人を連れて確認へ行った。

が、ソコにマンションは無かった。
正確には、駐輪場はあったがそこで団地の敷地は終了。
そこからは駐車場だった。
ありえない。
友人が信じてくれる筈も無く、そのときは「パニくってたからなぁ…」と強引に納得することにした。

その後、特に生活に支障もなくいままで暮らしてきたけど、あれから時々夢で、真っ暗になる瞬間の恐怖を思い出す。
上記したように本当に普段の生活においては何の支障もなかった。
暗いところが怖いと言うわけでもない。
只、夢で暗闇に包まれると発狂しそうになる。
だが発狂する間もなく、暗闇の中で俺の思考全てが消えていき、体中の毛穴という毛穴から体温が奪われていく。
光に満ちていたはずなのに一瞬で暗闇に変わってしまった部屋で俺は俺自身の存在全てが否定されるような恐怖感に包まれる。
言い表しにくいけど、何光年も地球から離れて一人ぼっちで宇宙に取り残される感じに似てるかもしれない。
そして夢から覚めるとうつ伏せですすり泣いている自分に気付く。
高校生の時の体験が心霊体験か、もしくは変なオバサンの手の込んだ「悪戯」か、今となってはわからないけど俺にとって死ぬほど怖かったのはバイクのオッサンでもオバサンでもなく「暗闇」だった。

以上で俺の話は終わりです。
長文&駄文失礼しました

479: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/10/24 22:39
以前友人と三人連れ立って、とある心霊スポットにドライブした。
九州のI峠という場所でのこと。
みんなで脅かしあったりの馬鹿騒ぎの末、記念に写真でも撮るか、てなことになった。
俺はたまたま車に使い捨てカメラを置きっぱなしにしてあるのを見付けて、ただ使い切ってしまおうと思ってのことだった。

そんな訳で、ドライブから一月くらい経って、ようやく現像することにした。
それはほとんどが学園祭の時のもので、残り三枚がドライブでの写真だった。
三人が一回ずつシャッターを押したので、二人だけで写っているものが三枚あるはずだったのだが・・・・・
なぜか一枚だけピンボケで、三人で写っているのがあった。

480: 479 03/10/24 22:44
その写真を撮ったはずの友人が、去年、交通事故で亡くなった。

481: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 03/10/24 23:14
それは怖いですね

438: 靴音 03/10/24 20:17
ちょっと怖いことがあったので、ここに書かせてもらいます。
少し長くなります。

私はあるビルに勤めています。
そこは4階から下が店舗。5階が事務所で、6階は倉庫とロッカールームになっています。
私が6階倉庫に誰か居る事に気付いたのは、今から一年ぐらい前になります。

私は立場上、よく一人で残業をします。
その日もいつものように、5階事務所で机に向かい仕事をしていました。
すると天井から、トトトトトッと軽やかな音が聞こえて来たのです。
それはまるで、幼い子供がたてる靴音のように聞こえました。
私は手を止めるとすぐに6階倉庫へ上がったのですが、そこは真っ暗で、当然誰もいませんでした。
首をかしげつつ、私は事務所に戻りました。
その日を境に、私はその靴音を度々聞くようになったのです。
続く

439: 靴音 03/10/24 20:18
それはいつも私の上の天井を、背中の方から前へ向かってトトトトトッと駆け抜けます。
まず、倉庫をよく調べてみました。
事務所で聞く音の位置から、倉庫のどこら辺を駆け抜けるかが判断出来ます。
倉庫には高さ180センチの在庫置き用スチール棚が、6列ほど並んでいます。
しかし棚は私の席から見て全部横方向に並んでいるのです。
足音はそこに並ぶ棚を無視して、突っ切る方向に駆け抜けていることになります。
スチール棚を飛び越しているのでしょうか。
それが不思議でした。

また、音の聞こえる時間は大体9時前後でした。
正確に計ったわけではないのですが、音が聞こえて時計を見たときには、大体針が9時付近を指している事に気が付いていました。
しかし毎日ではありません。
どちらかというと、音が聞こえない日の方が多くありました。
そして聞こえるときはいつも一回だけ。
背後から前へ駆け抜ける。
いつも一回きりでした。
続く

440: 靴音 03/10/24 20:20
その日、私はいつも通り一人で残業を終え、その場で帰り支度をしていました。
ここでは基本的に残業はありません。
私以外残る人間はいないので、今まであの音を聞いたのは私だけでした。
しかし私は夜の倉庫が怖いので、皆が帰る時に一緒にロッカールームへ行き、手荷物を事務所へ持ってきてから残業をするようにしていました。
ひとりで倉庫のロッカールームへは行きたくなかったからです。

私は机の上を軽く片づけ、事務所の電気を落とし、エレベーターで一階に降りました。
一階の配電盤でビルの電気をすべて落とし、出口の鉄扉に向かう途中、私は忘れ物をしていることに気が付きました。
友人に頼まれて買っておいた商品を、今夜帰りに渡さなければなりません。
それをロッカールームに置きっぱなしであることに気が付いたのです。
仕方ないので私は踵を返すと真っ暗な店内を歩き、エレベーターに再び乗り込みました。

