1: かじりむし ★@\(^o^)/ 2014/08/28(木) 23:29:19.61 ID:???0.net
消えゆく見世物絵看板 京都文教大教授が収集、公開
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20140828000073
京都新聞 【 2014年08月28日 17時00分】

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↑写真:見世物絵看板「人間ポンプ」


 近代の大衆文化や風俗を研究する京都文教大教授の鵜飼正樹さんが、収集し
た見世物(みせもの)絵看板を東京・銀座の画廊と岐阜県の博物館で公開して
いる。親しかった見世物興行主が亡くなり、遺族から最近譲り受けた品。見世
物という文化が姿を消しつつあるなか、庶民の熱気と好奇に包まれた芸能史の
一端をひもといている。

 大衆演劇の舞台に自ら立ち、芝居小屋や街角などでフィールドワークする鵜
飼さんは、演者の視点で大衆芸能を捉えてきた。「人間ポンプ」の安田里美さ
ん(1923~95年)に出会ったのは88年、兵庫・西宮神社「十日えびす」
の見世物小屋だった。黒白の碁石を飲み込んでより分けて出したり、金魚を
飲んで釣り針で釣り上げたり、さらには口から火を吹く豪快な芸に衝撃を受け
た。

 見世物は江戸中-後期に盛んになり、祭礼や縁日に仮設小屋を建て奇術、幻
術、軽業、芝居など多様な芸を繰り広げた。安田さんが2代目荷主(興行師)
を務める安田興行社は岐阜県大垣市を本拠とし、大正末期に旗揚げ。戦前はサ
ーカスや劇場公演も手掛けた。64年に荷主を継いだ安田さんは70年近く舞
台に上がり、人間ポンプ芸を約45年間演じて亡くなった。鵜飼さんは最後ま
で舞台を見届けた。

 昨夏、遺族から「もう見世物はやらないから、うちの絵看板を全部あげる」
と申し出があり、2トントラック1台分の資料を引き継いだ。

 布に描かれた絵看板は11枚。「かに男・たこ娘」「謎の人魚」「電気人間」
「猿犬サーカス」「人間ポンプ」「手術室」「マキツギ(へび娘)」と見世
物王国のスター勢ぞろいだ。毒々しい色彩、大仰なポーズで、怖いもの見たさ
をあおる劇画調。大きい看板で幅約3・6メートル、高さ約1・8メートルあ
る。描いたのは志村静峯(1905~71年)。見世物絵看板専門の北九州の
絵師で、小豆の炊き汁と絵の具を調合して描いたともいわれる。そのためか、
今も生々しい色彩を放つ。

 「見世物興行は50年代は全国に20~30社はあったようだが、安田さん
のいた80年代までに5社まで減った」と鵜飼さん。現在は全国で1社だけと
いう。「見世物に対する抵抗感、後継者不足、演じるスペースがなくなったこ
とが原因」とみる。安田興行社は、お化け屋敷の興行を続けている。

 ヴァニラ画廊(東京都中央区)で9月6日まで開催の「開封!安田興行社大
見世物展」には、絵看板のほか、装置や剝製、幕を出品。8月30日には写真
家都築響一さんと鵜飼さんのトークライブもある。また、岐阜県博物館(関市)
で31日まで開催の「奇なるものへの挑戦 明治大正/異端の科学」展にも、
絵看板2枚や資料を提供している。いずれも入場有料。

 鵜飼さんは「遠い異国でなくても、すぐ隣にとてつもなく知らない世界が存
在しているのではないか。日本で空間、時間を同じくしているのに、全然違う
生き方をしている人がいることに興味を引かれる」と魅力を語る。