扉が閉まる瞬間、右正面に掛けてある時計が9時付近を指しているのがちらりと見えました。
ちょっと嫌な時間帯です。
そういえば今日はまだあの靴音を聞いていません。
まあ、聞こえない日の方が多いわけだし・・・。
それにさっさと行動すれば大丈夫でしょう。
私は少し不安な気持ちで、移動していく階数表示を眺めていました。
続く

441: 靴音 03/10/24 20:21
程なくして、エレベーターは6階に到着しました。
扉が開くと、静まり返った倉庫は、エレベーター内部の明かり以外は真っ暗です。
エレベーターの正面は、向こう壁まで通路用に大きく開いています。
左の方にはスチール棚の端が綺麗に並んでいます。
そしてロッカールームの扉は、右奥の壁際に見えています。
明かりのスイッチはロッカールームの脇にあるので、私はエレベーターの扉をロックすると、そこまで走る事にしました。

しかしエレベーターから体を出したその時、例の靴音が左の方向から聞こえたのです。
私は思わずそちらを見てしまいました。
そこには一番手前のスチール棚に、今まさに突き刺さる子供の後ろ姿がありました。
色ははっきりしませんが、暗い色の上着に、茶色っぽい色をした半ズボン、それに白い靴下がぼんやりと光って見えたのです。
その子は、あっという間にそのまま棚を突き抜けると、靴音と共に奥の方へ走り去って行きました。
そして辺りはまた静まり返ったのです。
続く

442: 靴音 03/10/24 20:23
私はあまりの衝撃に、少しの間立ちつくしていました。
音はやはり子供の靴音だったのです。
棚を突き抜けたので幽霊と言って良いでしょう。

でも、どうしてこんな場所に・・・。
私はしばらく躊躇していましたが、勇気を出してロッカールームへ行くことにしました。
とりあえず子供は行ってしまったので大丈夫です。
不思議なもので、走るのをやめてゆっくり歩いていこうと思いました。
走ってしまうと逆に、恐怖が止めどなく押し寄せて来るような、そんな気がしてならなかったからです。
私は決心しました。
続く

443: 靴音 03/10/24 20:25
ところがまた靴音が聞こえて来たのです。
どうして?
いつもは一回しか聞こえないのに。
それは左奥をトトトトトッと大きく回ってきたかと思うと、スチール棚のかげから走り出ました。

それは幼い男の子でした。
両手をこちらへ差し出し、屈託のない笑顔で私に向かって走って来ました。
その顔は本当に嬉しそうに笑っていました。
そしてその目は私を見ていましたが、私の顔には向いていませんでした。
ただ、笑った口だけは白い歯も見えず、その中は底なしの穴のように真っ暗でした。
実際私は、その口だけが先にせまってくるようにも感じたのです。
続く

445: 靴音 03/10/24 20:37
私はビクッと小さく飛び上がると、すぐにエレベーターに飛び込み、ロックを外しました。
すぐに扉は閉まりましたが、閉まりきる扉の隙間に男の子の手が入りそうなところでした。
私はエレベーターが下降し始めると、すぐに中腰になって天井を見上げました。
あの子が天井を突き抜けて来るような気がしたからです。
しかしそのようなことはなく、エレベーターは無事に一階へたどり着きました。

私はエレベーターから飛び出すと、一目散に出口の鉄扉まで駆け、それを引き開けました。
そして、あらかじめ握っておいた鍵を差し込むために振り向いたとき、閉まりつつある鉄扉の向こうに見えたのです。
続く

456: 靴音 03/10/24 21:02
非常口案内プレートの緑の光に照らされた、店内真ん中のエスカレーター。
その手すりの端に、先ほどの男の子の顔が乗っていました。
何故か体はなくなっていて、そこに乗っているのは頭だけでした。
先ほどとは打って変わった沈んだ表情。
目は伏し目がちに、口は堅く引き結ばれていました。

そして床には青い靴が一組、それが寂しそうにころがっているのが見えました。
私はヒッと口の中で短い悲鳴を上げ、扉を強く引き押さえながら、ガチャガチャとあわただしく鍵を掛けると、夜の大通りをもつれる足で、駅へと向かって走ったのです。
結局、友人に渡す荷物は持ってこられませんでした。
続く

457: 「靴音」 LL COOL J太郎 03/10/24 21:04
2日後、皆と相談して、近くの神社からお払いに来てもらうことになりました。
いくつかお札を貼ってもらったその日から、もうあの靴音は聞かれなくなりました。
しかし私は、今も皆が帰った後の倉庫には入れません。
あの靴音がまた聞こえてくると嫌だからです。
あの子はいったい何が望みだったのでしょうか。
いまでも寂しくころがった一組の青い靴が忘れられません。
終わり。

ってなわけだ。退屈してるオマエ達に、こんな長い話をわざわざ書いてやる親切な俺だ。

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